夜が明(あ)けるとあっくんは走(はし)って
神社へ向(む)かいました。手にはバケツとブラ
シを持っています。神社に着(つ)くと、さっそ
くこまいぬたちをきれいに洗(あら)ってやりま
した。水(みず)は冷(つめ)たく手はひりひり痛
(いた)みますが、ごめんなさいという気持ちで一生
懸命(いっしょうけんめい)洗いました。
指(ゆび)も曲(ま)がらないくらい冷たい手に
なったころ、二ひきのこまいぬはすっかりきれいに
なりました。手は冷たいのに体中から汗(あせ)が
ポロポロ流(なが)れ出ます。
「ふー」
あっくんはひじで額(ひたい)の汗をぬぐい、その場(ば)
に腰(こし)を下(お)ろしました。