辛口コラム 第237回 変わり者と呼ばれたい

「あの人、ちょっと変わっている」もしそう言われたら,
わたしはそれを褒め言葉として受け取るようにしたい。

わたしはその他大勢と同じというのはあまり好きではない。
もちろん社会生活を営んでいるからには他との協調も大切ですが、
日本ではそれが絶対とされてきたから、
異質のものを受け入れにくい社会体質になってしまった。
そういった体質こそ、陰湿ないじめの温床でもあるのに。

他から嫌われないために自己を無にして周囲に同調する。
今でもそんな光景が日常生活には少なくないはず。
わがままと意見をきちんと述べることは本来は別であるのに、
日本ではそれが混同されがちのようです。
「他とは違う」と爪弾きされないために、
自分の意見を面と向かっては言わないように心がける人も少なくないはず。

口をつぐんで「あの人は良い人」と言われるより
「自己主張の強い人」と言われて悪い人になるのは、
その風当たりの強さに負けない意志と精神力を保ちつづけなければならないから
想像以上のエネルギーを必要とします。

反面、良いこともあります。
物事を、集団というフィルターに通さない分だけ、個の視点で見ようと努力するから、
個性的な能力を必要とする分野では優遇されることもあります。

自分の意見をきちんと述べない状況は、
個ばかりでなく国にも言えることではないでしょうか。

周囲の顔色ばかりを窺(うかが)うあまりに、
国としての立場を明確に主張できないでいる場面に、
多くの国民はかなりイライラさせられているに違いありません。
他の国と歴史問題の認識でなにか摩擦が起きる度に、
新聞の投書欄に寄せられる意見の数々が雄弁にそれらの思いを物語っています。

日本も最近はようやく変化の兆しが訪れたのでしょうか?
はっきり自分の意見を述べるキャラクターが認知され
歓迎をされるようになってきたように感じますが
メディアの営業用ではないことを願っています。


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