第39回  脱銀行時代?

バブルが弾けて以来、
とかく銀行関連の話題がニュースに登場する回数が多くなった。
その都度、銀行業界の身勝手には腹がたつばかり。

バブル時代は、貸し付け先の調査をないがしろにして、
不良企業を相手に湯水のごとく資金を貸付け、
それがバブルが弾けた途端に態度を一変させる。

優秀な技術を持つ将来性のある中小企業でさえ、
規模の中小を基準に貸付対象から振るい落とす。
いわゆる<貸し渋り>をして有望な会社を倒産の憂き目にあわせることを
平気でやってのける。
その上、不良債権のツケは国民に廻し、抱っこにおんぶ。

夫は銀行と聞くだけでゴキゲンが悪くなる。
特にみ〇ほホールディングスの〇〇社長の顔は見たくもないらしい。
〇〇氏がテレビ画面に現れるとはき捨てるように言う。

「他人のフンドシで相撲を取ってる奴らが何をほざくか、生意気だ!」
「他人のフンドシ? あら、いやだ」

「安い利子で他人のお金を吸い上げ、それを高く貸し付け、
 右から左へ移すだけで利ざや稼いでいる連中だ!」
「なるほど・・・」

「いわば、貸し金業者だ!」
「そんな感じ・・・」

「それが金を貸さんとはどういうことなんだ!」
「ほんと!」

つまり、夫の言いたいことは、金貸しなら金貸しらしく、
自分の目利きをしっかりしろ! と言うことらしい。
目利きさえしっかりしていれば、中小企業でも優秀ならば、
貸し渋りなどという事態にはならないはずである。

日本でなぜベンチャー企業が育たないのか。
答えは簡単。
銀行は自分の目利きに自信がないから、
世間で認知された規模が大きくて安全性のあるものを第一に選部。
要するに女性と同じブランド志向と言うわけ。

しかし銀行は、
それでさえも多額の不良債権を抱えたということになるのだから、
これまでの体質があまりにもお粗末すぎたということになる。
日本の現在の不況が<バルブ>という、
彼らの無責任に端を発した結果であると思うと許せない心境である。

そんな時期に、NHKニュース特集はとても興味深いものだった。

タイトルは<銀行を頼らない・不況下の資金調達>

内容は将来性はあるが資金がない若い美容師に、
電気メーカーが資金を貸し付けたというもの。

美容師には腕と情熱があったが資金がなかった。
もちろん中小企業というだけで貸し渋りをする銀行が、
一介の青年に間違っても資金を提供するわけがない。

ところが、電気メーカーが名乗りを上げた。
電気メーカーが資金提供をするその理由とは
「美容師という職業はいつの時代にも必要なものであるからリスクは少ないし、
的を絞った投資は必ず利益をもたらす」というもの。

つまり、これが目利きというものなのですね。

美容師の青年が借金を返済するには、月450万円以上の売り上げが必要だが、
青年は見事にそれを上回る業績をあげた。
現在は二軒目の店舗の計画もあるという。

青年は夢を実現し、さらに飛躍する可能性があり、
電気メーカーは人助けをしながら儲かっている。

めでたし、めでたし。

また聞きなれない用語だったが<少人数私募債>なるものがあるらしい。
仕組みは11億円以内、50人以内であるならば親戚、友人、知人、従業員等に
債権を発行し、資金調達が受けられるというシステムで、
この範囲なら届出は必要ないとのこと。

ある中小企業の経営者が、将来性のある技術を持ちながら
その研究開発費の3000万円の融資を銀行から受けられなかった。
それではと私募債を利用して、従業員や同じ中小企業の経営仲間等から
資金調達ができたことをリポートしていた。

資金提供者は銀行よりも高い年4%の利子を受けられる上に
人助けにもなるのであるが、もちろん目利きが重要なポイントになる。

お金があったら、わたしも自分の目利きを試してみたいなぁ。

脱銀行時代!
賛成!


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