旅のノート 2

 

現代のシルクロード
「スーパーストレート」とでも言ったら良いのでしょうか、なんと74kmにも亘って真っ直ぐに伸びている道です。旅の日程とルート図で示した青海省の冷湖鎮と言う町のすぐ西から始まります。昨年(2005年)7月に開通したばかりとのことです。出発前に、青海省に入ってからどの道を進むのかを調べていたのですが、さっぱり判りませんでした。それも其のはず、古い地図では載っていなかったのです。

唯一花土溝からアルチン山脈を越えて米蘭にいたるルートを除いては、これが砂漠を走る道かと驚くほどの素晴らしい道が続いています。タクラマカン砂漠を突っ切る砂漠公路然り、パミール高原へ通じる中パ公路然りです。そして今も次々と新しい道が、ハイウエーが建設されています。お陰で私達は、クーラーの聴いた車で一日に580kmもの距離を吹っ飛ばすかとが出来ました。其の一端を見てください。
(どれかの写真をクリックしてください。移動した先のページで、順に見られます。)

進む道路建設

人海戦術

ハイウエー

速度制限

峠越え

旧道

砂漠公路

中パ公路


塔西峠は何処だ (些細なことへのこだわり)
今回の旅の説明書には「花土溝(青海省)からアルチン山脈の塔西峠(約4000m)を越えて、新疆ウイグル自治区の米蘭に向かいます」と有りました。手持ちの古い地図でも、現地チャルチェンで買った2枚の地図にもそんな名前の峠は出て来ません。
花土溝を出発して1.5時間程走った所で3200m位の峠を越えました。眼前には干上がって塩で白くなった台地が広がっています、新疆に入ったのだと思いました。走るにつれて出てきた川も、流れが完全に変わっています。確かに先ほどの峠は分水嶺だったのです。何だ4000mも無いじゃないかと思ってがっかりしていたのですが・・・。それから走るに連れて、一旦下がった私の高度計が徐々に高度を増していくのです。間違いなく登っています。そして九十九折れの道を延々と走ること3時間半、15時頃に実測で3700mの峠に着きました。ガイドさんは「3900mの老虎口峠」と言います。それからは急降下し干上がった川底を走って、米蘭にいたりました。標高4000mの塔西峠なんて出て来ませんでした。4000m近い峠は有ったが、あれは完全に新疆ウイグル自治区に入ってからでした。
峠は省境(青海省との)に有るのだと思っていましたが、どうもそうではないらしい。それにしても4000mの塔西峠が何処に有るのか気になります。ガイドさんが言った「老虎口峠」がそれらしく思えます。一寸調べることにしました。下の地図は同じ所を表しています。
峠の地図

3枚の地図で々峠を見てみました。

同じ峠でありながら、見る地図によって表現がそれぞれ違っています。そこで中国語に詳しい人に見てもらいました。帰ってきた返事が下記の通りです。
返事;文字化けするといけないので、画像で送ります。左が漢語、中央が日本語、右が発音です。
「塔西」、「塔什」、「達昔」はすべて漢語では「ダーシー」の同音です。思うに、ウィグル語への当て字なので、漢字が統一されていないのではと思います。
中国語のウェブページでは、塔什達坂が一般的でした。「沙达坂」の方は、海抜4400m、高速道路の位置の高度が3700mとありました。中国語には峠という字はないので「達坂」が峠と言う意味だと思います。
これとともに送られてきた「希少動物保護区の調査」の中国語のウェブページを眺めていたら(読めないから)、ガイドさんが言っていた「老虎口」の文字も出てきました。それより何より、掲載されていた写真が、私の撮ってきたものとそっくりでした。まずここが「塔西峠」に間違いがないでしょうね。些細なことだけど、ヤレヤレです。絵日記のコーナーで紹介しますが、凄い山岳道路でした。
これが塔西峠です。