ピーピーピーピー。小鳥のさえずりでまさと君は目を覚ましました。そこは家のふとんの中です。
「うー」
  大きく伸びをしながらまさと君は先程までの帽子とのことを思い出していまた。
「帽子君との出来事は夢だったのかなあ?夢にしてははっきり覚えているし・・・」
  まさと君は頭をかしげながら、カーテンを開けました。
  ピーピーピーピー
「あ!」
  そこにはジュウシマツが二羽、枝に止まっています。一羽は真っ白、もう一羽は頭と背中が茶色くなっています。帽子の中に巣を作っていたあの二羽に違いありません。まさと君の心は、ポッと明るくなりました。
「ジュウシマツ君、ありがとう。僕の様子を見に、会いに来てくれたんだね。もう悲しんでなんかいないよ、元気いっぱいだよ。帽子君にそう伝えてね。」
  ジュウシマツはそれを聞くと、パタパタと飛んで行きました。
 まさと君は二階にある自分の部屋から飛び出すと、元気よく階段を下り、お母さんに言いました。
「お母さん、新しい帽子買ってよ!」

おしまい

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