発明家は自分の親を見せ物にするのはあまり気が

すすみません。しかしお金持ちになりたいという

気持ちのほうが強く、明日から見せ物を始めることに

しました。
あくる日、まもなく見世物が始まろうというとき、

機械の中からパタパタという音が聞こえてきました。

発明家が中をのぞくと、母親はお化粧をしていました。

「もうすぐ始まる時間だろ。すっぴんじゃあ

恥ずかしくて人前には出られないからね」

 母親はそう言うとまたお化粧を始めました。

『本物のゆうれい見られます』と書かれた

看板を見て、ぞくぞくと人が集まってきました。

ゆうれいを目にした人たちは皆背筋がぞくっと

しました。

次へ