???(アクセル)「……」
「…うう…レモン…」
「う…ここは…なんだ、残骸だらけ…戦場跡かよ?」
「俺は…うっ…」
「…俺は…誰だ…どうしてこんなところに…?」
「ちっ…落ち着け。まずは、情報を整理するんだ…」
「俺が乗っているこいつはロボット…人型兵器か?」
「燃料…弾薬…けっこう消費してんな…
機体自身にも若干の損傷、と」
「…ということは、まわりの残骸は俺がやったものなのか?
それとも、俺の仲間…?」
「くそ…思い出せない…記憶喪失というやつか?」
「ちっ、シャレにならんぜ…一時的に記憶が混乱してる
だけだと思いたいが…」
「…なんだ!? 戦闘…? くそ、状況が把握できねえ!」
「こっちに来る!」
ケーン「ちきしょう!しつこい奴らだぜ」
ライト「どうせ追いかけられるんなら、きれいな女の人に
追いかけられたいね」
タップ「まったくだぜ」
ケーン「とにかく、早いとこ戻らないと、アイダホが」
ライト「ん? ちょっと待った! 近くに生きている機体がある」
???(アクセル)「見つかったのか?」
ライト「ちょっとあんた、連邦軍の人? だったら助けて欲しいんだけど」
???(アクセル)「俺を知っているのか?」
ライト「知らないけどさ、困った時はお互い様だろ」
???(アクセル)(どうする…こいつらは敵か味方か…?
でも、敵だったら攻撃してきそうなもんだしな)
ケーン「おい! 黙ってないでなんとか言えよ。アーでもウーでもよ」
???(アクセル)「ああ?」
ケーン「んだ、てめえ! ケンカ売ってんのかよ!」
ライト「なんでキレてんだよ、ケーン、落ち着けよ。見たところ、
こちら損傷しているみたいだし…無理は言えないだろ?」
ケーン「それは俺たちだって同じだ。早いとこ戻んねえと、
リンダたちが…!」
ライト「おい! 奴ら、追いついてきたぞ!」
ケーン「出たな、キザ野郎!」
タップ「お坊ちゃんたちも一緒だぜ。男の尻にくっついて、
なにが楽しいのかね」
???(アクセル)(あのロボット…見たことがある…?)
(中略)
ケーン「やつら来るぞ」
ライト「…おたくにその気はなくても、あちらさんは敵と
認識したみたいだぜ?」
???(アクセル)「…みたいだな。もてる男はつらいよ」
タップ「お、言うね」
???(アクセル)(実戦の中で記憶が戻るかもしれないしな。…さて)
ケーン「おおっしゃあ! やってやろうじゃないの! そうだ…
あんた、名前は?」
???(アクセル)「…わからないんだな、これが」
ケーン「わからないって、あんたね」
???(アクセル)「そりゃそうだ。…そうだな。
アクセルとでも呼んでくれ」
ケーン「よし、アクセル。気ぃつけろよ?あのキザ野郎は、
『ギガノスの蒼き鷹』なんてふざけた異名をとるほどだ。
手強いぞ」
アクセル「蒼き…鷹? かっこいいねえ」
ライト「なんにしろ、早めにケリをつけないとやばいぞ。
…新手が近づいてきてる」
タップ「脅かすなよ。レーダーには何にも映ってないぞ」
ケーン「俺のところもだ」
ライト「あと2分ほどで接触だ。…このままだと、
はさみうちだぜ」
アクセル「自信の根拠を聞いてもOK?」
ライト「ふふん、俺の乗ってるD−3は、お前らの機体とは
おつむのできが違うのよ。なんてったって電子戦専用機だからな」
アクセル「熱視線?」
ライト「ハンパじゃない策敵能力を持っているのさ。…いうなれば、
戦闘指揮官用ってとこかな」
ケーン「けっ、エラそうに言いやがって」
アクセル「頭にどら焼きをのっけて、指揮官機とはね」
ライト「どら焼きじゃない! レーダードーム、レドームだよ!」
アクセル「そっちの機体は…土偶戦用?」
ケーン「土偶って言うな! これは追加装甲みたいなもんだ!
この下にはなあ!」
ダン「なにをごちゃごちゃと!」
マイヨ(統制がまったくとれていない…? D兵器と新型…
どういうことだ?)
タップ「来たぞ!」
ライト「増援が来る前になんとか片付けろ!」
ケーン「ムチャ言うな!」
アクセル(操作方法は…わかる。何から何まで忘れたわけじゃ
ないらしい…やってみるか)
(エンドデモ)
アストナージ「こいつがD兵器、メタルアーマーか。…ほお、いいツラ構えだな。
それはそうと、問題はお前だな。…俺たちの手を借りずに
整備するってどういうことだ?」
アクセル「俺はただ、この機体を他人に触ってもらいたくない
だけなのさ。…気にしないでくれ」
アストナージ「気にするね。モビルスーツだろうが、D兵器だろうが、
一人でどうこうできるもんじゃない。できるにしても、
相当な時間がかかる」
アクセル「わかってますって、ダンナ」
アストナージ「それにお前さん、記憶喪失だって話じゃないか。
そこは覚えてるのか?」
アクセル「断片的なんスよ、記憶がないのって。…ただ、
整備のやり方はわかるんで」
アストナージ「だいたいだな、記憶はない、身分証明も持ってない、
まったく身元のわからない男が…」
アクセル「まあまあ…アムロさん…っていう大尉の人?
あの人がいいって言ってたしさ」
アストナージ「まったく、アムロはそういうところが甘いからなあ」
アクセル(それに…他人にこいつを触らせちゃいけない…
そんな気がする。それに、こいつは記憶を取り戻す
唯一の手がかりなんだ)
アストナージ「お前な。整備士を信用できなくなったら、パイロットとして
おしまいだぞ。パイロットが存分に力を発揮できるのは、
誰のおかげだと思っているんだ?」
アクセル「…ん〜、まあね」
アストナージ「初めて見る機体だが、人型兵器である以上…
基本構造は同じのはずだ。任せとけって。…それとも、
見せられないものでも積んでるのか?」
アクセル「…わかった、負けたよ。でもさ、整備や修理の際には、
出来るだけ俺を立ち合わせてくんないかな?」
アストナージ「安心しろ。悪いようにはしない」
(中略)
アクセル「どうも! …って、お邪魔だったかな?」
ライト「おいおい、ずいぶんとお気楽だな。自分が何者かも
わからなくて、不安じゃないのか?」
アクセル「不安になったからって、記憶が戻るわけじゃないし、
名前がわかっただけで、もうけものさ」
タップ「おたく、前向きだねえ」
アクセル「そういうこと。もちろん、戻るにこしたことはないけど」
アムロ「……」
アクセル「ブライト艦長…でしたっけ? できれば、現在の状況を
教えてもらえませんか?」
ブライト「かまわんが…戦況くらいしか教えてやれん。君が敵の
スパイではないという保証はどこにもない」
ケーン「そんなに疑わなくてもさあ」
アクセル「まあ…そうだわな。あ、それでもいいです。
少しでも情報が欲しいんで」
(中略)
アクセル「ますます謎めいた存在になってきちまったな、俺…」
ケーン「おたく…なんか喜んでない?」
(感想) リアルルートは、ドラグナーチームとのファーストコンタクトから始まります。 アクセルとDチームのノリの良いやり取りは「A」の魅力の一つだと思うのです。 初対面なのに息ぴったり。 暫くはこんな感じで進んでいきますよー。 |