「ねえ、そのビクビクしてた子って何歳
くらいだ?」

「そうだなあ、たぶんおいらたちと同じ
十歳くらい。男の子だぜ」

「その子のうちにつれていってくれよ!」
 トン吉の目が輝きました。何かたくらんで
いるようです。

「いいけどどうするつもりだ?まさか驚かす
わけじゃないだろうね?それはだめだぞ。
決まりを破ったらどうなるか知ってるよね?」

 ジンベイは不安そうな目をしています。
「わかってるよ。まかせとけって」

 その夜ふたりは男の子が住む家に行きました。
おばけは光が苦手です。だから活動するのは
夜になるのです。


 
家の中は真っ暗。もうみんな眠っているようです。
トン吉は、おばけは怖くないのだということを
その子にもわかってもらえれば、きっと友達になれる
と考えていました。友達になりさえすれば、おばけが
人間に姿を見せていることも秘密にしてくれるはず
だし、ほかのおばけにばれることはないでしょう。

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