平成14年2月のテーマ

〜看護職と喫煙〜


喫煙は諸悪の根元である。これ以外の何物でもない。以上!

私こと“ナースのおばちゃんが言いたいのはこの一言だけなので、
ここから下の部分は読んでも読まなくてもどちらでも構いません。




職場の受動喫煙で呼吸器疾患が増える・日経ヘルス[2001/12/26]
職場で、いつも同僚のたばこの煙を吸わされている人は、ぜんそくなどの呼吸器疾患にかかる割合が高いことが
大規模な調査でわかった。
報告したのは、スウェーデンのウプサラの疫学者クリスター・ヤンセン博士ら。研究者たちは、欧米など19カ国で
約8000人の成人男女を対象に調査した。
調査によると受動喫煙率は、最高がスペインの53%、最低がスウェーデンの3%だった。
受動喫煙の割合は、各国の喫煙率を見事に反映していた。
さらに調査対象者1人1人を診断して、受動喫煙の健康への影響を調べた。その結果、受動喫煙によってぜんそく、息切れ、
胸の締めつけ、肺の機能障害などの呼吸器疾患が明らかに増加していることがわかった。
特にぜんそくと受動喫煙の関係が見事に正比例していた。
ヤンセン博士は、「受動喫煙の害を子どもで調べた報告は、これまで数多く出されているが、成人を対象にこれほどの規模で
調べたのは初めてだ。受動喫煙を避けることが重要であることがよくわかった。とくに職場では、たばこの煙がいやだからといって
その場を離れるわけにはいかないので、禁煙、分煙を徹底すべきだ」と述べている。


喫煙とガン
全国のガン研究者達が一堂に会した本年度(平成9年)第56回日本癌学会総会が京都で開催され、これを記念して
{人はガンに勝てるのか――ガン克服への道筋}と題した市民公開講座が開かれ、その要約が10月21、22日の朝日新聞紙上で
紹介されておりました。名古屋市立大学学長、伊東信行氏は、「どうすればガンにならないか」と題した公演の中で
次の様に言っておられます。
「ガンの原因の大部分は、たばこと食品によるものだが、たばこには37種類もの発ガン物質が含まれており、
全部位のガンの約3分の1は喫煙が原因とされている。特に、肺ガン、喉頭ガン、食道ガンは密接に関わっており、
肺ガンの発生率は、喫煙しない人に比べ、1日に50本以上吸うヘビー・スモーカーは14、15倍になっている」

喫煙は、37種類の発ガン物質を吸っているだけではありません。高温になっているたばこの先端から吸い込まれた空気は
そこで大量の「活性酸素」を作り出して、体内に吸い込まれているのです。(「活性酸素研究会」参照下さい)
「活性酸素」は体の中で、細胞膜やコレステロールを攻撃、あるいは酸化させて、ガン発生のイニシエーターであるばかりか
循環器系疾患、脳梗塞、糖尿病、老人性痴呆症などありとあらゆる成人病の引き金を引いています。
又、喫煙者本人ばかりではなく、周りの人にも影響を与えます。

平成7年度の厚生白書によりますと、1日20本以上たばこを吸う人の奥さんは、喫煙しない人の奥さんに比べて、
発ガンの危険性が約2倍になると報告しています。
同じ報告書で、日本人の喫煙率は、男性が約50%、女性が約10% (東京都に限りますと、女性の喫煙率はなんと33%だそうです!)
全国民の約30%がたばこを吸っているそうです。恐らく、文明国の中で1番の喫煙率ではないでしょうか。

アメリカでは、国家的な規模で禁煙運動が展開されており、また、私達日本人には少々理解するのが難しいのですが、
肺ガンを発症した人が大勢、たばこ会社を相手に、「ガンにかかったのは、喫煙のせいだ。自分がたばこを吸うようになったのは
たばこを製造し、喫煙を推奨したたばこ会社の責任である。」と言う風に、訴訟を起こして、損害賠償を求めています。
つい最近(平成9年10月)の新聞報道によりますと、たばこ会社は、増大するこの様なたばこ訴訟を抑制する為、
40州の州政府との間で、今後25年間で約42兆円を支払う和解案を提案して議会の承認を待っている状況です。

又、飛行機の乗務員約6万人が、機内での間接喫煙による被害への損害賠償を求めてたばこ会社5社を相手に
集団訴訟を起こしていましたが、最近和解しました。和解の内容は、先ず、たばこ会社は約360億円を拠出してたばこ被害の調査を行う事、
及び、今後肺ガンにかかっている乗務員らの個別訴訟では、たばこ会社側に「発ガンは間接喫煙が原因ではない」と証明する責任がある、
の2点です。

もう1つ最近の米国からのニュースで、クリントン大統領が一向に改善されない未成年者の喫煙問題に対し「もし今後1年以内に
具体的な成果が上がらない場合、たばこ税を現行の2倍に引き上げる」と宣言しています。
国家規模ではなんの政策も打ち出せない日本は、本国で窮地に立たされている米国のたばこ会社にとって格好の稼ぎ場です。
なんのことはない、あの巨額の罰金は、日本の喫煙者がその殆どを支払う事になるのではないでしょうか。
(ASCATホームページより)



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