面白いコラム 女なら誰でもいいという男みたいに・・・


第1回 女なら誰でもいいと言う男みたいに・・・

わたしはドキュメンタリーが大好き。
特に動物のドキュメンタリー番組がお気に入り。
彼らの知られざる生態を覗き見させてもらうのは文句なく楽しい。

どういうわけか鳥類に関してはちょっと興味が薄くて、
チャンネルを合わせることはほとんどなかったが、
その偏見を払拭させる素晴らしいドキュメンタリー番組に出会った。

NHKが放映した、デイビット・アッテンボロー氏の「鳥たちの生活」である。
アッテンボロー氏は世界的なイギリスの映像プロデューサーで、
放映当時は70歳を越えていたが現役であった。

「鳥の世界もなかなか大変だなぁ」

これが番組を見たときの、わたしの第一印象である。

もちろん動物が生きていくのにはどの世界でも大変だろうが、
アッテンボロー氏が紹介した鳥たちはその生態が、
人間世界を彷彿させるような内容だったので、なにやら身にしみたのである。

オスとメスが人間界の状況と入れ替わっているのがあり、
それもなかなかオモシロイ現象である。

たとえば鳥はオスの方が断然色鮮やかできれいですが、
それはオスがメスの気を引くためのもののようであるから、
人間界の女性がお化粧をするのと同じ意味合いになる。

オスがメスにプレゼントをする習性の鳥もいるが、これは人間界そのまま。
アジサシのメスは、最初のプレゼントは必ず断るというから
なかなか奥ゆかしいではありませんか。

人間のメスも見習って欲しい?

同じ鳥でもなかなか堅実なのがいて、
マイホーム作りの砂や水草でメスの気持ちを誘うのもいる。

うーん、オスはどこの世界でも大変だ。

敵を攻撃するためのオスの鋭いくちばしも、
メスの毛づくろいをするときはやさしく使うように気をつけるそうだから、
なかなか心憎い。
それでも彼らがツガイになるのは愛情があるとは限らなくて、
卵の中の遺伝子を残すための手段であるとか。

アッテンボロー氏は笑いながら言った。

「もし、もっと簡単な方法が他にあるとすればきっとそっちを選ぶだろう」

ふーむ、そんなドライな面もあったのか・・・。

その後、偶然にチャンネルを合わせた別の局の番組で、
ちょうど動物番組の最後の部分らしい映像に出会った。
イタリア人の中年男性が野生のハトを飼い慣らす秘訣を語っていた。

レポーター
「新入りのハトを群れから逃げないようにする方法は?」

イタリア男
「すぐになるべく小さい箱にメスと一緒に入れることだね。
 1週間も一緒に入れておけば2羽はツガイになるから、
 オスはメスのいる群れを離れなくなるってわけさ。
 だから新入りはすべてオスなのさ」

レポーター
「もし、オスがメスを気に入らなかったら?」

イタリア男
「ワハハ・・そんなことは絶対にないね。
 まるで女なら誰でもいいっていう男みたいなものさ。
 必ず気に入るよ。ワハハ・・」

恐れ入りました・・・



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