「お前の喜ぶ顔が見られることが幸せだよ」

母親はにっこりして言いました。やさしい

母親の顔です。

「しかしせっかくお化粧したのに、やっぱり

ゆうれいじゃあ怖がられちまうね」

母親は今度は少し悲しそうな顔で言いました。

発明家は機械の入り口を開けると言いました。

「母さん、父さんのところへ戻れよ。

こんなことしてお金持ちになってもちっとも

うれしくないよ。おれやっとわかったんだ。

今度は人間もゆうれいも誰もが喜ぶような

発明をするよ」

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