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どうしようかと考えていたペペロの耳に、
とつぜんキャーというリボンのひめいが
飛び込(とびこ)んできました。

「ど、どうしたんですかい」
  リボンはまどの外(そと)を指(ゆび)さし
ました。そこにはピカッと光る二つの目が
ありました。

「野良犬(のらいぬ)よ、わたしのお父さんと
お母さんを殺(ころ)した!」
リボンのその言葉にはおそろしいながらも、
強(つよ)いいかりがこもっていました。

「あなたのご両親(りょうしん)はあいつに
殺されたんですか。ちくしょう許しちゃおか
ねえ!」

  ペペロの言葉にもだんだんいかりが込み
上(こみあ)げてきます。

「だいじょうぶです、わたしにまかせておきなせい」
  野良犬はウウーッ、ウウーッとするどいきばを
つきだし、おそろしいうなり声をあげています。
そして地面(じめん)の土(つち)をザクッザクッと
二、三度つめでひっかくと、小さな家めがけて
突進(とっしん)してきました。リボンは思(おも)
わず両手(りょうて)で目をおおいます。