感染症などの流行状況報告

注)ここから消えた項目を読みたい場合は「疾患の説明」にうつしてありますので
参照下さい.

感染症など流行状況(4月1日:静岡市南部)

インフルエンザはほぼ終結しました。ただ驚くことに、この冬に限ってもAを2回やった方、Bを2回やった
方が存在し、やはり4種類の株(AB各2種類)が流行していたことが分かりますが、細かな流行状況
などを現場で捉えることは、現存の簡易迅速キットではできません。

ヒトメタニューモウイルスがインフルエンザの裏で流行しています。RSもぱらぱらあるようですが、ヒトメタは
RS とインフルのちょうど中間のような症状(高熱&咳)で、インフル陰性の高熱では要注意です。

溶連菌もけっこう数多く見られます。

インフルエンザ

  毎年冬になると決まってニュースを騒がせるのがインフルエンザです.別 名「流行性感冒」といって,
大人も子供もそろって罹るから大流行を巻き起こすのです.小中学生が罹患の中心と思ってみえる方
が多いかもしれませんが,数でいうと1歳〜5歳の幼児が最も罹患率が高いんです.1歳〜5歳は後で
述べるインフルエンザ脳症が起きやすい時期でもあり,重要です.また頻度は多くないですが,お年寄り
に罹ると免疫力を低下させ,二次性肺炎をおこし不幸な転帰をとることもあります.

 最近インフルエンザ迅速キットなるものが出回り(あたかも医者要らずのように)それで診断できる
時代になりましたが,熱の出た当日では陰性を示すことも多く,検査の「お鼻つんつん」が子供達に
不評で小児科嫌いを作りそうなのが欠点です.
 また検査試薬と並んで,インフルエンザ特効薬も出そろい,「きちっと診断-きちっと治療」がイン
フルエンザ治療のキャッチフレーズになりつつあります.治療薬には4種類あります.タミフル(内服)と
リレンザ(吸入)、それと新薬イナビル(吸入)とラピアクタ(点滴)
です.新薬は2つともに1回の
治療で終了となる優れものです。 これらは A型・B型どちらにも有効ですが、最近タミフル耐性株が問題に
なっています。またタミフルは飛び出し事故など突発行動や、幻視幻聴・情動異常等の原因としても
問題になっており(現段階では白の判断)、10歳〜20歳での使用が制限されているため、その年代での
治療はリレンザまたはイナビルが中心的役割を担っています。
 もちろん自身にも治す力がありますので,1週間もすれば自然に軽快・ 解熱しますが,それ以上の
長期にわたる場合は,肺炎など細菌による二次感染を考えるべきです.
 ひと冬に A型とB型の両方のインフルエンザに罹患するケースもありますので,「済んだ」と思って
安心するのは危険です.昨年も数人の子供さんが両方の型に罹患してみえています.

もちろん,学校指定の伝染病ですので,しっかり治してから(解熱後48時間以上経過していること)
学校に行きましょう.解熱後すぐでは,まだのどにウイルスが存在します.うつされない対策ばかり
でなく、人にうつさないエチケットにも配慮して下さい。

インフルエンザ脳症と解熱剤について

 昨年はインフルエンザが流行し,それによる小児の脳症も多発しています. すでに新聞やTV等で
ご承知の様に 今シーズンだけですでに(H16.2月時点)30余名の方がインフルエンザ脳症に罹りました.
脳症はインフルエンザ感染に加え, 特定の 解熱剤(具体的には商品名ボルタレン・ポンタール ・
アスピリン・ バッファリンなど)を使用した幼少児に(大人はなりません)多いと言われています.
  多いといっても何十万〜何百万人のうちの一人が罹るのですから,確率が高い病気ではありませんが,
その半数が亡くなり,生存しても後遺症を残す怖い病気です.解熱剤を使わない子供からも発生しており,
解熱剤ばかりが悪役という訳ではありませんが, 我々小児科医は小児への(インフルエンザ流行期の)
発熱に対する解熱剤の使用に際し,特に配慮しております.インフルエンザの熱に対して最も安全性が高い
といわれている「アセトアミノフェン」(商品名:アンヒバ座薬・アルピニ座薬・ピリナジン散・
カロナールシロップ/錠など)をこの時期のお子様に対する解熱剤として処方していますので,御了解
いただければと思います. 

ヒトメタニューモウイルス感染症  

 この疾患はほとんど有名でないかもしれませんが,比較的最近発見され、専門家の間でもまだ
あまり認知されていない新座もののウイルスです。 RSウイルスの親戚で、RSウイルス感染の
年長児版というような症状です。高熱(3-5日)・咳・鼻水・ゼイゼイなどで、1-5歳に多く、
再感染も有るようです。潜伏期は5日くらいで、RSとちがいは6ヶ月未満の感染は少ないようです。
RSとことなり、3-6月に最も流行し、肺炎等の診断で入院する例も10%程度あります。
診断キットが新しくできたので 臨床現場で診断が可能となりましたが、保険が利かず、全額病院
負担なので行いにくい実状があります 。RSV同様に、中耳炎の合併が多いので、注意が必要です。
中耳炎の合併が有る場合には、抗生剤の内服も必要となります。 ワクチン及びタミフルのような
特効薬はありません。

日本全国の流行状況は右記をご覧下さい。  参考:国立感染症センターのHP


静岡市静岡医師会のHP「感染症動向調査」という項目がございますので,実際の発生状況
(定点観測病院または診療所の集計のため,静岡市の全発生数ではありません)をご覧に
なりたい方は,そちらのHPもご参照下さい.
http://www.shizuoka.shizuoka.med.or.jp/