全日OBOG会in東海〜なつき生演隊史上最悪のピンチ!?(その1)


「なつきさぁ、今回もOBOG会のルポ書くんでしょ?だったら俺ん家での泊まり込み合宿の話、たくさん書いてよ」

−えーえ、存分に書かせていただきますとも教授様(笑)。
 つうわけで今回もまた拙い駄文をお届けさせていただきます。名付けて

「全日OBOG会in東海〜なつき生演隊史上最悪のピンチ!?」

”4年ぶりかぁ。ここに来んの”
 JR名古屋駅桜通口の高島屋前の吹き抜けになった天井を見上げ、あたしはふっとそんなことを考えていた。

 本日は平成15年1月11日土曜日の午後1時55分。現在あたしは名古屋にいます。北海道の新千歳空港を飛び立ったのが午前11時10分で今その時間だから、ちょうどいい頃合いです。飛行機で旅をすると、だいたい朝イチの便で新千歳を出て午前中には目的地に着いてしまうことが多いあたしにしてはゆったりとしたタイムテーブルといったところ。
 んにしても名古屋空港に着陸して荷物を受け取り、名古屋市内行きの特急バスに乗り込もうと外に出た時はびっくりしたね。だって雪がないんだもの。
”え、うそ……?”
 まあよく考えりゃ当たり前か。北海道より1000km近く南なんだし。でも生まれも育ちも札幌で大学も弘前で、雪と常に縁が深かったあたしには雪のない1月なんて想像できなくて。まあそれはさておき。
 そんなわけであたしは今、こうして名古屋にいるわけだけれど、実は今日の最終目的地は名古屋ではなく愛知県岡崎市なんです。なぜかというと、今夜は「合宿」だからね。ここにキャオさんご一家の新居があるので(しかも一戸建て)生演隊メンバーはキャオさん邸で泊まり込みで練習して明日に備えるのだ。とっても楽しみ。
 で、待ち合わせなんだけど、今回はいつものようにメンバー全員が決められた時間に一カ所に集まるってんじゃなくて、移動かたがた少しづつ合流しようってことになりました。具体的には名古屋駅集合組(17:30。キャオさん、村重さん、あたし)と岡崎駅組(18:30。つくいさん)の二手に分かれてまして、とりあえずはそれまでヒマ。

 なので、名古屋に着いたらやはり観光っつうことで、財布やケータイといった身の回りのモノをギターシンセ(※1)の入ったバッグに詰め替え、ギターとキャリーバッグを手荷物一時預かり所に預けました。そして駅のコンコースに戻るとあたしは、高島屋のショーウインドーに自分の全身を映して”お出かけ前チェック”
 服はフツーのGジャンにやや細目のストレートのGパンなんだけど、ギターシンセの入ったこのバッグってなんか、PCの入ったバッグに見えるかも。もしかしてあたしちょっと知的なおねいさんに見える!?でもよく見りゃバッグにはでっかく「Roland」って書いてあるから、見る人が見ればPCバッグじゃないのは一目瞭然なんだけどね。
 そんなわけであたしは名古屋駅のスタンプをひとつ、持参したスタンプラリー用(※2)押印用紙にぽんと押すと、勇ましく名古屋見物に出発!

(※1)ギターシンセサイザーの略。キーボードタイプのシンセと同じく、こいつを使うといろんな音を出すことができます。ピアノの音とか打楽器の音とか効果音とかね。ただ、実際に音を出すにはギターシンセをただ楽器に繋ぐだけではだめで、ギター本体にさらに専用ピックアップを付けなければならないんですね。でもその話は後にします。
この中にピアノとかいろいろな音が内蔵されている
 
 って、ほんとは名古屋観光に出かける前にウインズ名古屋に寄って自分の馬券と父親の分の馬券を買い、あたしは何ひとつ当たらず撃沈したのにうちの父親はただ一つ買った三連複の一点買いを千円ぶち当てるという快挙を演じて、あたしのケータイに電話を入れてえんえん自慢話を語り続けるというひとコマもあったのだが、それはさておき。

 気を取り直して名古屋観光です。地下鉄東山線に乗って伏見駅に行き、まずは「でんきの博物館」へ。
 読んで字の如くここは中部電力が運営している博物館で、電気が私達の生活にどのように役立っているかという説明のジオラマに始まり、ウナギの発電実験とか風力発電に使うプロペラの実物大模型とか、けっこう興味深い展示物がいろいろとございました。なんだけどご想像の通り、中にいるのはほとんど家族連れとカップル。あたしみたいな若い女一人で来てるのなんていやしない。で、ここもまたスタンプラリーの対象になっているのでスタンプを押すのですが、ここのスタンプってば誰でも手に取れる、みたいな場所にはなくて、都度受付のおねいさんに言って出してもらうんだよね。
 −ええ、出してもらいましたとも。恥を忍んで。
「スイマセン、スタンプ押したいんですけど……」
消え入りそうな声で受付に言うあたし。しかもそういう時に限って後ろにぞろぞろとスタンプ押しの小学生が並ぶしさ。ああああたしは小学生と同レベル。くつぢょくだ〜f^_^;のりおさまと風太さまってば、どうしてこんな企画を……
 はっっ、もしかしてそれがお二人の戦略か!?このくつぢょく感を味わってもらいましょうという(笑)

(※2)この全日OBOG会in東海における企画のひとつで、実行委員が指定した名古屋名所20ヶ所のスタンプのうち、何ヶ所のスタンプを集めたかによって、パーティー代が割引になったりコンパ一次会のお金が無料になったりするというもの

 しかし、いざスタンプをもらって博物館を出、近くの白川公園のベンチに腰掛けて噴水をぼーっと見てると、なんだか奇妙な満足感を感じてしまった。
”あたしは恥じらいを捨ててやれるだけやったんだ!”
みたいなふっ切れたすがすがしさが。
 そして、馬券がハズれたこととかその他もろもろの憂鬱事なんて、取るにたりないことの様に思えて来た。
”馬券でスッたことがなんだ。あたしにはこの後二日間にわたって極上の楽しみがあるじゃないか”
 そんなことを考え、あたしはぽんと立ち上がった。そして、白川公園内に併設された名古屋市美術館と名古屋市科学館に行ってそれぞれスタンプを押すー
 これで4つか。あとひとつどこかのを押せばパーティー券100円引きなんだけどなーどこ行こうかなー……あーしまった!名古屋空港で押すの忘れたよ。でもあの時は名古屋行きのバスの時間が迫ってたし、第一あれだけの荷物を持ったままスタンプのある所まで移動なんてする気になれなかったもんなー。
 でもこの時すでに夕方五時近く。キャオさん&村重さんとの待ち合わせまであと30分あまり。今からもう一カ所行ってる時間はない。ええいもういいやこのまんまで。割引は別にして、旅の思い出としては4つも集まりゃ十分だろ。
 てなわけであたしは早々に伏見を引きあげて名古屋に戻った。そしてさっき”お出かけ前チェック”をした高島屋前の吹き抜けの花壇(←造花です)そばに座り込む−
”今日はあたしにしちゃ珍しく時間厳守だなぁ。”