人員削減の効果は
強固な府財政実現に抜本的改革を
(平成16年11月16日 決算特別委員会)
今回策定の行財政計画の計画素案で、前回同様、経済成長率予測の伸び率1・3%の税収予測をした根拠は何か。 現在の企業収益の増加はリストラ効果によるものが大。また、高度成長期と違って、景気動向で全ての企業業績が上下する時代でない。加えて、個人所得の環 決算特別委員会で質す酒井豊議員
境も企業の人件費抑制や非雇用者の増加などで、むしろ、厳しい状況にある。また、来年度からは法人事業税の外形標準課税の導入が本格化する。 こんな時に、一律に経済成長率の伸び率で税収予測をするのはおかしい。もっと実態を反映した税収予測をすべきである。
毎年の地方団体の財政は、国の地方財政計画の地方交付税の算定に基づき、その年の予算を立てている。ところが、今、国の地方財政計画の計画額と地方団体の決算額との巨額の乖離が大きな問題となっている。特に、一般行政経費と投資的経費の巨額の乖離が問題である。 現在、三位一体改革の国庫補助金の削減や、地方交付税の削減の話が、国と地方で激しく議論されているが、その前提は、地方財政計画が正しく地方の実態を反映することである。まず、地方の実態を踏まえた計画が作られるよう、国と協議すべきだと思うが。
府行財政計画案が公表されたが、現計画での人員削減計画では、どれだけの人件費削減効果が得られたのか。一般行政部門の人員削減の取組みの一方で、教育部門の増員、警察部門の政令定数の増加への対応などで、トータルでの職員数は必ずしも減っていない。教員・警察官が増員されると、減員の効果は減殺される。行財政計画案では、削減目標を現計画の3000人から3200人の削減計画へ変更しているが、この程度では、実質的に総数で人員が減らないのではないか。
地方税財政制度改革など今度の府の行財政計画素案には変動要因が多数内包されている。変動要因に対する機動的財政運営が極めて重要。財政調整手法としてどのような考えを持っているのか。 理事者側答弁
平成16年度10月末の税収状況は、法人二税が企業業績の回復で前年同期比116・4%と前年度を上回る状況にある。一方、個人府民税については、未だ厳しい状況にある。外形標準課税については、今回の改訂素案で、18年度から23年度までの期間、収入額が所得課税による減収額を上回り、毎年度10億円から40億円の増収を見込んでいる。しかし、指摘のとおり、税収予測に不確定要素が多く、法人二税や個人府民税を推計する場合、直近のデータや様々な経済指標を効果的に活用し、その動向を的確に把握していく。 三位一体と府財政 平成13年度の地方財政計画額は、総額92兆4776億円で、決算額は94兆2994億円で、差し引き1兆8218億円、決算額が上回っている。そのうち、決算額が大きく上回っているのが、一般行政経費の7兆6091億円であり、下回っているのが、投資的経費の普通建設単独事業の5兆9920億円である。早急に国の地方財政計画と地方の実際に使っている経費との乖離を近づけることが必要。全国知事会を通じて国に働きかけてゆく。 人員削減計画 平成14年度から16年度の3ヵ年で目標の750人を上回る797人を削減した。また、教育部門では、目標880人の削減に対し、238人の増員。警察部門は、治安情勢等を踏まえ780人を増員。一般行政部門で、3年間で約80億円の削減。教育・警察部門の増員では約103億円増加で、差し引き全体で約23億円の増額となっている。このほか、期末手当の削減や給与のマイナス改定などで、3年間の削減効果は、計画を約480億円上回るものとなっている。この結果、現在、全国で一番低い給与水準となっている。なお、平成23年度までの3200人の削減は、現計画の一般行政職員の20%削減を上回り、法令等の中で、現時点で見込める最大数を目標としたものである。 行財政計画改定素案 今後の府政運営においては、様々な変動要因が大きく、引き続き、厳しい財政運営を余儀なくされる。このため、指摘の強固な府財政体質を実現するため、更なる取組みが必要であり、府政の抜本的な改革に取り組んでまいりたい。改革工程表をとりまとめ、来年度予算編成作業とあわせ、全体像を示したい。
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