ACT1 BARK AT THE MOON
〜月夜と犬と銀豹と〜

                                                    2.稲妻の剣カラドボルグ

遂に”悪魔憑き(ディアボロス)”の力が発揮されます。


■左門のアパート

GM:場面は変わって、大馬は千駄ヶ谷の左門の住むアパートに到着した。
大馬:えーと、ここか…。インターホンを押してみる。
GM:返事はありません。
大馬:ドアをノックしてみます。コンコン、左門君いますか?オレンジの君の担当の伴です。
GM:やはり返事はありません。
大馬:本当に居ないのかな?行為判定で何か分かりませんか?
GM:では【感覚】か「知覚」技能で判定してみてください。目標値は12です。
大馬:了解。【感覚】は3か。(ダイスを振る)出目は9か!合計で達成値12、調子いい♪
ビスマルク:調子いいね♪でも振りなおし出来なくてある意味残念なような気も。
GM:おお!お見事。左門の部屋は本当に留守のようだよ。

大馬:では、メモ紙に「携帯(080…)に電話ください。オレンジ 伴」と伝言を書いてドアの隙間にはさんでおきます。帰ります。
GM:了解。


■さらに追跡

ビスマルク:車をパーキングに停め、千駄ヶ谷の駅で待ち伏せをする俺。大馬を尾行するぞ。
GM:では、うまく尾行できたかどうか目標値8で「隠密」判定してください。
ビスマルク:「隠密」技能は初級あるから問題ないだろう。(ダイスを振る)なぬー!致命的失敗だーー!!『衝動』1点蓄積して振りなおすぞ。(ダイスを振る)達成値は11で成功だ。しかし、これで衝動2点溜まったか。早いペースだな。
大馬:序盤から惜しみなく『衝動』を蓄積させているな(笑)。
GM:本来は大馬が「知覚」で対決判定するのだが、特に危険も無いのでこの場はスルーしよう。


■オヤジ狩り

GM:大馬は左門君のアパートから千駄ヶ谷駅周辺の繁華街に戻ってきました。そこで、ゲームセンターとパチンコ屋の間の狭い路地にたむろしている若者を見つける。
大馬:それってまさか?
GM:そうです。いかにもガラの悪い派手な柄シャツを来たヤンキーが三人いる。その中になんと左門君がいるではないですか?!
大馬:え…?普段の私なら面倒な事は避けたいのですが、なぜか左門君に声をかけずにはいられない。さ、左門君…?
GM:「ああ?」と会社にいる時とは別人のような怖い目で大馬を睨みつける左門。

大馬:あ、あの…。さ、最近会社に来ていないようだけど。その…、何かあったのかな…?
GM:「るっせんだよ、オッサン!」と他のヤンキーが怒鳴る。
大馬:小さく縮こまってしまう。
GM:左門の他の二人のヤンキーが近寄ってくるよ。
大馬:逃げたい…。足はガクガク震えている。しかし、私はなぜか逃げない。
GM:「あはは、なんだこのオッサン震えてるぜ〜。うけるっ」とヤンキー。「俺、久々に大人の泣くとこ見てみてぇー」ともう一人のヤンキー。「やっべ。それすっげー楽しそー」とヤンキー二人は盛り上がっている。
ビスマルク:GM、若者言葉うまいな。いい味出してるね。
大馬:左門君、一緒に行こう。君は社会人なんだよ。こ、こんな連中と付き合っちゃいけないよ。
GM:その時!大馬は後頭部に強烈な衝撃を受け、前のめりにぶっ倒れた。
大馬:なっ、なんだ?うぐっ。

GM:大馬の背後にもう一人のヤンキーがいる。上半身裸に柄シャツを羽織っている、完全に目がイってるヤバそうなヤンキーだ。金属バットを担いでいる。「ああ?オッサンよー。こんな連中ってなんだよ?俺たちにも人権ってもんがあんだぜ。人権が。なあ?」と言って唾を吐きかける。こいつがリーダーのようだ。他のヤンキーは「すっげ。さすがアっちゃん。いきなり金属バット炸裂!」。「オッサン死んだんじゃねー」。「ぜってー死んだ」とバカうけ。

ビスマルク:いいのか?放っておいて。と鏡を見る。
GM:「もう少し様子を見よう。そろそろ変化があるかもしれない」と鏡。

大馬:私は惨めに地面を這いつくばって左門君に近づく。そしてカバンから会社から持ってきた社内報を取り出す。こ、これ…、今月の社内報だよ。会社の仲間たちみんな、左門君が戻って来るのを待っているよ。と無理して笑顔を作る。
GM:頭からはすごい流血だけどね。大馬の差し出した社内報が左門の足元に近づくのを見計らって、ヤンキーのリーダーが社内報を踏みつけてグシャグシャにする。
大馬:ああ…。やめてください。私は左門君に会社に戻ってほしいんだ。グシャグシャの社内報を手で押し付けてシワを伸ばす。震える手で再び左門君に社内報を差し出す。
ビスマルク:大馬、健気だね〜(泣)。
GM:今度はヤンキーのリーダーは大馬の手ごと踏みつける。「こいつ死刑決定」と呟く。「ぎゃはは。それいい!」と盛り上がるヤンキーたち。

大馬:さ、左門…君…。
GM:左門は冷たい目で大馬を見下ろしている。その時、大馬は自分の身体の奥底に潜んだ獣性に気づく…。その獣は太い鎖で体中を縛り上げられている。獣は咆哮を上げ、今にも鎖を引きちぎりそうになっている。「おい、大馬。俺を解き放しちまいなよ」ともう一人の自分が耳元でささやく。
大馬:それって”悪魔化(デモニック・フォーム)”しろってことですか?
GM:そうです♪
大馬:駄目だ…。私は人間だ。ただの平凡な会社員なんだ。こんなヤンキーたちとかかわりたくない。こちらからは手出しせずやり過ごせばいいんだ。私が我慢をすればいいだけのことなんだ…。

裏コメント:この場面はなるべく惨めな大馬を演出したかったのですが、その効果はでていますかね?


■”悪魔憑き(ディアボロス)”

ビスマルク:そんな大馬の様子を電柱の影から見ている俺と鏡。そろそろか…?俺は鏡を見る。
GM:「このまま気絶されたら元も子もないな。いくぞ、ビスマルク。」と鏡はビスマルクと共に大馬の所へ向かおうとするよ。
ビスマルク:無言で従う。
GM:「あー、そこのおぼっちゃま方、それ以上やるとその人本当に死んじゃうよ?」と鏡はヤンキーどもに声をかける。
ビスマルク:俺は大馬のそばに駆け寄り耳元に囁く。よく見ていろ。お前の身体が、脳髄が、血脈が何かを感じ取る筈だ。俺はとりあえず変身をしない状態で戦うつもり。遂にデモンパラサイト初の戦闘に突入か?
大馬:変身しないとは余裕だな。

GM:大馬はビスマルクを見て、鏡弁護士のところのアフガンハウンドだと気付く。
ビスマルク:俺ほど大きな犬はそうそういないからな。そいつが耳元で喋る訳だ。大いに驚け。
大馬:ビ、ビスマルクっ?!なんでここに?鏡さんも。そっ、その前に、なんでお前人間の言葉を喋れるんだっ?!しかもお前。おっとりした性格だとばかり思っていたのに、結構偉そうな話し振りだな。
ビスマルク:俺は別におっとりしてるなんて一言も言ってないぞ。結構冷めた性格なのだよ。

GM:「死刑囚が勝手にしゃべってんじゃねえよ」とヤンキーのリーダー。そして鏡の格好を見て、「あ、この人、オレのお財布君だったよ。なあ、今日はいくら引き出そうかな?」と近付く。
ビスマルク:とりあえず大馬の反応は無視だな。俺は鏡の前に出るぞ。ヤンキーのリーダーを塞ぐ。
大馬:こら。「大いに驚け」と言うからリアクションとったのに、無視すんなよ。
ビスマルク:いや、それどころじゃないんで…。
GM:「その大きな犬をけしかけるわけ?オレらに傷を負わせたら飼い主の責任だぜ。そんがいばいしょーとか一生払って貰おっか」ヤンキーのリーダーは止まる様子もなく、ずいっと前に出てくるよ。
ビスマルク:いいから黙れ。
GM:お、ビスマルク、ヤンキーに対しても喋るのね。ヤンキーのリーダーは顔色を変える。驚きの表情ではなく、真顔。真剣な表情になる。「お前、”悪魔憑き(ディアボロス)”か?!」


■”悪魔化(デモニック・フォーム)”

GM:戦闘開始か。ではターン開始でヤンキーリーダーは”悪魔化(デモニック・フォーム)”します。イってる眼球がグルっと裏返る!首があらぬ方向に曲がって顎が上、頭が下にひっくり返る!「ア、アっちゃん…?」と他のヤンキーは驚愕している。そして人間だった頭が飴状に溶け出して中から昆虫のような頭部が現れた。「は、はは。うそだろ…。CGかよ?」。「コスプレ?」と他のヤンキーは虚脱状態のようだ。ヤンキーリーダーはカルトロップ・アタッカーに変身した。
ビスマルク:やはり<ヴィシャス>か?!
GM:カルトロップ・アタッカーは両手にそれぞれヤンキー二人の頭を握って持ち上げる。「ア、アっちゃん!冗談だろ?!ヒィィー!!」必死に叫ぶヤンキーたち。「うぜえんだよ。お前ら」とカルトロップ・アタッカーは二人のヤンキーの頭を握り潰した!カルトロップ・アタッカーは左門を振り返って「なあ、左門?」と笑いかける。左門は何か呟いているようだ。

大馬:何を言っているか分かりますか?
GM:【感覚】か「知覚」技能で行為判定すれば分かるよ。目標値は12ね。
大馬:よし。【感覚】は3だから、(ダイスを振って)8だから達成値11かー。ここはなんとしても左門君の声を聞き取りたい!『衝動』を1点使って振りなおします。(ダイスを振って)げっ!また8−?!
GM:ふふふ。どうしますか?
大馬:ええい!『衝動』を2点でもう一度振りなおしだ!(ダイスを振って)19だから達成値22。ぜえぜえ、やったぞ…、しかも効果的成功だ。
GM:左門は「助けて…」と言っている。そして一筋の涙がツーっと。そして路地の暗がりに消えて行く…。
大馬:左門君、私が君を助けるよ…。必ず…。ガクっと気絶。ビスマルク、後はよろしくね♪
ビスマルク:よし、任せろ。って、気絶しないで見てろっての!

GM:では戦闘だね。カルトロップ・アタッカーの【行動値】は10だから先に行動だね。ビスマルクにパーンチ!(ダイスを振って)達成値は19。ちっ、効果的成功はならずか。はい、ビスマルク回避してください。

ビスマルク:その前に、ヤンキーリーダーの変身と同時に衝動1点蓄積して”悪魔化(デモニック・フォーム)”するぞ!

俺は悠然と後足2本で立ち上がった。すると、長い毛並みはびっしりと肌に張り付き、金色の毛並みが鮮やかな青緑へと変化し、毛先が跳ね上がった感じで無数の棘を形成する。面長の犬の頭部は深緑に変色し、下を向いた形で顎が体と一体化する。垂れ下がっている大きな耳はより一層長く伸び、角の様に硬くなる。手足の形も物を持つ事に適した指の長い形状となり、西洋の甲冑を思わせる質感へと変化する。さらに、太く長い尻尾は地面を這う大蛇の如く伸び始めた。そして最後に、胸の辺りに大きな水晶のような結晶体が形成され、俺の変身が完了した。俺の”悪魔寄生体(デモンパラサイト)”の正体は「稲妻の剣カラドボルグ」だ!

大馬:早速変身してるじゃねーか(笑)。
ビスマルク:肉弾攻撃の回避(ダイスを振って)達成値12、やはり厳しいな。だが、ここで『衝動』1点蓄積で振りなおしだ。これで第1段階突入かな?(ダイスを振って)なんと、致命的失敗だよ(涙)。そして副作用の効果は(ダイスを振って)「我慢」だった、つまらん…。ダメージちょうだい。
GM:ではダメージ行きます。(ダイスを振って)13ですね。
ビスマルク:致命的失敗で肉弾防御力が無視されるから、ダメージ13がそのまま通る。残りエナジー23か。

大馬:ビ、ビスマルク。お前…。
ビスマルク:大馬は気絶したんじゃないの?
大馬:あれは単なる演出だ(笑)。

ビスマルク:では、俺の攻撃いくぞ。『衝動』1点蓄積して≪落雷白電(ライトニング)≫!変身したからダイスが3dだ!(ダイスを振って)うお!また致命的失敗だよ!ダイス目悪すぎ。更に『衝動』1点蓄積して振りなおしだ!(ダイスを振って)達成値21。どうだ、今度は効果的成功だぞ。
GM:よし。カルトロップの回避ね…(ダイスを振って)19だよ、って避けられるわけねー!
ビスマルク:効果的成功の場合のダメージは全てダイス目で6が出たと見なすので、ダメージはMAX24です。ヤンキーリーダーの頭上に突如稲妻が発生し脳髄を直撃した。これがカラドボルグの特殊能力≪落雷白電(ライトニング)≫だ。ちらっと大馬を見る。よく見ていろ。これが”悪魔憑き(ディアボロス)”の戦いだ。
大馬:あ、悪魔憑き…?
GM:「ピギャアー!!」とカルトロップは叫びを上げる。特殊攻撃の防御力は1かよ。ダメージくらって残りエナジー2…。
大馬:調子いいじゃん!ビスマルク♪

裏コメント:戦闘ルールも面白いです。


■カラドボルグ

GM:では第2ターン。カルトロップはまたパーンチ!(ダイスを振って)出た!達成値20で効果的成功!
ビスマルク:おいおい、これを回避するにはこっちも効果的成功しかないな。(ダイスを振って)またしても致命的失敗だよ。これは『衝動』1点蓄積して振りなおしだな。(ダイスを振って)達成値18…。残念、これはそのままダメージを受けよう。
GM:効果的成功だからダメージはMAX18だよ。
ビスマルク:肉弾防御力が3あるのでダメージは15。残りエナジー8だ。しかも『衝動』は第2段階に突入だ。(ダイスを振って)副作用は「抑制」、何も起こらない。うまく抑えてるな。
大馬:うける!よく『衝動』抑えこんでるね(笑)。結構ヘロヘロじゃない?

ビスマルク:さあて、次で仕留めないと俺も危ないな。『衝動』1点蓄積して、再び≪落雷白電(ライトニング)≫を放つ。(ダイスを振って)達成値15。これじゃ避けられるな。ここは確実に仕留めたい。『衝動』1点蓄積で振りなおしだ。(ダイスを振って)達成値19。いまいちな結果だけどこの値でいくか。そして遂に『衝動』第3段階に突入だ!
大馬:大丈夫かよ(汗)。
ビスマルク:副作用は(ダイスを振って)「解放」。衝動に耐えられず変身する。しかし俺は既に変身済みなので影響なしだ。なんとか耐えてるな(笑)。これで経験点10点GET!
大馬:すげえー!
ビスマルク:この攻撃を避けられると次が厳しいな。
GM:カルトロップの回避いきますよ。(ダイスを振って)達成値は18でした。見事命中だよ。
ビスマルク:(ダイスを振って)ダメージ18。カルトロップの頭上に再び稲妻が光り、垂直に落下する。空気を切り裂く様な轟音と共にカルトロップの身体に電撃が走った!
GM:「ギヒャァー!」と絶叫してカルトロップはその場に倒れた。気絶です。いい勝負だったね。

ビスマルク:俺は倒れたカルトロップの頭を鷲掴みにし持ち上げ、≪魔種吸引(キャプチャー)≫する。お前よりも俺の方が強かった、それだけだ。悪く思うなよ。俺は新たな力を得て更に強くなる。それが俺の目的でもあるからな。
大馬:ギリギリの戦いだったじゃねーか。
GM:カルトロップに入り込んでいた”悪魔寄生体(デモンパラサイト)”が血管から吸出され結晶化する。経験点5点の魔結晶(デモニッククリスタル)だ。

ビスマルク:ということで、戦闘は無事に終了だね。なんとか勝てたがヴィシャス強いな。早く大馬に覚醒してもらわないと身体が持たんぞ。大馬に近付く。あんたにも俺と同じような力が棲んでいる。あんたに今必要なのはそいつを解き放つ覚悟だ。
大馬:…。気絶。
ビスマルク:おいっ、聞けよっ!

GM:路地の入り口に少しずつ人だかりが出来てるよ。「おい、なんかピカって」「なになに?映画の撮影」とかヒソヒソ話し声が聞こえ始めた。
ビスマルク:まずいな。鏡?
GM:「病院へ運ぶか」と鏡。

裏コメント:ビスマルクなんとか勝利しましたね。まだ1レベルなので、1レベルの敵といえどもいい勝負になりますね。



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