感染症などの流行状況報告

注)ここから消えた項目を読みたい場合は「疾患の説明」にうつしてありますので
参照下さい.

感染症など流行状況(5月10日:静岡市南部)

溶連菌が今一番多いでしょうか。 咽が痛くて、熱が出た。発疹も出たが、熱は自然に下がってきた
こんな感じのが最も怪しいですね。

アデノ(プール熱) 溶連菌ほどではありませんが ぱらぱら流行っています。溶連菌同様咽にいますが、
咽が赤いと言うより、扁桃腺が腫れて大きいのが特徴です。 高熱の割には元気です。

ヒトメタニューモウイルス
熱に加え、きれいな鼻水と頻回の咳、ぜいぜい (ほとんどRSウイルスの症状と同じです)が揃ったら
かなり怪しいかもしれません。特効薬はありません。
中耳炎も合併しやすいし、呼吸困難も引き起こす。RS同様なかなかやっかいなウイルスです。

流行性胃腸炎 まだろたが少し残っています。 ロタワクチンが普及してから最大の流行かもしれません。
といってもワクチン開始前の20%未満ですが・・・型はいろいろです。

インフルエンザ Bの残党がパラパラ居ますが、ごく一部の流行です。

溶連菌感染症(しょうこう熱)

 「溶連菌」は正式名「溶血連鎖球菌」といい,ひとの咽(のど)について炎症(咽頭炎・扁桃腺炎)を
引き起こす原因となる代表的な菌のひとつです.
  【症状】 咽に溶連菌がつくと, 扁桃腺が腫れたり,咽頭痛,高熱,発疹,苺舌などを引き起こすのが
特徴で,症状なしで保菌している場合もあります. 発疹の特徴:赤インクを霧吹きで吹いたような非常に
細かな発疹が,体の一部に(手足を中心に,体幹・顔面にも)出現します.発疹症の中で最も細かく,
発疹径は0.2-0.3mmです.なかにアトピー性皮膚炎が増悪したようながさがさの皮膚になる方もいます.
苺舌(イチゴじた):最初は舌の上に一面白い苔のようなもので覆われます.まもなく白い苔様のものは
剥がれて赤剥け状態になります.その時の舌の状態が,舌本来のビロードのような部分が剥げてところ
どころにぶつぶつが残り,ちょうどイチゴのようにみえるので,苺舌と呼ばれます.苺舌は溶連菌感染症
以外では川崎病でもみられます. 回復期には手の皮がめくれることも特徴です.
 【迅速診断】 インフルエンザ同様に抗原迅速キットが 存在しますので,のどの粘膜を綿棒でしごいて
検査するとその場で診断ができます.
 【合併症】 この菌は万病のもとで,腎炎・リウマチ熱・アレルギー性紫斑病に発展することもあり,
一部に川崎病との関連も言われています.特に腎炎においては,抗生剤を飲まなかった方によく発症しま
すので,注意が要ります.
 【治療および経過】 抗生剤を2週間きっちり飲むことです.抗生剤を飲むとたちまち症状の軽減
(消失)を見ますが,そこがくせもので,2-3日で飲み止めるとたちまち再発して,それを放っておくと
腎炎発症を招きます.症状がすぐに軽快しても,しっかり2週間のんで頂くことが大切です.2週間
抗生剤を飲んだら,終了時に一度検尿をしておくことが肝心です.
 【隔離・お休み】 学校伝染病指定ですので,罹ったら数日は自宅待機が必要です. 治ったら治癒証明
をもらってから登校して下さい.
 【家族内予防】 この病気は家族内で伝染しあうことが多い病気です.誰か罹ったら子供達みんなで予防
しておいたほうがいいでしょう.大人でも罹ることがありますので(子供よりはずっと可能性は少ないで
す),もしお父様・お母様でも似たような症状がすこしでも有る場合はいっしょに薬を飲みましょう.
症状の無い方の予防は5日間,症状の有る方は2週間内服がいいでしょう.
 【再発】 はしか等と違って一度やるとむしろ繰り返すことが多い疾患です.「一度やったらもう罹ら
ないから安心」とは言えませんので知っておいて下さい. 

咽頭結膜熱(アデノウイルス感染症 別 名:プール熱)

 咽にアデノウイルスがつくと,扁桃腺が腫れたり,白苔がついたり,咽頭痛,高熱,眼球充血,目やに
などが現われるのが特徴で,別名「プール熱」ともいわれ,その熱は39℃が4-5日続きます.
(プールに入らなくてもかかりますので,プール熱なる名前は誤解を招きやすいと思われます)
 この疾患も迅速キットがあり,溶連菌同様の方法で診断できますが,溶連菌と異なり抗生剤が無効で,
インフルエンザのような特効薬もありません.けっこう重症ですが,治り出すとスッキリ治ります.
 本疾患も学校伝染病指定ですので,治癒証明が必要です.潜伏期は1週間くらいです.

ヒトメタニューモウイルス感染症  

 この疾患はほとんど有名でないかもしれませんが,比較的最近発見され、専門家の間でもまだ
あまり認知されていない新座もののウイルスです。 RSウイルスの親戚で、RSウイルス感染の
年長児版というような症状です。高熱(3-5日)・咳・鼻水・ゼイゼイなどで、1-5歳に多く、
再感染も有るようです。潜伏期は5日くらいで、RSとちがいは6ヶ月未満の感染は少ないようです。
RSとことなり、3-6月に最も流行し、肺炎等の診断で入院する例も10%程度あります。
診断キットが新しくできたので 臨床現場で診断が可能となりましたが、保険が利かず、全額病院
負担なので行いにくい実状があります 。RSV同様に、中耳炎の合併が多いので、注意が必要です。
中耳炎の合併が有る場合には、抗生剤の内服も必要となります。 ワクチン及びタミフルのような
特効薬はありません。

流行性嘔吐下痢症(ウイルス性胃腸炎)

 冬季に集中し、いくつかのウイルスが原因となります。
まず毎年12月頃に小児・成人と問わずにかかるのが「ノロウイルス感染」で、比較的軽症で、
一般的には数回の嘔吐と下痢が2-3日続く程度で軽快します.家族中で罹ることも多いです.
インフルエンザを挟んで、その後毎年3月にピークとなるのが重いロタウイルス感染です。
この疾患は「乳児冬季下痢症」「乳児白色便性下痢症」「仮性コレラ」ともいわれる病気で、
それらの名前から総合して解るように乳児が冬季に罹る病気で、便の色は白色になる事が多く、
コレラの様に水様頻回の下痢を伴う病気です。嘔吐が先に出現し,その後下痢が続きますが、
嘔吐の回数も下痢の回数も1日10回を超えて来ますとさすがに自宅管理は難しく、脱水を治療する
目的で、点滴を要することがしばしば見られます。ロタウイルスは 一度かかったら二度目は
かからない病気で,ほとんど小さい子に限った病気ですが, まれに年長児や成人が罹ることも
ございます.近頃はそういうケースも増えているように思われます.
 その他、アデノウイルスも下痢の原因として多いですが、アデノによる下痢はロタほど激烈
ではないにしても、長い事が多く、季節も比較的広範囲に見られます。

どちらにしても,嘔吐が止まらない場合には点滴が必要なので,診察を受けて下さい.
下痢だけの場合には、スポーツドリンクなどの水分およびお粥等のデンプン類中心のお腹に優しい
食事を少しずつ与えて納まり具合を 見てあげて下さい。尿の回数も脱水の判定基準になります。

またこの病気は接触感染です.すなわち「手」によって伝搬しますので,手洗いがとても重要です.
特に家事をされる方は食事を作る前に丁寧な手洗いを行って下さい.



日本全国の流行状況は右記をご覧下さい。  参考:
国立感染症センターのHP

 


静岡市静岡医師会のHP「感染症動向調査」という項目がございますので,実際の発生状況
(定点観測病院または診療所の集計のため,静岡市の全発生数ではありません)をご覧に
なりたい方は,そちらのHPもご参照下さい.
http://www.shizuoka.shizuoka.med.or.jp/