第190回  バージョンアップは、イヤなの

お役所の広報の内容や、社名やビルの名前に横文字を氾濫させるのは、
日本人の欧米劣等感まる出しで、あまり好きじゃないけれど
企業が矢継ぎ早に繰り出すバージョンアップの内容も好きになれない。

そういった企業に限って、エコエコってわざとらしくさえずり、
コンセプトがスクランブル状態でイヤらしいから。

もちろんソフト関連の無料のバージョンアップなら大歓迎。
なんたってタダだもの。

企業が売り出す商品とやらのバージョンアップって
ひどくない?(注:尻上がりで発音)

新機能をたくさんくっつけるのが使命らしいけれど、
マニアならともかく、普通の人はあまり使わないようなものばかり。
お金をたくさんむしりとろうって魂胆がみえみえで、
万年初心者は迷惑を被っているわけ。

万年初心者だけじゃないわよ。

合理主義の欧米なんか不必要な多機能よりも
シンプルで使いやすい安価な商品を好む傾向があるっていうから、
日本商品は、日本に特化しただけものになっちゃって、
ガラパゴス化なんて揶揄されちゃうのね。

はるばる本家のガラパゴスを訪問したけれど、
固有種の貴重な動物は人間をぜんぜん怖がらないし、
野生の人懐っこいアザラシやら鳥はとても可愛かったわ。

彼らは、自分たちの故郷の名前が遠い異国で
自虐的に使われているのを知ったらショックを受けると思うの。

以前、テレビで、某トイレットメーカーが
ウオシュレット・トイレを米国へ売り込む様子をリポートしていたけれど、
便器の横に大げさな装置がくっついた例のやつ。

そのデモンストレーションを眺めていたアメリカ人の反応は
ひどく冷ややかで軽蔑的だったわよ。

「用を足すのに、そんなに面倒をするわけ?」
「やってられないよ」

ウオシュレット・トイレは米国が発祥の地なのに、
母国での普及率はたったの1%よ
一方の日本では40%を越えているそうよ。
当時に比べたら、今はもっと多くなっているはず。

今使っているパソコンの〇スタではひどい目に遭っているの。

パソコンが壊れたとき、ちょうど〇スタの発売時だったのね。
どうせXPだって満足に使いこなせやしなかったんだから
XPでいいじゃないと思っていたら、だんなさまが横から口を挟んで
お節介をやってくれたの。

「これからパソコンを買うっていうのにXP? バッカじゃなーいの」

わたし、素直な性格だから、〇スタを買ったわよ。

そうしたらどう、ワードの記憶機能がなくなっちゃって
信じられないヘンな誤変換(五返還だってさ! 北方領土は四つだよ、ひとつオマケかい?)
ばかり多くなって、これじゃ、バージョンダウンでしょーが。

それだけじゃなかったのよ。
使っていた画像処理ソフトやビルダーは
最新版でないと使えなくなっちゃって、その買い替えで大出費。

もともとビルダーは、最低限の機能だけでしのいでいたの。
(それしか使えなかった)

画像処理ソフトも、サイズの縮小と明暗の調整くらい。
(それしか使えなかった)

かつ、これらのソフトはかなり高額。

まったく使うことのない不用な機能を満載した高額ソフトを
買い替える時の無念さをわかってちょうだい。

バッカなのはどっちなのさ!

今でもときどき、パソコンが調子悪くなると毒づいているの。
「お前は〇スタじゃなくて、性悪女のブスダね」って。

けっこう執念深いたちだったのかなぁ。

わたし、バージョンアップよりも、バストアップしたい?!
もう年頃だから・・・いえ・・・年だから・・・

ちょっと、「頃」を入れるだけで年が若くなるっていうのは
どういうわけ?

脱線!

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