(4)右手と左手のコンビネーション
   ハジキとスクイの組み合わせ
     (なめらかな演奏の秘訣とバチ捌きの習熟)

  前述のハジキはバチを使わない単独のハジキであった。ここでは勘所を押さ
え、一音弾いた後のはじきを扱う。人差し指と薬指によるハジキに加えて、前に
触れずにおいた人差し指と中指とによるハジキも、ここで扱うことになる。

  はじくと同時にバチを上げると次のひとバチへのアプローチが素早くでき、な
めらかな演奏が可能になる。譜面の意味が解り、手順を体で覚えてしまえば決
して難しくなく、むしろおもしろい音をつくりだす楽しい活動となるはずである。 
  指導者が主旋律を弾き、虫の合方の「チンチロリン」や佃の合方「チャラリチャ
ラリチャン」などのオスティナートを受講生に演奏させるととても楽しく取り組め
る。この時期からこういったことを手すさびに繰り返していけば、いわゆる「良く
手が回る」ようになるのではないかと思われる。

(5)指運びの原則とポジション移動の方法
  人差し指で押さえねばならない勘所は、調子(本調子・二上り・三下り)によっ
て原則も多少変化するが、ほぼ決まっている。そしてその勘所を基準としてそ
の音より半音ないし一音高い勘所を中指および薬指で押さえる。
  中指および薬指で押さえる勘所において、初心者の場合は先に人差し指で
主になる勘所にたどり着いて後に必要な指(中指および薬指)を付け足して押さ
えるようにする。こうすることによって、数多くの勘所を全て覚えて押さえるので
はなく、目安となる基準の勘所から距離を測って押さえることが出来、より正確
な音を出すことが可能になる。
  中級以上になり、さらにより良い音の響きを求めるようになる時、人差し指を
少々浮かせて弾く場合も出てくるが、初心者の内は、決して中指および薬指の
単独で勘所を押さえることのないようにする。
  また、次のポジション移動についても人差し指を離さないようし、まずは正し
い勘所を押さえ、正確な音を出す事を第一に心がける。

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