第208回 暗雲流れてストーカー被害(植木のコンセプトその1)


隣家の植木に悩まされている。
新築に張りきっていたのかそれほど広くはない庭に、
目いっぱい多種多様な木を植え込んだ。
植えた当初はそれなりにおしゃれっぽく見えたが、
残念ながらその後のお手入れをほとんどしていない。

何年か経つと枝はそれぞれが勝手に伸び放題。
我が家の隣に小ジャングルが誕生した。

枝が自分の領内とどまっていれば周囲の平和は保たれるが、
領地に枝を張るスペースがなくなった木々たちは
当然のごとくブロック塀を乗り越えて
どこかの国のように我が家に領土侵犯を試みる。
さらに、その国の一人っ子政策で甘やかされて育った小皇帝のごとく、
自由奔放に枝を張り放題。

それらは車が命の夫の愛車の上でもお構いなし。
不気味な嵐の暗雲のように枝を這わせてきたのちには、
磨いたばかりの愛車のボディに枯れ葉の雨をベタベタと
まんべんなく降り散らす。

夫は外面をいい人に保ちたくて、ひどい癇癪持ちのくせにひたすら堪え抜く。
そのうっぷんを妻に丸投げして晴らそうと八つ当たりするから、
ついに家庭内紛争まで勃発。

迷惑この上ないというのに他の植木たちも一斉に加担して、
我が家の庭の芝生を枯れ葉の海に一変させる。
毎日掃いてもきりがないから心底腹が立つ。

お隣さんとは日ごろからコミュニケーションが出来ているので、
以前、遠慮がちにお願いしたら越境分を切ってくださった。

しかし、木は生き物。

すぐにまた元の状態かそれ以上になっている。
それでもお隣さんは知らんぷり。

それはないよなぁ。

一度お願いしたのだから同じ状態までのびて来たら、
また切ってくださるのが世間のジョーシキだと思うけれど。
二度目からはもう頼めないから、切ないの。

せめて我が家は、人のふりみて我が身に言い聞かせているので、
たった二本植えた葉の落ちない木は、
家の主の背丈になったところで必ず剪定をしているせいか、
見た目は植えた当初と印象がほとんど変わらない。

この方がさっぱりして見た目もきれいだと思うけれど、
お隣さん、いかがかしら?

ついでにもうひとつお願いがあるの。
我が家との境目のフェンスの内側の雑草もたまには抜いてみてね。

この夏の猛暑の最中にエアコンの効き目がいまひとつ。
原因を調べるとお宅の雑草のツルが我が家の室外機に無断侵入して、
ストーカーみたいにシツコク絡まっていたの。
モチロン、お宅の室外機にも入っていたわよ。

調子悪くなかった?

お互いに気を付けましょうね。


動かぬ証拠写真


ついでに市中見回り中に


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