第97回  ウォルト・ディズニーの夢よ永遠に

今年の夏休みの最初の土曜日は、例の1000円高速道路人気で
高速道路の渋滞がひどかったようだ。

夏休みとなれば、子供に人気のディズニーランドを思い浮かべるが、
それと相まって以前見たテレビ番組を思い出す。

ディズニーランドの創設者、ウォルト・ディズニーのドキュメンタリーである。

ディズニーの原点はピーター・パンにあるという。
大人にならない少年ピーター・パンが主人公の夢あふれる冒険の物語は、
ディズニーの代表的な作品でもあるが、ウォルト・ディズニーは子供のころに
舞台ではじめて見たピーターパンに憧れを募らせ、
世界中の子供にも夢を与えたいと、後にアニメーション化した作品である。

ディズニーは9人の優秀な技術者とチームを組み、
白雪姫、シンデレラ、美女と野獣等、次々と素晴らしい数多くの名作を産み出し
大成功を収めることになるが、世界中の子供に夢を与えたいという、
本来の夢も同時に叶えた人物である。

ディズニーはより良いアニメーションを創るために、
さまざまなアイディアも思いついた。

たとえば、当時のアニメにトーキーやカラーを取り入れた。
当時の技術は背景、人物等のセル画を何枚も重ねてひとつの場面を撮影していたが、
この方法だとどうしても奥行きがなく平板な印象になってしまう。
そこでセルを重ねるのを避けて、厚いガラスの原版に変え、
間隔を置いて並べたものを撮影するという方法を考え付いた。
テレビ画面で双方を比べてみると一目瞭然で、
後者の方が際立って画に立体感が生まれた。

だが、その方法は厚くて重い大きなガラスの原版を換えるのに
とても労力を要するので大変な作業であるが、
ディズニーはより良い夢を子供たちのためにと労苦もいとわなかった。

初めて知ったのだが、あの独特のミッキー・マウスの声は、
当初はディズニー自身が吹き替えを担当していたのである。
その録音風景の映像が残っていたが、
ディズニーはミッキーの声役を心から楽しんでいる様子だった。

さらに、自宅の裏庭に小さな鉄道を作って走らせたのが、
ディズニーランドの着想となったようだ。

ディズニーランドと言えば、カリフォルニアのディズニーランド・リゾート、
フロリダのウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート、
ディズニーランド・パリ、お馴染みの東京ディズニーランド、
東京ディズニーシーがある。

2005年には香港ディズニーランドが開業。
中国本土へは2010年以降に実現しそうだとか。
香港は上海との誘致合戦に勝利した結果だそうだが、
中国本土に別のディズニーランドが開業すると競争がさけられないと
懸念する向きもあるとか。

その破竹の勢いのディズニーも、ここ数年はアニメのお株を日本に奪われてしまった。
ライオンキング上映時は、手塚治虫氏のジャングル大帝に酷似していると
米国内でも疑問の声が上がり、
ついには日本の漫画家ら488人がディズニーへ抗議文を送った顛末がある。

創設者のディズニーの精神は当初の夢を失い、
なりふりかまわない商業主義に取って代わり、
高邁だった精神も失われつつあるのだろうか。

以前話題になったUSJの火薬不正使用違反だが、
発覚後、アトラクションは上演中止の指導を受けた。
しかし、アトラクションが再開された後も、
性懲りもなくまたしても火薬の不正使用が発覚した。

テーマーパークは子供が多く訪れる夢の空間である。
そこで危険な火薬の不正使用など許されるはずもないのだが、
懲罰を受けた後にも性懲りもなく同じ過ちを繰り返すとは、
まさになりふりかまわない商業主義と言える。

せめてディズニーランドだけは、
子供の夢を壊すような商業主義優先に走って欲しくない。
創設者の高邁な夢と精神をずっと守り続けて欲しいと願っているが、
この先はどうなのだろう。

ところで日本のディズニーランドは
大人のリピーターが大変多いそうですね。

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