打倒 コントラバス!(その4)
12月11日
 今日は前日にボーナスが出た上に仕事が休み。そんなわけで、(いずれは買うはずの)ジャーマン弓を納める専用のケースを買いに行くことにする。いちおうコントラバスのケースにも弓を入れるポケットはついているのだが、それは弓をはだかで入れることを前提にした作りになっている。弓をむき出しで入れるのはちょっといやなので、専用のケースを買うことにしたのだ。今使っているフレンチ弓を入れるケースもほんとは欲しいのだが、ま、そちらはいずれ。

 閑話休題、ケースにもいろいろあって、6000円くらいのから2万円を超えるのまで様々である。それらの中であたしが買ったのは13000円のもの。ショルダーストラップと手提げの持ち手がついてて便利である。
 それで買った後、弓ケースを肩にしょった姿をショーウインドウに映してみたのだが、うーん、いったい何を持って歩いているのかわからんやね(笑)。ゴルフのクラブか?それとも釣竿?んなわけないって(ちなみにケースのサイズは84×9×2.5cm)。

12月15日

 久しぶりにあたしがコントラバスを買った楽器屋さんに立ち寄ってみた。んで、例の階段の踊り場を見てみると、くだんの68000円のコントラバスがまだ陳列されている。”ほ〜う”
なんて思いながら近づくと、よく見りゃ
”売約済。Y田様”
の札が。
”あたし以外にもコントラバス欲しがる人いたんだなぁ”
と、なんか妙に嬉しかった。

12月23日

 今日は有馬記念。しかしタテ目をくらって惜しくも負けた。エビナのあほー(蛯名騎手のファンの方ごめんね笑)。
 しかし、競馬に勝っても負けても楽器屋に行くのは既定のコースだったので(そのためにくだんの弓ケースを持って競馬場に来ていた)、有馬が終わった後楽器屋さんに寄った。

「こんにちわぁ−。今日は弓を買いに来ましたー」
 お目あての弓は、ヘルナンブコと黒檀(別名エボニー。ピアノの黒鍵によく使われる木材である)のコンビ使いで5、6万クラスのもの。初心者に毛が生えた用としておススメと本に書いてあった。ちなみにプロの使ってる弓もこのコンビ使いがほとんどである。だが、同じヘルナンと黒檀使いでも、プロ仕様の物なら30万を超えるのはザラ。一方、安いものならブラジルウッドにプラスチックのコンビ使いで3万くらいからある(※ブラジルウッドよりヘルナンブコの方が高級とされている)。だけどま、あたしはあくまで趣味でやってるし、でも、あまりに安すぎるのはイヤ。5、6万となるとちょっと値は張るが、ヘルナンと黒檀使いとしては一番安い部類に入るし、それにしよ。
 てなことを教則本やカタログを見て考え、いよいよ本日買う決心をしたのであった。そこで弓を出してもらい、店内にあるコントラバス(55万円也。しかしチューニングはやはりぐっちゃぐちゃ笑)を借りていろいろさわらせてもらった。

「こちらはアトリエ・サルド社の弓で6万5千円。弓のブランドとして有名ですよー」
「こちらは4万円。ブラジルウッドでできています。」
 6万5千円かあ。ちょっと赤字っちゃうなあ。かといって4万の弓は音的に納得できないし・・・
 と、その時
「こちらは如何でしょう?ヘルナンに黒檀使いで3万円です。」
「え?ずいぶん安いですねえ。その素材で作られた弓なら安くても5、6万は見とけって本に書いてあったんですけど・・・」
「ええ、中国製の弓なんでね。いわゆるブランド弓ではないですけど、モノに間違いはございませんよ。」
 また中国製かい(笑)。安さのキーワードはどうやら”中国”のようである。
 それにしても同じ素材使いで値段が3万も違うというのは何だ?その3万はブランドのロゴ使用料か(笑)? そういえば昔、バンドサークルでプラダのバッグを持って来た子がいて、それを見てサークルで1、2を争う口の悪い男が
「そのプラダのバッグ、本体が5万円だとしたら材料費なんて5千円くらいっすよね」
なんて言って、その子に怒られていたが、(そこまで極端でないにしろ)近いものはあるかもしれない。

 話を戻すが、さっそく中国製の弓をさわらせて弾かせてもらった。まあまあ納得のできる音だったので、こいつを買って行くことにする。
 この店でだけ通用する10%割引券を持っていたので、早速使わせてもらった。税込みで28350円也。
 とその時、
「今3000円お買い上げごとに一枚スクラッチカードがひけるキャンペーンやってまして、運が良ければ1万円分の商品券が当たりますよ」
とすすめられたので、9枚ひかせてもらった。しかし、全部ハズレ−
クジ運ないのかあたしは(笑)

12月29日
 ちょっと気が向いたので、いったんコントラバスをケースに納めて持ち歩く実験をしてみよう。

 まずコントラバスを床に寝かせて、カバーをかぶせてチャックをしめ、ネックの所についてるヒモをしばってショルダーストラップを伸ばして肩にかつぐ−

 あらよっと!
 ふぎゅっ!


 あまりの重さにへたりこんでしまった。
 いってえ〜。腰にもくるが、肩へのクイコミが特につらい。ほんとにこんなん弘前に持って行けるのかぁ?すげえ不安・・・

1月3日

 正月休みの間家に戻って来ていた妹が、今日アパートに帰ることになった。
「お姉ちゃん私の部屋物置にしないでよ」
「物置だなんて人聞きの悪い。楽器ルームって言ってよ。」
などとお互い悪態をつきつつ、それでもまんざらでもない様子で正月の間、あたしの楽器達をさわりまくっていたようだ。特にコントラバス(笑)。あんなもん個人で持つ人間なんてそうそういないしな。

 んで、妹が帰った後、久々に練習を再開するべく部屋に入った。すると
”ん?”
加湿器がつけっぱなし。
”あんだよだらしないな”
と一瞬思ったが、よく考えたら
”家に帰ると、楽器を保護するために、着替えるより前に加湿器をつける”
てな話を妹にちらっとしたんだっけ。あたしはそのことコロッと忘れてたけど(笑)、妹の方は覚えていてくれて、あえてつけっぱなしにしてくれたらしい・・・
ありがとう。あんたいい人だ。

1月7日

 いよいよ明日から入院。しばらくこいつともお別れかあ。

 仕事から帰ってコントラバスを弾きながらそんなことを考えると、なんだか無性にさびしくなってきた。

 あたしがいない間、部屋を乾燥させないように、加湿器をセットするか水を張ったボウルを楽器のそばに置いとくよう親にお願いしとかなきゃ(それより自分の足の心配しろって)。それでは約2週間、さらばコントラバス−
※音楽の用語や楽器の細部の名称に関しては、なるべく専門用語を使わず、わかりやすい言葉を使うよう心掛けて来たつもりですが、それでもいくつか使ってしまった部分がありますね(駒とかテールピースとか)。ほんとはコントラバスの細部の名称とかも図解で載せたかったんだけど、そこまでの技術がないもんで・・・ごめんなさいm(__)m。そちらについてはまたの機会ということで。

 最後に、こんな長々とした日記に付き合ってくれてありがとうございます。
 これを読んでコントラバス−あるいは音楽全般に興味を示して下されば大変嬉しいですし、また、もしかして次回のアフターファイバーを見に来たいななんて思って下さる方がいらっしゃれば、これにまさる喜びはございません。ご意見・ご感想etcお待ちしております。
  byアフターファイバーもとぢめ なつき・・