第158回 白馬の王子さまはどこに?

今、韓国でも「婚活ブーム」だそうである。
新聞記事によると非婚、晩婚化が進む韓国で、
日本で流行している「婚活」の言葉が、昨年からメディアに溢れているとか。

言葉の流行をきっかけに、結婚情報サービス会社の講座には申し込み殺到、
出生率向上にも一役買うと、職員が婚活支援に乗り出す省庁も出ているという。

わたしは「婚活」なる流行語を作った人の名前は知っているし、
その意味が「より良い結婚を目指して就職活動をするように結婚活動に励む」の
意であると、それとなくわかっているけれど、
日本の婚活ブームはなにか腑に落ちないので念のため検索した。

「婚活」での表示件数はおよそ2500万サイト。
「積極的に結婚相手を探す本格的な活動。有料の相談所に登録したり、
 見合いを重ねたり、組織的・ビジネス的な活動。自然発生的な恋愛から
 結婚との流れと一線を画し、相手の収入や生活力などが重視される傾向が高い」
 などといろいろ出てきた。

わたしが腑に落ちないと思った理由は、
男女ともにこれまで「婚活をする」にはほど遠い生活をしてきたのではなかったかと、
疑問を持ったからです。

女性の非婚や晩婚は、女性が独身時代の優雅さを維持したい非婚願望が強く、
また結婚するにしても迷いながらギリギリまでその時期を延ばすので、
晩婚化が進んだものと思っていた。

男性にしても、女性に対して神経を使ったり精力をそそぐことよりも、
自分の好きなことをして過ごすことを選ぶ傾向がある「草食化」現象が、
非婚、晩婚の原因であるように思っていた。

日本の最近の婚活ブームは、
前述したように社会情勢が非婚、晩婚化に向かっている中で、
一方では婚活なる流行語が生まれ、
「結婚することに熱心な状況」が生まれていることが、
なんとも腑に落ちないと思った理由だけれど、
昨今の不況と関係があるのではないのかと思うと、
それなりに納得できる部分もある。

婚活は女性に限ったことではないけれど、
男性が相手に求める結婚の条件「優しい女性」は不況には関係がないが、
女性が結婚条件にあげるのはまずなによりも「経済力(お金持ち)」。

女性たちはバブル時代は自身が経済力もあり、
仕事の充実や贅沢が永久に続くものと思えばこそ、
「独身のまま生涯楽しくやっていく」と思っていた。
昨今の不況で会社でも生活でも不便を感じるようになると、
急に先行きや老後のことに目を向けるようになったのか。
若い女性は職選びもままにならない状況だから、
条件の良い男性を見つけて早く結婚生活をしたほうが得策と、
宗旨替えをしたということなのか。

実際、最近は若い女性が結婚後には専業主婦になりたいと願う傾向が多いとの
統計が示された。

韓国の女子大学生が
「不況で就職が難しく、結婚で安定した生活を手に入れたい」
と、堂々と語っているように、
女性側の望みは、好景気のときは仕事や私生活に満足しているから
一生結婚したくないと思い、
不況に陥ると、安定した生活を得るために「婚活」に励むという
構図が浮かび上がる。

つまり女性側の都合で、結婚の状況がコロコロ変わるということにもなるが、
そのときすでに男性の方が、
「わがままな女性と厄介な結婚生活をするよりも一生独身でいる方が気楽」と、
草食系に走ってしまっているという現象は皮肉である。

結婚を愛情よりも損得勘定で考える帰結として当然と思うのは、
旧い結婚観を持つオバサンだから?

女性の夢はいつだって「白馬の王子さま」を夢に描いているはず。
だから世間では〇〇王子さまなどの王子さまを濫造しているけれど、
運命の王子さまなんてそうそういるはずがない。

もしいたとするならば、それは心がけの良い女性のもとに走るのであって、
ご都合主義の女性のもとには間違っても現れないことになっている。
その例は小さいときによく読んだ童話のお姫様物語にたくさん出ていたけれど、
覚えている?

王子さまは「自分で育てるもの」という覚悟で望んだら、
きっとすてきな結婚ができると思うのだけれど。


HOME  TOP  NEXT