知らねぇよ、あんなヤツ。

 ダチでも、仲間でもなんでもない。

 

 <あおぞら。>

 

 

「腐れ外道」

 急に奴が俺に向かってそう言った。

「あ? 何だと?」

 俺はもちろん即答する。

 日中の歩道橋の上。

 週に1度はここでコイツと会う。

 学校サボリ魔と、中退野郎の特権ってやつだ。

「特に意味はナシ。言いたかっただけ。キミ宛に」

 コイツの笑顔。

 すっげえ嫌い。カノンを思わせるし。

「ざけんな。1番最初に言ったコトバ、そっくりそのまま貴様に返してやるよ」

「へ? 俺、何か言った?」

「“腐れ外道”」

「あ、再び返すよ。キミにお似合いだ」

 ったく、この金髪野郎。と俺が漏らすと。

 沢村は普通に、キミに言われたくないね。イモ髪野郎。と返してきた。

 ホント、やってらんねぇ。

「あーっと。彼女。見つかったのか?」

 空気つなぎに俺が聞くと。

「見つかってたらキミなんかと一緒にここで駄弁ってない。わかる?」

 ・・・嫌な奴だ。

 言葉にせず、わざわざうしろから頭を殴る。

「ったぁ・・・。バカになったらどうすんだ」

「それ以上ならねぇだろ」

「そっくりそのままキミに返す」

 言って、奴は缶コーヒーを口に含む。

 缶のだから、多分相当甘いだろう。

「・・・・・・缶のって甘くねぇか? コーヒー」

「缶のくらいじゃないと飲めないんだ。悪いか」

 オコサマ。

 意外な一面を発見して、内心「弱み握ったり」とか思ったりしてる。

 くそっ、こんな風にしか弱み握れねぇなんて情けねぇぞ、自分。

「・・・バカにすんなよ?」

「するする」

 意地悪く笑って見せて、俺は自分のスポーツ飲料を飲む。

 冷たくて甘い感触が喉を通っていく。

「・・・・・・っ!?」

 ぱしっ。

 気が付くと俺の手の内から缶は消えていた。

「っ、てめッ!! ガキか!?」

「バカにするって言った罰」

 奴は俺のスポーツドリンクを一口二口飲むと、缶ごと俺に渡す。

「・・・てめぇが口つけた飲みもんなんざ飲めるか」

「キミ、俺を何だと思ってんの?」

「金髪の細菌」

「勝手に言ってろ」

 そうやって軽ーく流すとこも気にいらねぇ。

 清隆目指すなら、もっと乗って来いってんだ。

「あー、空青いなー」

 歩道橋の上。

 飲み干したコーヒーの缶を足元に置いて、奴は空を仰ぐ。

 ほんっとに、抜けるくらい空が青い。

「・・・・・・学校、行かなくていいワケ? 超難関校だろ、月臣って」

「知るか。・・・・・・ま、学校じゃなくても。これからゲーセンで暇潰す予定はあるな」

「・・・その話乗った」

 勝手に乗ってくんじゃねぇ。

 そう思ったが。

「・・・・・・ま、いっか。じゃあ行くぜ」

 

 2人で行くのも、悪くないと思った。

 



 ++++++++あとがく。++++++++
 
 コンビとしてはイチオシな沢村+浅月。
 香介って打つの慣れてないデス。
 もちろん! 沢村→伊万里←香介があってこそのコンビですが。
 そう、求めるのは争奪戦なのです!!!(燃えるなよ)
 いつか絶対確実に争奪戦もの書きます。
 野望はやっぱり高く持たないと。(野望というより妄想だ)

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