感染症などの流行状況報告

注)ここから消えた項目を読みたい場合は「疾患の説明」にうつしてありますので
参照下さい.

感染症など流行状況(9月21日:静岡市南部)

RSV気管支炎も昨年の9月になった途端に急増しました。9/21現在ややおさまってきている感じはありますが
まだまだ流行しているようです。この季節にしては相変わらず多いおかしな状態になっています。
今年の流行は7月から、昨年は8月から、1昨年は9月から、3年前は10月からと、なんと1月づつ前倒しの
流行が見られている極めておかしな状況になっています。この先この疾患の流行状況はどうなっていくのでしょう。

溶連菌もたくさんではありませんが、9月にしては多いように思います。
百日咳が2家族で見つかりました。百日咳は成人のなかで密かに流行する可能性のあるいやな病気です。
赤ちゃんに罹ると、RS以上に重症化するリスクがあり、RSVと並行して流行するととても心配です。
喘息も多い時期ですし、喘息・RS・百日咳と混乱しそうな組み合わせで診断に注意が要りそうです。

 

急性細気管支炎(RSウイルス感染症、毛細気管支炎)  

 この疾患はあまり有名でないかもしれませんが,「RSウイルス」という聞き慣れないウイルスが
原因でおこる疾患で,毎年冬に流行し,乳児や低年齢の児の気道に強いダメージを与え,
呼吸困難や咳,喘鳴などをきたす怖い病気です.大人にも罹るのですが,鼻風邪レベルで軽く
済むため,軽んじられている傾向にあります.しかし,この病気は,特に未熟児で出生した児などに
かかると重症化することが多いので,危険の高い子供たちには1人あたり何十万円もかけて予防策
(シナジス:RSVの抗体の注射) がとられている程です.
1歳未満の児が冬場、急にゼイゼイしてきたら,喘息と考えず,この疾患を考えてまず一度小児科医の
診察を受けて下さい.潜伏期は3-5日前後で、高熱も数日間出るケースが多いようです。インフルエンザの診断
キット同様の鼻腔からの迅速キットで診断がつきますが、インフルエンザと異なり、このウイルスに対する
特定の治療薬も予防のためのワクチンも存在しません。11月から3月までの冬季に保育園等で大流行を
きたすので、小さい子の居る家庭では冬場に警戒すべき最重要疾患(インフルエンザよりも)の1つです。
またこの疾患は大量の分泌物をきたすために、それを土壌にいろいろな細菌感染症を併発しやすく、
かなりの頻度で、細菌性中耳炎や細菌性肺炎〜気管支炎を合併しますので、罹患後半に治りが悪い場合には、
それらの感染のチェックも必要となります。また6ヶ月未満の赤ちゃんに罹りますと、ゼコゼコする
のみならず、無呼吸発作(呼吸を止めてしまう発作)を起こしてしまう事もありますので、怖いです。
中耳炎の合併症も多く見られます。メタニューモウイルスはこのウイルスの親戚 です。

またこの病気は、咳が多いにも関わらず、主たる感染は接触感染です.すなわち「手」によって伝搬します
ので,手洗いがとても重要です. 上の子が罹って、下の子が居る場合に、保護者はその点にご注意して
乳児のケアをお願いします。

百日咳

 百日咳は百日咳菌によってもたらされる特徴のある疾患です。普通 の風邪のような咳ではじまり、
2-3週にわたってだんだんそれが増加していきます。夜ひどい止まらない咳発作、こんこんこんこん
と持続する咳(スタカートといいます)とそれに続くヒューーーーーという長い吸気音(レプリーゼ
といいます)が特徴で、熱もなく、ゼコゼコもあまりありません。血液検査ではCRPの上昇はなく、
乳幼児では白血球増加(リンパ球の増加が主体)が特徴てきですが、成人や年長児では白血球増加が
見られないことが多く、診断を難しくします。近年、成人の抗体価の低下に伴い、成人百日咳の流行が
多く見られ、診断の難しさもあいまって密かに広がっている様です。3種混合(DPT)ワクチンの
中の1つとして能動免疫が得られますが、中にはワクチン接種後の罹患も存在し、うったからといって
見逃されていることもあります。マクロライド系抗生剤(エリスロマイシン、クラリスロマイシンなど)
が有効ですが、ペニシリンやセファロスポリンは効きません。典型的な症状になってからでは、たとえ
抗菌力のある抗菌剤を使用しても、咳き込み発作はなかなか消失せず、延々と持続するのが特徴です。
特に怖いのは、予防接種未施行の6ヶ月前の乳児の罹患で、無呼吸発作や百日咳脳症、肺炎などを発症し
重症化→入院するケースが多く見られます。感染力も強く、成人の間で、今後流行が持続することが
予想されますので、乳児期早期からの予防接種と成人患者の早期発見が重要となりましょう。
家族中で「熱のでない長引く咳」があったら要チェックです。

日本全国の流行状況は右記をご覧下さい。  参考:国立感染症センターのHP


静岡市静岡医師会のHP「感染症動向調査」という項目がございますので,実際の発生状況
(定点観測病院または診療所の集計のため,静岡市の全発生数ではありません)をご覧に
なりたい方は,そちらのHPもご参照下さい.
http://www.shizuoka.shizuoka.med.or.jp/