感染症などの流行状況報告

注)ここから消えた項目を読みたい場合は「疾患の説明」にうつしてありますので
参照下さい.

感染症など流行状況(1月25日:静岡市南部)

インフルエンザA型 今年の流行の仕方は強力です。清水区が大流行して、静岡市内も増えてきています。1/15前は
Aパンデミック(
H1N1株) が主流をしめていましたが、その後はAホンコン一色になっているようです。
ウイルス性(感染性)胃腸炎も隠れた流行しています。
溶連菌も密かに継続していますので、熱=インフルエンザと思われない方がいいと思います。咽頭痛が強い
発疹がある等の時は、もしかしてインフルエンザでないかも・・・と考えておいて下さい。
リンゴ病 も一部地域で根強く流行しています。これも発疹の出る1−2w前に単独の高熱が
出る可能性があり、その時は咳も鼻も出ないのが特徴で、インフルと紛らわしいかも・・・

インフルエンザ

  毎年冬になると決まってニュースを騒がせるのがインフルエンザです.別 名「流行性感冒」といって,
大人も子供もそろって罹るから大流行を巻き起こすのです.小中学生が罹患の中心と思ってみえる方
が多いかもしれませんが,数でいうと1歳〜5歳の幼児が最も罹患率が高いんです.1歳〜5歳は後で
述べるインフルエンザ脳症が起きやすい時期でもあり,重要です.また頻度は多くないですが,お年寄り
に罹ると免疫力を低下させ,二次性肺炎をおこし不幸な転帰をとることもあります.

 最近インフルエンザ迅速キットなるものが出回り(あたかも医者要らずのように)それで診断できる
時代になりましたが,熱の出た当日では陰性を示すことも多く,検査の「お鼻つんつん」が子供達に
不評で小児科嫌いを作りそうなのが欠点です.
 また検査試薬と並んで,インフルエンザ特効薬も出そろい,「きちっと診断-きちっと治療」がイン
フルエンザ治療のキャッチフレーズになりつつあります.治療薬には5種類あります.タミフル(内服)と
新しい錠剤ゾフルーザ、リレンザ(吸入)、イナビル(吸入)とラピアクタ(点滴)
です.
新薬はどれも1回の 治療で終了となる優れものです。 これらは A型・B型どちらにも有効ですが、
最近タミフル耐性株が問題に なっています。
 患者自身にも治す力がありますので,1週間もすれば自然に軽快・ 解熱しますが,それ以上の
長期にわたる場合は,肺炎など細菌による二次感染を考えるべきです.
 ひと冬に A型とB型の両方のインフルエンザに罹患するケースもありますので,「済んだ」と思って
安心するのは危険です.昨年も数人の子供さんが両方の型に罹患してみえています.

もちろん,学校指定の伝染病ですので,しっかり治してから(解熱後48時間以上経過していること)
学校に行きましょう.解熱後すぐでは,まだのどにウイルスが存在します.うつされない対策ばかり
でなく、人にうつさないエチケットにも配慮して下さい。

インフルエンザ脳症と解熱剤について

 昨年はインフルエンザが流行し,それによる小児の脳症も多発しています. すでに新聞やTV等で
ご承知の様に 今シーズンだけですでに(H16.2月時点)30余名の方がインフルエンザ脳症に罹りました.
脳症はインフルエンザ感染に加え, 特定の 解熱剤(具体的には商品名ボルタレン・ポンタール ・
アスピリン・ バッファリンなど)を使用した幼少児に(大人はなりません)多いと言われています.
  多いといっても何十万〜何百万人のうちの一人が罹るのですから,確率が高い病気ではありませんが,
その半数が亡くなり,生存しても後遺症を残す怖い病気です.解熱剤を使わない子供からも発生しており,
解熱剤ばかりが悪役という訳ではありませんが, 我々小児科医は小児への(インフルエンザ流行期の)
発熱に対する解熱剤の使用に際し,特に配慮しております.インフルエンザの熱に対して最も安全性が高い
といわれている「アセトアミノフェン」(商品名:アンヒバ座薬・アルピニ座薬・ピリナジン散・
カロナールシロップ/錠など)をこの時期のお子様に対する解熱剤として処方していますので,御了解
いただければと思います. 

流行性嘔吐下痢症(ウイルス性胃腸炎)

 冬季に集中し、いくつかのウイルスが原因となります。
まず毎年12月頃に小児・成人と問わずにかかるのが「ノロウイルス感染」で、比較的軽症で、
一般的には数回の嘔吐と下痢が2-3日続く程度で軽快します.家族中で罹ることも多いです.
インフルエンザを挟んで、その後毎年3月にピークとなるのが重いロタウイルス感染です。
この疾患は「乳児冬季下痢症」「乳児白色便性下痢症」「仮性コレラ」ともいわれる病気で、
それらの名前から総合して解るように乳児が冬季に罹る病気で、便の色は白色になる事が多く、
コレラの様に水様頻回の下痢を伴う病気です。嘔吐が先に出現し,その後下痢が続きますが、
嘔吐の回数も下痢の回数も1日10回を超えて来ますとさすがに自宅管理は難しく、脱水を治療する
目的で、点滴を要することがしばしば見られます。ロタウイルスは 一度かかったら二度目は
かからない病気で,ほとんど小さい子に限った病気ですが, まれに年長児や成人が罹ることも
ございます.近頃はそういうケースも増えているように思われます.
 その他、アデノウイルスも下痢の原因として多いですが、アデノによる下痢はロタほど激烈
ではないにしても、長い事が多く、季節も比較的広範囲に見られます。

どちらにしても,嘔吐が止まらない場合には点滴が必要なので,診察を受けて下さい.
下痢だけの場合には、スポーツドリンクなどの水分およびお粥等のデンプン類中心のお腹に優しい
食事を少しずつ与えて納まり具合を 見てあげて下さい。尿の回数も脱水の判定基準になります。

またこの病気は接触感染です.すなわち「手」によって伝搬しますので,手洗いがとても重要です.
特に家事をされる方は食事を作る前に丁寧な手洗いを行って下さい.

日本全国の流行状況は右記をご覧下さい。  参考:国立感染症センターのHP


静岡市静岡医師会のHP「感染症動向調査」という項目がございますので,実際の発生状況
(定点観測病院または診療所の集計のため,静岡市の全発生数ではありません)をご覧に
なりたい方は,そちらのHPもご参照下さい.
http://www.shizuoka.shizuoka.med.or.jp/