1,旅のノート

Dear my daughters

 親父とお母さんの始めての外国旅行だった「パキスタン」を、あらためてこんな形にまとめて見ました。少々付き合ってください。

何で最初にパキスタンだったのか。

 もう40年も前になるでしょうか、「不老長寿の国フンザ」と言う本を読んだ記憶があります。その中に、カラコルムの雪山を背景にアンズの花が咲く秘境の写真がありました。それが凄く印象に残り、それ以来「何時かは」と思い続けて来ました。だから何が何でも「アンズの花が咲くフンザ」だったのです。
そうそう、フンザでは「不老長寿のおまじない」をしてもらいました。

 ヒマラヤ山脈の西の端に、魔の山と恐れられたナンガパルバット8126mがあります。またカラコルム山脈の西の方に、ラカボシ7788m、ディラン7273mがそびえています。これらが、バスの中から眺められるのです。それに、氷河が道のすぐそばまで伸びて居り、ほとんど歩かずに氷河の上に立てるのです。

 ガンダーラという言葉に、何かロマンを感じませんか。シルクロードもそうです。私の本棚には、そんな関係の本がずらりと並んでいます。この旅行のスケジュールの最後に、「出発まで、ガンダーラ文明の遺跡タキシラ、シルカップ見学」とありました。
これで決まりです。お母さんも、ホイホイ乗ってきました。

天候の事

 7〜8月が雨季ですが、北部山岳地帯は、モンスーンの影響がほとんど無いみたいです。4月の降水量は、ギルギットで、20〜25mmと書いてあります。私達が滞在したフンザの家は、天井に明かり取りの四角い窓が開けられていました。雨が少ないからでしょうね。
所が・・・・なんです。
何しろ山が高すぎます。下界の天候と上空とでは、様子が違います。
フンザで3泊しました。ここからの、ラカボシとディランの眺めを期待していたのですが、駄目。6000m位でしょうか、それより上の雲が取れないのです。トレッキング中も同じでした。5000m級はよく見えるのです。それどころか、フンザでは僅かながら、雨に遭ってしまいました。所が「人間万事塞翁が馬」、これが思わぬハプニングを起こし、私達を楽しませてくれました。
山ですか?ナンガパルバットも、ラカボシも、ディランも別の所から見る事が出来ました。

背景画 ガンダーラ文明遺跡、ジョーリアンの僧院の石垣