昨年は増額勧告なのに 今年はマイナスは何故?

 昨年11月10日に開かれた平成16年度一般会計決算特別委員会で、酒井豊府議は、16年度の人事委員会勧告と17年度人事委員会勧告ならびに18年度以降の給与構造改定の課題について質しました。

 

 酒井豊府議 10月21日、人事委員会から職員の給与等の勧告があったが、勧告の内容と府の対応について聞きたい。まず、16年度の勧告と府の対応は。

  上田人事室企画厚生課長  平成16年度の人事委員会勧告は、1・79%の増額勧告を受けたが、府としては、厳しい財政状況のもとにあるので、プラス回答を見送った。

  酒井府議 17年度の人事委員会勧告の要旨は。

  上田課長  昨年とは変わり、0・18%のマイナス勧告を受けた。あわせて、18年度以降の公務員給与構造の大改革に備え、調整手当の廃止と地域手当の新設、ならびに勤務成績を反映した昇給制度や勤勉手当創設を勧告された。

  酒井府議 昨年度、プラス改定しなかったのに、今年度マイナス勧告になっているのは何故か。

 上田課長 いわゆる逆格差(公務員給与が民間より高い状態)が生じたのは、ベースアップは行なわなかったが、府では普通昇給に加え一定の特別昇給を実施したのに対し民間では、収益還元分を月給よりもボーナスなどの特別給に反映させたようであり、その他さまざまな要因が複合し逆格差が生じたと人事委員会は分析している。

 酒井府議 この度の人事委員会勧告の最重要課題は、50年に1度と言われる公務員給与の構造改革である。府の人事委員会では、調整手当に変えて新設する地域手当について、府内の最高地基準である15%の一律適用を勧告しているが、何故府内最高地基準を一律適用すべきなのか。府人事当局としては、どのように考えているのか。

 上田課長 人事委員会勧告では、地域手当の支給地域および支給割合については、府域の一体性や職員の勤務の実情、調整手当からの移行等を踏まえ、給与条例において具体的に定め、18年度から21年度までの間、国に準じた特別措置を講ずるよう勧告されている。

 しかし、府としては、実施に当たっては、給与条例で措置することから、今後の府の公民格差を見極める必要があることや、国、他の地方公共団体の動向、府の危機的財政状況などを総合的に勘案し、十分に検討したうえで、慎重に対処したい。

 酒井府議 府の職員や教職員、警察官の勤務地を見れば、60%以上の人が最高勤務地の大阪市以外に勤務している。しっかりと検討されたい。
 
また、国では勤務成績に基づく昇給制度、ボーナス制度の導入を図ろうとしているようだが、具体的にどのような改革をしようとしているのか。

 

 上田課長 人事院の勧告では、勤務成績に基づく昇給制度は、特別昇給と普通昇給を統合し、昇給の区分を5段階設けることにより、職員の勤務成績が適切に反映される仕組みを導入しようとするもので、成績主義導入を踏まえ、成績反映をより細かく行なえるようにしようとしている。

  酒井府議 府の成績効果については、人事評価制度をとっているというが、まだまだ実態は平等主義。絶対評価だけでなく、相対評価も導入した人事評価制度の再構築必要。

 上田課長 国においては、人事院の勧告内容を踏まえ、給与構造の大改革にむけて、勤務成績に基づく昇給制度や勤勉手当への勤務実績反映の拡大の実施に向けて、検討や準備が進められている。府も国の動向を踏まえ、より一層能力実績主義を重視した給与制度の構築を図っていく。

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