ACT2 LAST CHILD〜月の小舟の落し物〜

                                                               4.暴走

大馬とビスマルクは強敵スティーブンを倒すことができるのでしょうか?


■暴走

GM:デモンパラサイトセッション初の第3ターン突入です(笑)。「んも〜、ヘッドにブラッドアップよ。許さないんだからっ!」と言うなりスティーブンの背中から透明な羽が生えてきた。ターン開始のタイミングで≪飛行(フライト)≫を使う。ちなみに大馬の≪超肉体限定解除(アンリミテッドワイルドグロース)≫はこのターンも続行中です。
大馬:おう!

GM:スティーブンは通常行動で≪生体鎧(フィジカルアーマー)≫。ゴツゴツの岩石状のコーティングが施され肉弾防御力に+5です。今度は大馬に氷のサーベルで攻撃(ダイスを振って)達成値は17です。
大馬:それなら回避できる、かも!(ダイスを振って)達成値12かい。ふふふ、何を隠そう残りエナジーは2なのだ。
ビスマルク:おお!瀕死?!
大馬:ここは『衝動』1点蓄積して振りなおす(ダイスを振って)致命的失敗ーっ!
GM:ここで致命的失敗かー!
大馬:終わった…、「暴走」か(涙)。
ビスマルク:大馬、お前も「暴走」か。だがこれで副作用は解消されるぞ。明日会社に出勤できるな。
大馬:そうだな有給休暇は無駄に使わない方がいいしな♪

GM:現状の心配をしろっ。大馬にはこれから大ダメージが待っています。「アイスランスよっ!」スティーブンの氷のサーベルが再び大馬を刺す!(ダイスを振って)ダメージは大馬の肉弾防御力を引いて22点です。遂にエナジーは−20点になりました!
大馬:ぐうぅ。
GM:「乙女の柔肌を傷付けた報いよっ!」と勝ち誇るスティーブン。
ビスマスク:大馬、お前も真の力を解き放て!

大馬:氷の槍に貫かれた身体からは大量の血が噴出している…。しかし俺はまだ立っている…。身体の深奥で内なる獣がまだ咆哮をあげている。そうかい、まだお前には戦う力が残っているんだな…、いいぜ好きにしな。お前の力を解き放ってやるぜ!

裏コメント:ついに大馬まで「暴走」です。

GM:「うん?どうしたのかしら♪」とスティーブン。
大馬:俺の身体は一回り大きくより野獣めいた体つきになる。身体は前かがみになり、ほとんど四つんばいの姿勢だ。瞳に獰猛な輝きが増す。「暴走」だっ!一気にケリをつけてやる!通常行動で≪戦闘高揚(アドレナリンコントロール)≫、(ダイスを振って)達成値31!俺はスティーブンに飛びついて肩の上に乗り、奴の上半身を足でガキっと押さえつける。
GM:回避!(ダイスを振って)達成値は17。命中です。「ひ、ひぃぃーー!か、顔はやめてーー!」とスティーブン。
大馬:ニイと獰猛な笑みを浮かべて。両手の拳を握り合わせてハンマーのようにスティーブンの脳天を叩き潰す。グロロロォーッ!ダメージは(ダイスを振って)25点。
GM:スティーブンの悲痛な叫びも虚しく。グシャと頭部が胴体にめり込む。肉弾防御力を差し引き14点のダメージです。エナジーは−2となり動かなくなった。

大馬:ギリギリだったな。飛行中のスティーブンともつれるように落下しよう。
ビスマルク:グッジョブ!俺は大馬に親指を立てる。
大馬:おう。やったな。
GM:これで戦闘終了です!


■ショッキングピンクの魔結晶

ビスマルク:いい戦いだったな。早く≪魔種吸引(キャプチャー)≫してこいつを楽にしてやれ。
大馬:面白い奴だったな。≪魔種吸引(キャプチャー)≫するぜ。
GM:大馬は経験点10点の「魔結晶」とショッキングピンクに輝く特殊能力≪氷結武器(アイシクルウェポン)≫の「魔結晶」を手に入れた。スティーブンは1年以上5年以内の寄生期間があるため、影響表で1回判定しましょう。(ダイスを振って)結果は42。人生の半分以降の記憶が無くなる。
大馬&ビスマルク:…。
GM:「あれ?僕はここで何をしているのでしょうか?」と正気を取り戻したスティーブンは言う。瞳の色は黒くなり、どことなくノーマルなたたずまいだが。
大馬:まさか!オカマな部分が取り除かれたのか?!なんだかこのショッキングピンクの「魔結晶」はいかがわしさ満点だな。使用した途端オカマになるのではないだろうか…。ビスマルク、お前に授けよう。
ビスマルク:俺もいらねぇよ。大馬持ってろよ。

GM:彼は20代以降の記憶が無い訳ですね。多分その頃は真っ当な人生を送っていたのではないでしょうか?
ビスマルク:なんだと!おい、スティーブン!お前「隕石」どこにあるか教えろ!覚えてないのか?!
GM:「ひ、ひー!この化け物、あっち行け〜!それに、僕の名前は平清捨文(ひらきよ すてふみ)だー!」と男。
大馬:捨文…だからスティーブンかー!結局、日本人じゃねーかっ。

ビスマルク:おい、大馬。こいつ”石”の記憶まで失っているぞ。
大馬:ふふん。いいんじゃないか?あとはセラフィムに任せておけば。それにしても今回は疲れたぜ。今は思いっきり寝ちまいたい気分だ。屋上で大の字になって寝転がる俺。しばらくこのままにしておいてくれ…。
ビスマルク:はは、それもそうだな。俺も大馬の横で寝る。あー、煙草吸いて〜。

GM:二人ともお疲れ様でした。月光の下、銀座のビルの屋上で横になる二人。二人のいるビルに向かうヘリコプターのシルエットが満月に映る。コックピットで安西が微笑むところでこの場面を切りましょう。


■翌日のビスマルク

GM:それではエンディングに行きます。日付は変わって、スティーブン戦の翌日です。大馬は”オレンジ”に出勤、ビスマルクはセラフィムにいます。
大馬&ビスマルク:はーい。

GM:「ふ〜ん、『目黒区の建設会社、自家発電装置の放電事故で重傷者3名、周囲は一時停電の騒ぎ』、『銀座上空で謎の閃光、彗星か?UFOか?』…随分と派手にやってくれたみたいね」と新聞記事を読みながら安西はビスマルクに言う。「まあ、犬の仕事にしては上出来かな?パートナーが良かったのかしらね。ところで、例の“石”はあなたたちが気絶している間に回収させてもらったわよ。で、これが今回の報酬」と安西は1万円分のペットフードの入った袋を出す。
ビスマルク:…。

GM:「あの“石”にはまだ未確認の”悪魔寄生体(デモンパラサイト)”が付着している可能性があるの。今後、セラフィムが調査研究して、悪魔事件解決に役立てていくわ。今回は本当にご苦労様♪」と安西。
ビスマルク:あんたに礼を言われるとは思わなかったな。だが、そんな重要な任務が1万円ってのは割りに合わないんじゃないか?皮張りの黒いソファーに座り、犬のままで紫煙を嗜む俺。
GM:「“石”には”共生武装(アームドパラサイト)”も付着している可能性が高いの。必要になった時は優先的に斡旋するわよ」と安西。
ビスマルク:早速、上級ルールへ繋いできたな。それは今後、更に厳しい任務の依頼があるって事か?まあ、俺にとっては有難い話だ。ところで安西よ。俺は宝石商と今回の“石”の関係が気になって調べてみたんだが、隕石ってのは結構値が張るらしいな。特に「エコンドライト」という種類は珍しく、収集家の間では高値で取引されているらしい。バレーボール位の大きさだと数億円はいくんじゃないか?ニヤリと安西を見る。
GM:「え〜、そうなの〜?全然知らなかったわ〜。へ〜。」ビスマルクから視線を逸らす安西。
ビスマルク:なんだか露骨に白々しいぞ。
GM:「いいから、カルカン持って帰んなさいよ!」安西は大量のペットフードの入った袋をビスマルクに咥えさせ、応接室から追い出す。
ビスマルク:やれやれと肩をすくめ、応接室を出る俺。セラフィムが貧困状態ってのも疑わしいな。ペットフードの袋を咥えて考える俺。ん?カルカンって「猫まっしぐら」じゃねぇか!と大量のペットフードを床に叩きつける。


■翌日の大馬

GM:大馬のエンディングに行きます。場面は大馬の自宅で出勤前。自宅でコーヒーを飲みながら新聞を読んでいる。「目黒区の建設会社、自家発電装置の放電事故で重傷者3名、周囲は一時停電の騒ぎ」、「銀座上空で謎の閃光、彗星か?UFOか?」の記事が載っている。ダダダと家の中をあわただしく走る足音。「いってきま〜す」と大馬の娘、繭が登校だ。
大馬:おう、気をつけて行けよ♪
GM:「ただいまーっ」と繭。「忘れ物、忘れ物ー!」。
大馬:なんなんだ!やかましい奴だな。
GM:「あった、あったー」と大きな荷物を抱えて、再び家を出て行こうとする繭。
大馬:どうした?そんなに大きな荷物を抱えて。
GM:「今、文化祭の準備で忙しいの。今年はすごい催し物するから、お父さん絶対来てよね♪」と繭はタタタと走って行ってしまう。
ビスマルク:お?女子高の文化祭か。昔を思い出すな。大馬に頼んで招待状を貰おう。
GM:あんたは犬でしょうが。どんな思い出だよ。と突っ込み入れつつ、「文化祭」は次回の伏線だったりする。
大馬:文化祭か。たまには”悪魔憑き”事件抜きでのんびりするのもいいものだな。
ビスマルク:こら、俺の招待状の話に触れろよ!
GM:「あなた。そろそろ会社に行く時間よ」と妻の幸子が言う。
大馬:そうだな…。それじゃ、行ってくる。今日も会社の業務と”悪魔憑き”事件が俺を待つ。


■セッションを終えて

ビスマルク:お疲れ!ついに終わったね。今回も充実した内容だったよ。テーマが「暴走」なだけに、強敵相手に熱い戦いができたね。ダイスを振る緊張感を久し振りに味わったし、自分の行為と判定結果にこれほど感動した事は無かったよ!今はデモンパラサイトが楽しいね。
大馬:今回ACT2はACT1程のドラマ性はなかったけど、戦闘場面ではかなりドラマチックな展開が見られたね。『衝動』の使い方やその副作用によって”戦闘の流れ”が自分たちに来たり敵に行ったり、最後まで勝敗の行方がわからなかったよ。
ビスマルク:戦闘も当初は敵が多すぎる感があったけど、終わってみればギリギリの戦いを演出できていいバランスだったね。次回は大人しくしないと<ヴィシャス>化リーチだけど…。
大馬:戦闘に勝利した時、特に初戦のビスマルクの最終能力で敵を一気に片付けた時はものすごく興奮した。TRPGでまだこれほどまでの感動を得ることができる喜びに驚いた。こんな興奮を味わっちゃうとTRPGはやめられないね。まだまだ奥が深いゲームだよ。

ビスマルク:ストーリー自体はセラフィムの依頼→現場調査→敵のアジトへ潜入→ボス戦というオーソドックスな流れのものだけど、俺らにしては珍しくセラフィム始めデモンパラサイトのワールド設定を使用して今後のシナリオに繋げた点は大きいよ。最後に「共生武装」を出す含みを持たせているしね。
大馬:とりあえずセラフィム出してもらえてよかった。これでようやくデモンパラサイトらしくなってきたね。俺はヴォージェだから今後セラフィムジャージが必要な場面もあるだろう(笑)。

ビスマルク:大馬とビスマルクはいいコンビなので大事に育てていこうよ。また2人GM体制も維持しよう。アイデアが膨らんでいい展開が演出できるよ。
大馬:今回のストーリーは88ちゃんだけが把握してゲームを進めていたから当初の予定通り基本的にはGMは88ちゃんだね。俺は少しだけこっそりGMになったりした場面はあったけどね。たしかに2人で考えるとアイデアは膨らむね。今後のスタンスもこんな感じかな。

ビスマルク:NPCでは、前回のメインNPCの鏡さんが登場していない点が寂しかったね。ペットシッターの彼女も出番が少なかったな。代わりにセラフィムの安西が今後重要なポジションを占める予感がする。
大馬:ビスマルクと安西の絡みは面白かった。

ビスマルク:とにかく今回も楽しかったよ。次回も盛り上げていこうね!
大馬:そうだね。

裏コメント:今回はデモンパラサイトのダイナミックな戦闘ルールを演出し、大いに楽しみました。上級ルールブックも発売されて、デモンパラサイトは奥深いゲームになっています。今後も毎回色々な要素を盛り込んだセッションを展開したいと思います。次回ACT3からは新メンバーが参加してくださることが決定しております。どんな物語が産まれるか楽しみです。



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