第67回   際限のない女の欲

最近のテレビ番組で「夫在宅ストレス症候群」を見ました。
その病名の内容をネットで検索すると、次のような説明がありました。

<夫が定年退職になったり、脱サラをして自宅で仕事を始めて、
常に家にいるようになった事で妻が強いストレスを感じ、体に変調をきたし、
高血圧、胃・十二指腸潰瘍(かいよう)、気管支喘息(ぜんそく)、
過敏性腸症候群などの症状が現れる事があります。
こうした症状を大阪府にある黒川内科の黒川順夫院長(心療内科)が
「主人在宅ストレス症候群」と命名して、
学会(日本心身医学会近畿地方会)で発表されました>

定年した夫が在宅することで、家庭内にさまざまな問題が浮上していることは、
かねてより知ってはいましたが、この病名を耳にしたのは初めてです。
このような病名はインパクトがあり、世間でまた流行るだろうと思っていましたが、
ネット検索で多数がヒットしたから、すでにかなり知られているようです。

夫婦の絆とは、一体なんでしょう。

夫婦間の問題が浮上するとき加害者、被害者の役割はいつも決まっています。
加害者は夫側で、悪いのは夫であり、
メディアや世間はいつも妻族の味方のようですが、
一方に流され過ぎていない?。

それゆえ、わたしは同性からのバッシングを覚悟で、このコラムを書きました。

以前、家庭内における夫の立場を妻側から表現した言葉に
<夫は元気で留守がいい><濡れ落ち葉、粗大ゴミ>なるものがありました。
これが、一生を共にしようとして誓い合った男女のなれの果てかと、
かなり寂しさを覚えた記憶があります。

この言葉が示すように妻は攻撃一方、夫は防戦一方の印象が否めません。
果たして妻の「夫在宅ストレス症候群」の根はどこにあるのでしょう。

わたしは同性として理解を寄せたいと思いますが、
昨今の女性の考え方にはあまり同情できない面があり、
むしろ反省すべき点がたくさんあるように思えます。

「夫在宅ストレス症候群」にしてもその根は
<夫は元気で留守がいい>が意味するように、
夫は生活費を運べばよろしいとの思いがあるようですが、
夫が汗水たらして生活費を稼いでいる間に、
妻たちはホテルやしゃれたレストランで優雅にランチ、
或いはティー・タイムを満喫。

わたしの周囲にも、定期的にランチを楽しむ妻族がたくさんいますが、
彼女たちは趣味のお稽古やおしゃれを楽しみ、
月に数回は優雅なランチで過ごしています。

わたしは不思議に思う。

「顔を見るのもイヤ、同じ空気を吸うのもイヤ、
 洗濯の際に夫の下着に触るのも洗うのもイヤ」

このような相手と、なぜか一緒に暮らせる女性の気持ちがよくわかりません。
自身はそのように思う相手とは、一秒たりとも同じ屋根の下で暮らせないからです。
彼女たちは窒息寸前になりながら離婚もしないで、
なぜ一緒に暮らし続けているのでしょう?

答えは明白。

離婚すると食べては行けないから。
その理由に驚愕します。
自身の立場では絶対に考えられない理由であるから。

結局、お金のためにイヤな相手と暮らしているの? と、
誰もが口にしないことをわたしはズバリ言いたくなります。
そのため<夫は元気で留守がいい><濡れ落ち葉、粗大ゴミ>なる
激しい感情が芽生えるの?

しかし、そう思えば合点がいくではありませんか。

そこに、女性のエゴを見る思いがしてがっかりします。
相手に対する思いやりや、一生を共にする人への配慮など少しも感じられません。
あるのは自分の思いを押し通す我儘な思いか軽蔑の言葉だけ。

前述の患者に共通しているのは、
「夫は何もしないでテレビばかり見ている」
「三度の食事の用意が大変」
「あれこれと指図される」
と続きますが、勤め人にとって休日がいかに大切なものか、
それを労りの目で見守ってやれないのでしょうか。

妻は優雅なランチで元気モリモリでも、夫は仕事で疲弊しています。
それを推し量れないのでしょうか。

新聞の投書に
「夫が休日に長男といつも楽しそうに遊んでいる姿に嫉妬する」とありました。
「自分は一日中家にいて子供の世話で楽しく遊ぶこともできないのに」と結んでいましたが
呆れて言葉もありませんでした。

休日くらい子供と遊んで欲しいという内容の投書は見たことがありますが、
遊べば今度は嫉妬する。
女はどこまで欲張りなのでしょうか。

少しは我儘を抑えて相手に合わせたり、
問題解決の糸口を模索する努力が出来ないものなのでしょうか。
相手に要求ばかりしているが、そういう人物に限って相手には何も与えない。
与えられることばかりを欲しているように思えてなりません。

前述の番組の最後に80歳代の男性が言いました。

「家の事はなんでも奥さんがやるのが当たり前。
 そうしたらダンナは楽だから、アハハ」

この世代は、女性に対する化石のような考えが血肉となっているから、
もはや手術で血肉を取り替えようとしても無理であり、
そのような人物はやはり<粗大ゴミ>として扱われても仕方がないと
妻側に大いに同情を寄せています。

わたしが希望を託しているのは、今一番スポットライトを浴びている団塊の世代。
夫族は定年後の夫婦間の危機を察知して、対策、対応に励んでいるようですから、
妻の態度次第で、まだまだ夫婦間の柔軟な変化が期待できそうです。
団塊世代の夫婦間が良いお手本を見せてくれたなら、
後に続く世代も見習うことになるでしょう。

家庭内がうまくいけば、世の中の大抵は安泰であると思っています


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