ネット姫のつぶやき爆弾 辛口コラム


辛口コラム 第250回  適度な嫉妬心の効用

最近の新聞広告の新刊書のタイトルは「正しい恨みの晴らし方」

おやおや。

脳科学者と心理学者の共著で、科学で読み解くネガティブ感情とあります。
キャッチフレーズは、あなたの「妬みや」や「嫉妬」を脳科学と心理学で解き明かす!
売れてます! たちまち5刷と、煽りの方はポジティブ感情のようです。

今の世の中、人生の指標となるような、どう生きるべきか、
あるいは名言集などが矢継ぎ早に発刊され、それらがベストセラーになっている。
一作目がヒットすると、同じ作者による新たな本が発刊され、
またベストセラーになるようです。

さて、前述の本の売りは「この本を読めば、こんな感情から解放されます」であり、
その項目は以下の通り。

・同期の出世がどうしても許せない
・友人の結婚を心から祝福できない
・既読スルーが気になって仕方がない
・SNSで友人のリア充ぶりが気に入らない
・ゴシップネタの噂話がやめられない

世間や時代感覚から諸々がすこしばかりズレているオバサンには、
なにこれ? となりますが、今の世の中は何でもありで、
なにこれ、ではすまされないのが現状です。

項目の上から2つの感情は、古来より人間の生き方を学ぶためのツールとして、
名作にも登場したりするので、うまく使いこなせば人間の心の成長に役に立ちそうです。

適度な嫉妬心は、向上心や競争心の芽生えと共に努力が必要なことを教えてくれる側面があり、
人生には必要であると言えるかもしれませんが、
コントロールが難しいゆえに、嫉妬心を適度に保つのはあまり現実的ではないのかもしれません。

ゴシップネタを除く残りの項目は、まさに現代社会ならではのものです。
SNSに興味のないオバサンにはいかにも馬鹿馬鹿しいと思えるものですが、
若者世代だけではなく、今では熟年世代までがどっぷり浸かり、
それがすべての世界になってしまうから厄介です。

その馬鹿馬鹿しいことのために、殺人や暴力的な行為が日常茶飯事に起きているとなると、
やはり「正しい恨み方」のような教則本が必要になるのでしょうか。
何事にも通じると思いますが、今になって慌てて教則本を読むよりも(読まないよりはマシかも)、
自分の頭で考えることの大切さを子どものころからきちんと学んでいたらと考えます。
日本に蔓延している、みんなと同じでなければ落ち着けないという、自己放棄のような風潮は、
もうすこし違ったものになっていたのではと思いますが、認識が甘い?

最近の新聞の読者投稿欄に保育士の方が
ドイツのライプチヒの幼稚園を視察した時の様子を投稿されていますが、
以下はその内容です。

ライプチヒの幼稚園では、子どもたちに徹底して自分で考えさせるプログラムを実践していて、物に触れたり感じたことを自己表現できるように、子どもの力を引き出すのだという。子どもたちが行き詰ってしまった場合でも先生たちは待ち続け「今、わたしはこれに困っている。このことを助けて」と、自己表現させる。

このように辛抱強く子どもの人格形成にかかわっていたら、
いじめに遭っているとき、困難に陥ったときにどうするべきか、
誰かに相談するなり、助けを求めるなりして、取るべき道を自分で考える力となってくれそうです。

他人を嫉妬する気持ちに苦しみながらも自らステップアップする道を探りだし、
成長をする。
人生は悩みと成長が織りなすものであると思いますが、
ここはやはり安倍総理さま、教育も経済と同様にどうか血道をあげてくださいますよう、
よろしくお願い申し上げます。


HOME  TOP  NEXT