一週間が過ぎ、お父さんが車でおばあちゃんを連れて来ました。 「知香ちゃんこんにちは。今日からどうぞよろしくお願いします」 おばあちゃんは深々とおじぎをしました。手には何かの植物の鉢植えを大事そうに抱えています。知香はちょこっと頭を下げただけで何も言いませんでした。 おばあちゃんは今まで一人暮らしだったということもあり、家族が三人増えたことに対し、とてもうれしそうです。しかし知香の態度に、ときおりさびしい顔をみせることもありました。 しかたないじゃん、私とおばあちゃん、合わないだもん・・・ |
それからしばらくしたある夜、みんなが寝静まったころ、大きな地震が知香たちの住む町をおそいました。お父さんとお母さんは急いでおばあちゃんの部屋へ向かいました。 「おばあちゃん、大丈夫ですか!」 お父さんが大きな声で叫び、部屋に飛びこみました。 「ああ、大丈夫だよ」 おばあちゃんは腕に何かを大事そうに抱えながら、部屋の真ん中にかがんでいます。それはあの植物の鉢植えでした。なんでそんなに大切にするのだろう?みんなは不思議に思いました。 |