「いたいよう、いたいよう」
 しんちゃんは左の手をほっぺにあて、
右の手は、ママに引っぱられながら
歯医者へと向かう途中です。
「ちゃんと歯をみがかないからよ!
もうすぐ楽になるから我慢しなさい!」
 ママはまゆをピンとつりあげています。
「いたいよう、こわいよう」
 歯医者さんだけでなく、ママの怒った顔も
とっても怖いのです。しんちゃんは痛くて
泣いているのか、怖くて泣いているのか
自分でもわからなくなってきました。

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