鉄十字の騎士

ゴードン・ウィリアムソン著
(掲載基準がよく分かりません)

ある意味最も有名な勲章の一つであるドイツ騎士十字章の受賞者達の略歴を年毎に数人取り上げて紹介している本です。
これを読んでいると、大戦初期は受賞者のほとんどが高級将校で受賞者の数もそれほどでもなかったのが、戦争が続くにつれ 下級将校、下士官までもその範囲に含まれていくのがよく分かります。

そして大戦後半になるほど受賞理由の活躍がやたらと超人的なものになってくるのも負けかけた国というのを実感させてくれます。
いまいちどういう基準で選ばれたかよく分からない紹介されている受賞者達ですが、その経歴や受賞理由を読んでいると時折 とんでもない人がいるのが面白いです。
俺的に一番のヒットだったのは捕虜収容所に自分の身代わりのダミーを置いて点呼の目をかいくぐり、イギリスからドイツに戻って しまったアレクサンダー・ウーリッヒ上級曹長ですね。

ダミーのおかげで脱走が3日間ばれなったというのは笑えました。

また、こういった受賞者達の紹介以外にも騎士十字章自体の解説(形状、デザイン)などが事細かに記述されています。
騎士十字章を受賞した際にもらえる勲記(通達の書類)がやたらと豪華なデザインなのは驚きでした。
羊皮紙を使い、手押し文字で印刷して受賞者氏名は金箔で。さらに元帥級の受賞者には特製のフォルダーまで付いたそうです。
戦争中の混乱で勲記を受け取れた人はそれほど多くなかったようですが。

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