第188回  坊主頭バカ騒ぎの仕掛け人、出て来なさい

テレビの画面に、突然若い女の子?(21歳)の坊主頭が出現。
それから滝のような涙も流した。
訳がわからないまま、若い女性の坊主頭を眺め入ったが、
案外似合っていて可愛らしいと思った。

坊主頭は頭の形がよくないと似合わない。
AKB48のメンバーの女性の頭の形は美形だなぁと、変な方向で感心したが、
違和感は残った。

そもそもアイドルグループには興味がないが、
ニュースや報道番組を見るたびに坊主頭の同じ映像を見せつけられ、
異常ではないかと感じた。

坊主頭の原因は男性グループのひとりとお泊りしたとかしないとか。

それで坊主頭?
それでこの大騒ぎ? 

そんなことどっちでもいいことじゃん、と
今どきの若い人はそっぽを向かないのだろうか。
向けたら大したものだけど、向けないわよね、きっと。

自由恋愛の国で、若い者同士の恋愛ごとに首を突っ込んで大騒ぎとは、
日本はあいかわらず平和ボケだなぁと感じた。

騒ぎに輪をかけたのは<若い女性が坊主頭>というインパクトの強さにほかならないが、
今問題になっている<イジメ>に結び付けたものが多く、
当初はそちらの関係がクローズアップされ、騒ぎに輪をかけたようだ。

最初に坊主頭を見た時点で「所属事務所の宣伝効果を狙ったヤラセではないの」と感じた。
後から調べたネットのアンケートも80%がそう感じたようだが、
アイドルにこの手のスキャンダルはご法度のはず。
事務所は総力をあげて隠す側ではなかったのか。
動画サイトにアップして大公開とはいかにも不自然である。

当人はお詫びのつもりで自分で剃ったと証言しているが、
その後に出て来たのは単独で剃ったとは思えない不自然な内容である。
事務所が所属タレントに命じたなら、
若い娘の命でもある髪をそり落とさせる行為は<パワハラ・イジメ>そのものである。
女性はメンバーに残りたいために「髪を剃って許されるなら」と
事務所の処置に従った可能性も否定できない。

腑に落ちないのは、当人が坊主頭の姿でAKBの他のメンバー数人とふざけ合い、
満面の笑みではしゃぎ、ダブルピースのサインをカメラに突き出している画像である。

それが同時期に出廻った。

しぶしぶ事務所の処置に応じたなら、若い女性の坊主頭のショックは相当なもので、
無理をしてショックを隠そうとしても沈みがちになるのが普通。
それが満面の笑みである。
今どきの若い女性でもこの変わり身の早さに不自然さが残る。

それを思うと、事務所と取引があったと思わざるを得ない。
所属事務所とタレントが取引をしたとあればこれは「イジメ」には当たらない。
坊主頭の満面の笑みがショックを超える何かを当人にもたらすと保証している?
降格された当人は絶対にメンバーに復帰したいと強く望んでいたと言う。
或いはほとぼりの冷めた頃合いを見計らって復帰宣言を果たし、
そこでまた話題を煽るつもりなのか。

AKBのプロモーションの展開方法は以前から話題(問題)になっている。
最近はゴシップを提供し、アイドル集団らしくない宣伝方法を駆使して
なりふりをかまわなようでもある。
利用できるものは何でもの姿勢は、
アイドルに寄せるフアンの思いを打ち砕くものでもある。

しかし今回の報道は妙だった。

この手の話題は格好の餌とばかり、徹底的に追い回して暴くマスメディアが、
なぜか第一報の後は、あっという間に鎮静化してしまった。
今後の取材を考慮し、当代第一の人気者を抱える事務所に配慮したのか?

今回の坊主頭はアルジャジーラまで映像を流した。
英国の放送は「イジメ」につなげて否定的なコメントを出している。

柔道の体罰問題が世界を駆け巡った時期に、またしてもこの事件である。
日本が世界中から奇異の国と見られるのは当然のこと。
各国のコメントを総括すると、
日本の国に対するイメージがマイナスに捉えられているのは否定できない。
日本国民としてとても恥ずかしく、怒りを感じた。

今回の騒動は、AKB側は映画公開、
相手の男側はCD発売イベントというタイミングで起きているようだ。

いやらしいと思った。

宣伝のつもりが余りに反響が大きくなりすぎ、
それもマイナスの反響とあれば対策を講じる必要があったのか、
早々に動画が削除された。
それで幕引きを図ったつもりでも、
コピーは世界中を駆け巡って、今も日本の恥を晒し続けている。

この事態の関係者は表に出て、世間を騒がせ日本のイメージを貶めた責任を
きちんと謝罪すべきであった。
当人や事務所の思惑を超えて、このタレントの名前は世界中に知れ渡った。
事務所はやはり「してやったり」と思っているのか。

立て籠もりの凶悪犯に、警察はマイクを向ける。
「凶器を捨てて、直(ただ)ちに出て来なさい」

なりふりをかまわない仕掛け人に、わたしも言いたい。
「頭を丸めて、直(ただ)ちに出て来なさい」


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