感染症などの流行状況報告

注)ここから消えた項目を読みたい場合は「疾患の説明」にうつしてありますので
参照下さい.

感染症など流行状況(8月19日:静岡市南部)

RSウイルス細気管支炎が急速に流行してきています。全国的な傾向でもあるようで、ニュースでも
取り上げていますが、ここ静岡でも各保育園で急激に増えて、病院のベッドを埋め尽くしているようです。
この疾患は咳・鼻水・高熱・喘鳴・呼吸困難をきたす疾患で、殊に小さい子(乳児特に半年未満)に罹ると
呼吸困難が悪化したり、場合によっては無呼吸発作も引き起こし、ICUに入る事態もしばしばの怖い疾患
です。本来は11-12月の晩秋から初冬にかけてインフルが流行する直前にノロの同時期に流行することが
多い疾患で、ここ数年9月から流行を見ることが多くなってきたかと思いきやの8月の大流行です。
飛沫感染だけでなく、接触感染でも移る病気ですので、既存の遊具などに触れた手指をくわえたり
する
だけで感染します。保育園などでの集団生活で、この疾患から身を守る術は難しく、ことに未熟児出生
だった子においては重症になりやすく、心配です。

手足口病がはRSウイルスに押されたのか急激に減少しています。

アデノ(プール熱) こちらもぱらぱら流行っています。溶連菌同様咽にきますが、咽が赤いと言うより、
扁桃腺が腫れて大きいのが特徴です。高熱の割には元気ですが、熱の期間はヘルハ ゚ンギーナや溶連菌より長い
(平均4日)です。

百日咳 RSが流行しているときに百日咳やマイコなどの咳系の疾患が流行すると、非常に紛らわしいのですが、
こっそり流行っているようです。こちらは、どちらかというと年長児〜成人にかけて、熱無し・鼻水なし
段々増えてくる咳が夜↑するのが特徴で、2wすると連続的な咳になっていきます。
知らずにばらまく
可能性の多い厄介な疾患です。3種混合または4種混合ワクチンにはいっているのですが、うってあっても
かかりますので気をつけて下さい。咳が長引く・家族中で咳をしているなどがあったらこれを考えましょう。

とびひ(伝染性膿痂疹)
 
ブドウ球菌の皮膚感染症です。パラパラと見られます。

 

急性細気管支炎(RSウイルス感染症、毛細気管支炎)  

 この疾患はあまり有名でないかもしれませんが,「RSウイルス」という聞き慣れないウイルスが
原因でおこる疾患で,毎年冬に流行し,乳児や低年齢の児の気道に強いダメージを与え,
呼吸困難や咳,喘鳴などをきたす怖い病気です.大人にも罹るのですが,鼻風邪レベルで軽く
済むため,軽んじられている傾向にあります.しかし,この病気は,特に未熟児で出生した児などに
かかると重症化することが多いので,危険の高い子供たちには1人あたり何十万円もかけて予防策
(シナジス:RSVの抗体の注射) がとられている程です.
1歳未満の児が冬場、急にゼイゼイしてきたら,喘息と考えず,この疾患を考えてまず一度小児科医の
診察を受けて下さい.潜伏期は3-5日前後で、高熱も数日間出るケースが多いようです。インフルエンザの診断
キット同様の鼻腔からの迅速キットで診断がつきますが、インフルエンザと異なり、このウイルスに対する
特定の治療薬も予防のためのワクチンも存在しません。11月から3月までの冬季に保育園等で大流行を
きたすので、小さい子の居る家庭では冬場に警戒すべき最重要疾患(インフルエンザよりも)の1つです。
またこの疾患は大量の分泌物をきたすために、それを土壌にいろいろな細菌感染症を併発しやすく、
かなりの頻度で、細菌性中耳炎や細菌性肺炎〜気管支炎を合併しますので、罹患後半に治りが悪い場合には、
それらの感染のチェックも必要となります。また6ヶ月未満の赤ちゃんに罹りますと、ゼコゼコする
のみならず、無呼吸発作(呼吸を止めてしまう発作)を起こしてしまう事もありますので、怖いです。
中耳炎の合併症も多く見られます。メタニューモウイルスはこのウイルスの親戚 です。

またこの病気は、咳が多いにも関わらず、主たる感染は接触感染です.すなわち「手」によって伝搬します
ので,手洗いがとても重要です. 上の子が罹って、下の子が居る場合に、保護者はその点にご注意して
乳児のケアをお願いします。

百日咳

 百日咳は百日咳菌によってもたらされる特徴のある疾患です。普通 の風邪のような咳ではじまり、
2-3週にわたってだんだんそれが増加していきます。夜ひどい止まらない咳発作、こんこんこんこん
と持続する咳(スタカートといいます)とそれに続くヒューーーーーという長い吸気音(レプリーゼ
といいます)が特徴で、熱もなく、ゼコゼコもあまりありません。血液検査ではCRPの上昇はなく、
乳幼児では白血球増加(リンパ球の増加が主体)が特徴てきですが、成人や年長児では白血球増加が
見られないことが多く、診断を難しくします。近年、成人の抗体価の低下に伴い、成人百日咳の流行が
多く見られ、診断の難しさもあいまって密かに広がっている様です。3種混合(DPT)ワクチンの
中の1つとして能動免疫が得られますが、中にはワクチン接種後の罹患も存在し、うったからといって
見逃されていることもあります。マクロライド系抗生剤(エリスロマイシン、クラリスロマイシンなど)
が有効ですが、ペニシリンやセファロスポリンは効きません。典型的な症状になってからでは、たとえ
抗菌力のある抗菌剤を使用しても、咳き込み発作はなかなか消失せず、延々と持続するのが特徴です。
特に怖いのは、予防接種未施行の6ヶ月前の乳児の罹患で、無呼吸発作や百日咳脳症、肺炎などを発症し
重症化→入院するケースが多く見られます。感染力も強く、成人の間で、今後流行が持続することが
予想されますので、乳児期早期からの予防接種と成人患者の早期発見が重要となりましょう。
家族中で「熱のでない長引く咳」があったら要チェックです。

 

咽頭結膜熱(アデノウイルス感染症 別 名:プール熱)

 咽にアデノウイルスがつくと,扁桃腺が腫れたり,白苔がついたり,咽頭痛,高熱,眼球充血,目やに
などが現われるのが特徴で,別名「プール熱」ともいわれ,その熱は39℃が4-5日続きます.
(プールに入らなくてもかかりますので,プール熱なる名前は誤解を招きやすいと思われます)
 この疾患も迅速キットがあり,溶連菌同様の方法で診断できますが,溶連菌と異なり抗生剤が無効で,
インフルエンザのような特効薬もありません.けっこう重症ですが,治り出すとスッキリ治ります.
 本疾患も学校伝染病指定ですので,治癒証明が必要です.潜伏期は1週間くらいです.

とびひ(伝染性膿痂疹)

 とびひは黄色ブドウ球菌という菌が皮膚に増えて発症する病気です.黄色ブドウ球菌は鼻腔
などに常在する菌ですが,これが(虫さされなどで傷ついた)皮膚で悪さをはじめると,
大小の浅い皮膚びらんができます.これはこの菌の(皮膚)剥離毒素によるものです.
菌ですので,一般に抗生剤が有効ですが,この菌は抗生剤に効きにくいことが多く
(MRSAとよく呼ばれるものです), 薬の選択を誤ると難治性になることもあります.
アトピーの児など,皮膚の弱い子は特に要注意です. 急速に広がるびらん状の皮膚疾患を
みたら、小児科か皮膚科で抗生剤などの内服および軟膏の処方を受けましょう。
また小さい子にうつるとより重症化しますので、気をつけて下さい。
入浴はシャワーのみにしていただき、公共のプールへの参加は避けて下さい。 


日本全国の流行状況は右記をご覧下さい。  参考:
国立感染症センターのHP

 


静岡市静岡医師会のHP「感染症動向調査」という項目がございますので,実際の発生状況
(定点観測病院または診療所の集計のため,静岡市の全発生数ではありません)をご覧に
なりたい方は,そちらのHPもご参照下さい.
http://www.shizuoka.shizuoka.med.or.jp/