はるちゃんは生まれつき足が弱く、ひとりで歩くこ
とができないの。だから左手でお母さんの肩をギュッ
とにぎり、右手で茶色くつやのあるつえをついて歩く
のね。今日もそうして何本もの電車を乗り継ぎ、よう
やく美術館のあるこの町にやってきたんだよ。周りの
人からすると大変だなあって思うかもしれないけど、
はるちゃんは自分の足が大好き!だってみんなよりも
歩むのが遅いぶん、いろんな景色をじっと見ることが
できるんだもの。
今日ははるちゃんの五回目の誕生日。プレゼントはね、
美術館へ行くことなんだよ。そこには、はるちゃんが大好
きな絵本の絵を描いた人の作品がたくさん飾ってあるの。
だからはるちゃんはうれしくって昨日はあまり眠れなかっ
たみたい。そんな経験ない?