あとがき
わずか30軒足らずの
「町」・・・
というより「村」
露に濡れる川っぷちのグミの木
ぽったりと熟れた、庭先のイチジク
空を覆わんばかりの栗の木
天日の下で眩いばかりの梅干
そんな中を駆け回っていたころ・・・
あれから何年も、気に留めることなく過ぎ
数年前・・・
一本の丸裸の木に思い起こされ
動かされることとなりました
あの頃のままのもの
面影すら無くなったもの
思ったより狭かったこと、小さかったこと
あれこれと思い寄せながら
レリーズをおとします
気の向くまま
心のおもむくまま
ありのまま
あるがまま
そしてまた「歩き神」に誘われ
そぞろ歩きを始めます
(注):「歩き神」/ありきがみ*人をそぞろ歩きや旅に誘い出す神
タイトル「神木」(現代美術展出品作品)