・A-3 4472"FLYING SCOTSMAN"(1990年バージョン)

 イギリスのA-3 4472号機は現在、イギリス国鉄時代の60103号機として動態保存されています。1923年にロンドン&ノース・イースタン鉄道(LNER)のA-1として、当初1472号機のナンバーでドンカスター工場で製造されました。1924年には4472号機に改番され、「フライング・スコッツマン」の愛称が付けられました。「フライング・スコッツマン」とはロンドンーエディンバラをノンストップで結ぶ列車の名称で、本機は「フライング・スコッツマン」の牽引機5輌の内の1輌でした。1934年には当時の蒸気機関車としては世界最速の160キロの公式記録を出しました。1928年にはA-1の改良型A-3が登場し、本機も1947年に改造が施され、A-3に編入しました。1946年にはイギリス国鉄103号機に改番、更に1948年には60103号機と改番されました。1963年に廃車になりましたが、A-3の中では本機のみ保存されることになり、LNER時代のスタイルに戻されました。1969年には売却によりアメリカのテキサス州へ渡り、遊覧列車として活躍しました。1972年に所有者の破産により、解体寸前になった所で、再度売却によりイギリスへ戻りました。オーストラリア200周年を祝うために、1988年にオーストラリアへ渡り、そこで422マイルのノンストップ走行の世界記録を達成しました。1996年から修理が行われ、1999年に完成し、その時ダブルチムニーに戻されましたが、塗装はLNER時代のままでした。2004年にはヨークにある国立鉄道博物館の所有となり、103号機時代の姿として保存されていましたが、2006年より動態復元が開始され、2016年に60103号機当時の姿に復元されました。
 Dapol製の4472(原型)をベースに、煙室扉ハンドル、煙室上部フック、フロントデッキ周り、ドレイン管の追加、従台車の固定などの加工を行い、1990年当時のスタイルを再現してみました。

巨大なスポーク動輪が目立ちます。

煙突が1本の原型仕様です。

ネームプレート下の記念碑(オーストラリアでのノンストップ走行世界記録)は、
当モデルでは付いていなかったのですが、この記念碑も重要と思い取り付けました。

第3動輪にかかる速度検出ロッドも製作しました。
従台車枠は下廻りに固定しています。

シリンダーブロック下のドレインコックは、1990年当時はフロントステップまで伸びていました。

キャブ下にはダンパーリンケージを再現
この当時は屋根の延長はされていませんでした。

テンダー後部上のカットも再現しました。

貫通用ドア付きが特徴です。

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