アントニー・ビーヴァー著
(やけにマンシュタインに厳しいです)
言わずと知れたスターリングラードの戦いを1942年のドイツ軍のスターリングラード攻撃開始から
1943年のドイツ第6軍の壊滅まで通して描いています。
特にどちらの陣営に傾くことなく公平を期した記述はなかなかです。
ソ連軍の回復力は本当に凄いです。ヴォルガ川の河畔に追い詰められながらも大損害を出しながらの渡河補給で
何とかスターリングラード市内に地歩を保ち続けるのですから。
終盤、完全包囲されたドイツ第6軍の極貧ぷりは涙を誘います。食べ物はない、弾薬もない寒い、傷を負っても
ろくな治療が受けられないともうまさに末期戦の雰囲気満点です。
また、5万人以上のソ連人がドイツ軍に加わっており、そのなかにはドイツ軍の軍服を着て戦場に立った者すら
いるという驚きの事実が紹介されています。
俺はドイツ軍に加わったソ連人がいたというのは知っていましたが、まさかそこまでの数だとは思っていなかった
のでびっくりでした。