股関節形成不全症とは股関節の寛骨臼の形成が発育不全のために浅くなり、正常であれば球状な大腿骨頭が扁平化してしまうために、関節の噛みあいがスムーズに行かず、正常な歩行運動が出来なくなる疾病です。

この病気の原因は明確にされていませんが、本症は遺伝によるものが多く、70%を占め、30%は栄養過多による肥満、またその他の環境によるストレスが原因とされています。体重の重い大型犬に特に認められ、現在好発犬種として、以下のものが挙げられます。

ゴールデンレトリバー
ラブラドールレトリバー
ジャーマンシェパード
セントバーナード
グレートデン
ニューファウンドランド
オールドイングリッシュシープドッグ
イングリッシュセッター
アラスカンマラミュート
バーニーズマウンテンドッグ
ピレニアンマウンテンドッグ
ブルドッグ
ウェルシュコーギー
ボクサー
秋田犬
コリー
チャウチャウ
ドーベルマンピンシェル
ロットワイラー
ハスキー
ポインター
スタンダードプードル など・・・

中でも日本においては、ゴールデンレトリバーやラブラドールレトリバーなど現在人気の高い品種で特に多く見られます。

発症の時期としては多くは生後8ヶ月までに

・後肢の跛行(足をかばう)
・歩行時に腰を振る(モンローウォーク)
・正しい犬座姿勢が取れない(横座り)

などの症状が見られます。
早いものでは生後2週目より関節の緩みが見られ、生後2ヶ月には股関節の寛骨臼と大腿骨頭を密着させている靭帯が伸びて、骨頭と寛骨臼の間が広がってしまいます。多くは生後6ヶ月から1年くらいで診断可能ですが、遅いものでは生後2年近くになって初めて診断可能となることがあります
生後3ヶ月から8ヶ月が最も重要な時期で、肥満と栄養の関係も問題になります。
また成犬になって、症状が消失あるいは緩和したとしても、8〜9歳齢に変形性関節炎を伴って重度の症状が再発する可能性が高いとされています。

・上記のような症状、レントゲン、触診などにより診断します。

 

→手術法(チューリッヒセメントレス法)

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