その夜(よる)あっくんは恐(おそ)ろしい夢(ゆめ)
を見(み)ました。暗闇(くらやみ)に、怖(こわ)い
顔(かお)をし、体中(からだじゅう)に絵の具がぬられ
た二匹のこまいぬが浮(う)かびあがったのです。そして
あっくんをにらみつけて言(い)いました。
「あっくん、ひどいじゃないか。こんないたずらがきをした
り柿を盗(ぬす)もうとしたり!」
あっくんはあやまりたくてもガタガタ震(ふる)えて声
(こえ)が出(で)ません。こくりとうなずくのが精一杯
(せいいっぱい)。でもこまいぬたちはあっくんの気持ち
(きもち)がわかったようで、優(やさ)しい顔になりました。