辛口コラム 第238回 執念も内容によりけり

執念という言葉から連想するのは、
韓国の日本に対する異常なまでの嫌がらせの数々。
米国に建立した慰安婦像の存在はニュース等で知っていましたが、
カリフォルニア州の高速道路に建てた巨大な「独島は韓国のもの」の看板があり、
日本食レストランの敷地の脇にも同様な看板が建てられ、その数を増やしているとか。

日本と韓国の二国間の外交問題を、遠く離れた米国の地にやみくもにばら撒く行為は、
国の品性を疑いたくなりますが、これも「恨(ハン)」の文化によるものでしょうか。

「(恨)」の著者、呉善化氏によると
<「恨(ハン)」とは、何かを達成できなかったとき激しく恨んだり、自ら不幸を嘆く気持ちですね。日本人の「もののあわれ」がある種の諦めの境地だとすれば、韓国人の「恨」とはそれとはまさに対照的な精神です。東日本大震災の際、日本人は誰かを恨むことなく、それを受け止めているように私には感じられました。こんなとき、朝鮮半島であれば、まず自然を恨み、神を恨み、災難に遭った自らの不幸を嘆きます。事態を受け入れることなく、あくまで抵抗するのです。そこは、そういう神や自然に対して執拗に抵抗し続け、恨み抵抗心をバネにして生きていくのが人間だという考えがあります>

なぜ物事に対してそのような強い恨みを持つ国民性となったのか、
歴史を紐解くことも考えられますが、本音はうんざりで時間浪費の心境です。

一方、同じ執念でも大歓迎のものもあります。

その最たるものが、難事件を抱えて地道な捜査を担当する刑事たちの執念です。
人気漫画「黒子のバスケ」を巡る連続脅迫事件の容疑者が逮捕されましたが、
警視庁捜査1課は脅迫文が送られたイベント会社など約70社から
ホームページの約43億4900万件にのぼるログの提供を受け、
共通して接続しているIPアドレスがないかどうか調べたようですが、
それも見難いログとあっては信じ難いまさに執念です。

ログから容疑者が大阪周辺にいるのを割り出していますが、
手順として監視カメラの画像も分析しているはず。
監視カメラの画像分析の様子は以前テレビで見たことがありますが、
膨大な画像を一枚一枚確認することになり、
これも並大抵ではない執念が決めてです。

最近裁判が行われた西東京のカリスマ・ホスト殺害事件の解決には、
執念はもちろん強烈なプロ根性が存在しました。
死体がなければ殺人事件は立証できませんが、
遺体をあとかたもなく溶かしてしまった事件は世にもおぞましいものでした。

その後、事件の詳細を綴った記事を読みましたが、
容疑者はレストランなどが大量のダシをとるための煮込み用鍋に、
遺体、水、強力なアルカリ性の薬剤を流し込みコンロで煮たため、
ほとんどの肉と骨は溶けてしまった。
溶け残った骨はハンマーで砕き骨片にして浴室内の排水溝に投棄したが、
刑事たちは汚水が風呂場の浴槽からパイプ管を通っていったん汚水槽に溜まることを知り、
汚水に潜りこみ顔面の骨らしきものを掬い取った。
この骨は劣化が激しくDNAは照合できなかったが、小さなネジを見つけた。
直径わずか4.1ミリ、長さ7ミリ。
顎の骨に埋め込まれる人工歯根(インプラント)手術で使われるネジであり、
チタン合金製で溶けていなかった。

現場の汚水槽から採取した同型のインプラントネジは全国で599本流通していることが判明。
これがインプラントのネジであればカリスマ・ホストがこの家で溶かされたことの物証になる。
ネジにシリアルナンバーがついていなかったので、
刑事たちは全国の歯科医院を一軒一軒をまわり
一本ずつそのインプラントは誰に埋めたものか599人を追跡調査し割り出したという。

うーん、凄すぎる執念。
内容次第では大歓迎です。


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