・Princess Coronation Class 6229”Duchess of Hamilton”

 6229”Duchess of Hamilton”は現在、ヨークにあるイギリス国立鉄道博物館に静態保存されています。本機は1938年に製造され、翌年にはニューヨーク万国博覧会に出展するためにアメリカへ搬送され、スタイルの良さに絶賛されました。1939年に第2次世界大戦が勃発しましたが、1942年に無事に返還されました。1947年には保守点検のしずらさから、流線型のケーシングを取り外され、別項のBR46221のようなスタイルになりました。1948年には国有化により46229に改番。1964年2月に廃車となり、公園に静態保存されました。1976年より国立鉄道博物館所有となり、動態復元されて、1980年から1985年までの間、博物館の主力機として活躍しました。それからまた全検が行われ、1989年から再度動態化されましたが、1996年のボイラー検査切れを以って、静態保存になりました。2005年からオリジナルの流線型に戻すべく、タイズリー工場にて復元作業が開始され、2009年5月に完成しました。
 モデルはGraham Farish製の46229号機がベースで、上周りはキャブを除いてプラ板より自作、テンダー後部もプラ板を用いて製作し、現在の姿を再現しました。

日本の流線型とは全く異なり、前面が丸みを帯びています。

製造当初は前面の数カ所にコの字型の手摺(開閉用?)がありましたが、現在では2箇所のみとなっています。
前面のラインはマスキングして、手塗りしました。

煙突後部の形状がなかなか判らず、たくさんの実物写真から憶測で作りました。

「DUCHESS OF HAMILTON」のネームプレートが目立ちます。
直線ラインは、くろま屋のラインインレタを使用しています。
第2動輪部分上にあるメーカーズプレートは、ワールド工芸にキットに付属していた
残り(多分クラウス辺りかな?)のパーツを使用しています。

「6229」の文字はくろま屋製(16番蒸機用)を使用しています。
実物の文字は横に潰れた字体ですが、これで妥協しました。

上周りを被せるために、シリンダーブロック部分は極限まで削ってあります。
先台車の車輪間は2mm長くしています。
ドレイン管はφ0.25の燐青銅線で作っています。

スタイルといい、カラーリングも抜群です。

転落防止板にも4本のラインが入っています。

LMSの文字と、4本のラインが美しいです。
これはデカールで再現しています。

Princess Coronationは給水ハッチが左右に1つずつありますが、
6229では大きなタンクのようなものがあり、その上中央に1箇所のみ付いています。
実物はハッチが赤くなっています。

梯子は欠品で付属していなかったため、ハンダ付けで作りました。
下にある製造番号プレートは、汽車製のメーカーズプレートを使用しています。
よく見なければ判りません!!?

<写真提供:樋口様>

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