感染症などの流行状況報告

注)ここから消えた項目を読みたい場合は「疾患の説明」にうつしてありますので
参照下さい.

感染症など流行状況(6月30日:静岡市南部)

ヘルパンギーナ は急激に増加しています。5歳未満で急激な熱・咽頭痛・よだれの増強をみて、咳鼻水は
無く、トマトなどを食べられなくなったらこれです。咽を見ると、赤い中に白いぷつぷつがあれば診断確定です。
ただし、秒初期はただ赤いだけのことが多く、熱は比較的短期間ですが、けっこうの高熱で、解熱後も
2-3日はのどが痛いようです。 この病気と手足口病は親戚 で、しばしば合併しますが、今年は口内炎・舌炎を
ともなうものの、手足にぶつぶつのある子はいまだ見ていません。

プール熱・溶連菌もけっこう数多く見られます。

ヒトメタニューモウイルスRSもぱらぱらあるようですが、だんだん減ってきています。

ヘルパンギーナ

 一般に夏風邪 と呼ばれているもののひとつです.暑い日が増えてくると増加してきます.
コクサッキーウイルスが原因で,咽の口蓋垂(のどちんこ)のまわりにアフタ(口内炎)ができて
のどの痛みと高熱を生じます.のどの所見は特徴的で,見て診断がつきます.咳などは少なく,抗生剤も
効きません.数日で解熱しますがこれに対する特効薬もありませんし,ワクチンもありません.合併症として
時にウイルス性(無菌性)髄膜炎を引き起こします.髄膜炎は,高熱・強い頭痛・嘔吐・後頸部痛を主訴に
しますが,症状から疑わしければ背中から髄液を採取して診断をつけます.症状が強い髄膜炎は入院が必要と
なります.
 最近ヘルパンギーナと手足口病の合併例のようなケースを見かけますが、ウイルスは親戚 なので、融合
したりとかで新種のものが出ているのかもしれません。今後重症化しないかと併せて注意が必要です。

夏風邪

 手足口病,ヘルパンギーナなどのエンテロウイルス群(エンテロウイルス,コクサッキーウイルス,
エコーウイルスなど)と プール熱などのアデノウイルスを含めたウイルス感染症の総称的俗名です.

一般に高熱を主訴とすることが多く,咳鼻水などの呼吸器症状は少ない特徴があります.
必ずしも夏季に罹るとはかぎりませんが、冬に罹っても手足口病はやっぱり夏風邪です。 

咽頭結膜熱(アデノウイルス感染症 別 名:プール熱)

 咽にアデノウイルスがつくと,扁桃腺が腫れたり,白苔がついたり,咽頭痛,高熱,眼球充血,目やに
などが現われるのが特徴で,別名「プール熱」ともいわれ,その熱は39℃が4-5日続きます.
(プールに入らなくてもかかりますので,プール熱なる名前は誤解を招きやすいと思われます)
 この疾患も迅速キットがあり,溶連菌同様の方法で診断できますが,溶連菌と異なり抗生剤が無効で,
インフルエンザのような特効薬もありません.けっこう重症ですが,治り出すとスッキリ治ります.
 本疾患も学校伝染病指定ですので,治癒証明が必要です.潜伏期は1週間くらいです. 

ヒトメタニューモウイルス感染症  

 この疾患はほとんど有名でないかもしれませんが,比較的最近発見され、専門家の間でもまだ
あまり認知されていない新座もののウイルスです。 RSウイルスの親戚で、RSウイルス感染の
年長児版というような症状です。高熱(3-5日)・咳・鼻水・ゼイゼイなどで、1-5歳に多く、
再感染も有るようです。潜伏期は5日くらいで、RSとちがいは6ヶ月未満の感染は少ないようです。
RSとことなり、3-6月に最も流行し、肺炎等の診断で入院する例も10%程度あります。
診断キットが新しくできたので 臨床現場で診断が可能となりましたが、保険が利かず、全額病院
負担なので行いにくい実状があります 。RSV同様に、中耳炎の合併が多いので、注意が必要です。
中耳炎の合併が有る場合には、抗生剤の内服も必要となります。 ワクチン及びタミフルのような
特効薬はありません。

手足口病(てあしくち病) 

 夏風邪ウイルス(コクサッキーウイルス)により発症します.37-38℃の微熱と文字通 り手掌と足底と
口腔内に小水疱疹ができ,口内炎は痛みで食べられなくなることもあります.足は足底以外に膝頭やお尻
にも発疹ができます.基本的には軽い病気ですので,様子をみていてけっこうです.咳や下痢や高熱も
あまりありませんが,時に無菌性髄膜炎を合併しますと高熱・嘔吐・強い頭痛を引き起こします.
学校伝染病指定にはなっておらず,症状が軽ければ登校OKです.ワクチンも特効薬もありません.
ウイルスの型が1種類に特定されていないので,一生に何回かかかる可能性があります.
古典的手足口病はコクサッキーA16(Cox.A16)エンテロウイルス71型(EV.71)によっておき、
これらの手足口病では、髄膜炎にならなければ熱もさほど高くなりませんが、近年Cox.A10または
Cox.A6による 新型手足口病が流行しています。これらのウイルスは本来ヘルハ ゚ンギーナを発症するウイルスで
手足口病のウイルスと親戚であるために、同一個体で感染した際に遺伝子が交雑して融合した症状を
持つ新種の病気が生まれたと考えられます。これらの症状は、高熱(39℃x2日程度)と咽頭に
ヘルパンギーナを生じ、その代わりに口腔内症状に乏しく、手掌足底に限らず四肢の広い範囲、場合によっては
体幹に及ぶ大きな水疱を持つ発疹が多発し、水痘と見誤るケースもあるほどです。また感染1ヶ月後より
半分近い方に爪の変形・脱落を生じる(その後改善)ことも特筆すべき症状です。

 

日本全国の流行状況は右記をご覧下さい。  参考:国立感染症センターのHP


静岡市静岡医師会のHP「感染症動向調査」という項目がございますので,実際の発生状況
(定点観測病院または診療所の集計のため,静岡市の全発生数ではありません)をご覧に
なりたい方は,そちらのHPもご参照下さい.
http://www.shizuoka.shizuoka.med.or.jp/