トリプル・カブ再び、そして道後温泉へ



何度も寝かけては止まり、寝かけては止まり、(だいたいみかが寝てた)国道を愛媛に向かい走る。

国道は怖い。
山ん中だし、くねくね道だし、トンネル多いし、車多いし。
歩き遍路の人を何回か見かけたけど、辛いだろうよ。

何度目かの眠気予防の休憩(っても路肩らしきとこに止まってるだけ)中に1人のおじさんが声をかけてきた。

!!!!!
(このおやっさん、90の黒カブに乗ってらっしゃる!)

「どうしたー?道わからんのかー?」

地図担当のみかが地図を見せて行きたい方面の説明をする。

「この道はなー、あんまり走りやすくないなー。ほれ、曲がるとこ教えてやるからついてこー」

みかと顔を合わせてにんまりする。
またまた、とりぷる・カブのお時間が始まっちゃいますのう。くぷくぷ。

おやっさんの黒カブ、みかの緑カブ、こいちの青カブと続く。
さっきまで眠かった国道もおめめキラキラでついていく。

おやっさんが左ウインカーを出した!
左を見る。
え!?そんな山道みたいなとこ入ってくの!?
うっきーーーーー楽しそうなりーーーー

さっそうとおやっさんのあとに続いて左に曲がる。

!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
言葉では表現できない。

見たまま言うなら、国道から左の山道に入ってちょっと抜けた瞬間、地面が消えた。

正しくは目の前の、走ってる幅2・5mくらいの砂利道以外の地面が消えた。
そこは尾根だった。
目の前の道以外は右も左も、遥か下の方に田んぼや民家が見える。
急に空を飛んだような気持ちだった。

そのあとも砂利道のローカル道をおやっさんの後について回り、ついには次の寺まで案内してくれた。
おやっさん、最高でしたよ。

2つほどおやっさんの案内で寺を回り、そこで別れを告げ、道後温泉に向かう。

道後温泉は、俗世だった。
あまりにも俗世だった。

時期と言うこともあろうが、人であふれ、温泉の前にはうるさい音を張り上げる宣伝カーがいて、
情緒あふれる道後温泉の雰囲気をみごとに壊していた。

かなりがっくりしながら温泉に入ったが、温泉はえれー熱くて気持ちよかった。
湯の中でみかが笑いながらぽつり。
「さっき子供がこいちゃんのこと指差して何か騒いでたよ。」

ごめんなさい。だって一休だもの。

着替え場でも異様に浮いていた。寺ではあんなりしっくりくるのに。

フロからあがって2人でぽつり。
「さすが、俗世だね。」
「俗世のジュースを飲もうか。」

(この生ジュースがえれーうまかった)

「俗世の観光もしちゃおうか。」
道沿いの公園でやってたへんなギミック時計を見て(まあまあだった)、和太鼓の演舞を見た。
和太鼓はえれー良かった。腹のそこまで重低音が響いて、その動きもかっこよかった。

ひとしきり、見るものも見たので寺に帰ることにした。
これからテント張るし、しかも舞台の上だからよー。

あんれ、楽しみ楽しみ。



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