・A-3 4472” FLYING SCOTSMAN”(2000〜2006年バージョン)

 A-3 4472は現在、イギリス国鉄時代の60103号機として動態保存されています。1923年にロンドン&ノース・イースタン鉄道(LNER)のA-1として、当初1472号機のナンバーでドンカスター工場で製造されました。1924年には4472号機に改番され、「フライング・スコッツマン」の愛称が付けられました。「フライング・スコッツマン」とはロンドンーエディンバラをノンストップで結ぶ列車の名称で、本機は「フライング・スコッツマン」の牽引機5輌の内の1輌でした。1934年には当時の蒸気機関車としては世界最速の160キロの公式記録を出しました。1928年にはA-1の改良型A-3が登場し、本機も1947年に改造が施され、A-3に編入しました。1946年にはイギリス国鉄103号機に改番、更に1948年には60103号機と改番されました。1963年に廃車になりましたが、A-3の中では本機のみ保存されることになり、LNER時代のスタイルに戻されました。1969年には売却によりアメリカのテキサス州へ渡り、遊覧列車として活躍しました。1972年に所有者の破産により、解体寸前になった所で、再度売却によりイギリスへ戻りました。オーストラリア200周年を祝うために、1988年にオーストラリアへ渡り、そこで422マイルのノンストップ走行の世界記録を達成しました。1996年から修理が行われ、1999年に完成し、その時ダブルチムニーに戻されましたが、塗装はLNER時代のままでした。2004年にはヨークにある国立鉄道博物館の所有となり、103号機時代の姿として保存されていましたが、2006年より動態復元が開始され、2016年に60103号機当時の姿に復元されました。
 モデルはDapol製の4472号機をベースに、前端梁、ステップの追加などの軽加工を行いました。

日本の蒸機にはない、美しいデザインです。

煙室扉周りは現在の実物にはない手摺等を取り外しています。
標識灯、カンテラ型のヘッドライトを取り付けています。

デフレクターは2000年に取り付けらました。
デフの銘板は蒸機用の汽車会社のメーカーズプレートを裏返して使用しています。

煙突はダブルになっています。
特定ナンバーで作られているため、ボイラー周りにある細かなマークも再現されています。

「FLYING SCOTSMAN」のネームプレートもきちんと立体的に再現されています。
2032mmもある巨大な動輪が目立ちます。

.前端梁がカプラーとぶつからないように、少々下部がカットされた状態だったので、カプラーを撤去し、
正規の大きさに作り替え、ネジ式連結器はIORI工房製のものに交換。
エアホース2つは銀河モデル製を使用しています。
ステップもプラ板より製作しました。

非公式側のデフレクターの裏には、汽笛が取り付けられています。
アメリカに渡った時の名残?

テンダーモーター、エンジンドライブのため、テンダーからシャフトが伸びています。
集電は動輪、テンダー車輪から行っています。第3動輪にトラクションタイヤが付いています。

洗口栓部分も塗り分けられています。
キャブ下のダンパーリンケージも取り付け

テンダーには貫通路(非公式側)が設置されており、長時間無停車運転のため、
機関士・機関助手の交換ができるようになっています。

テンダー後部
貫通路用のドアがあります。

バックプレートも忠実に再現され、製品状態でメーター、ハンドル類に色差しまでされています。

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