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日本銀行の起こり

常磐橋の東側、今の日本橋本石町に見える石造りの建物が日本銀行です。
中央の建物が日銀本店 旧館、その左後のビルが新館です。 ちなみに右側の壁は貨幣博物館です。
 常磐橋交差点から東北方向を見る。
 ←日銀のパンフレットから。 皇居側から東方を見る。


 旧館東南隅。 北西方向を見る。

江戸時代、この地は大判・小判などの金貨を作る場所で、「金座」と呼ばれていました。

明治2年、造幣局に吸収され「金座」は廃止されました。 日銀発祥の地はここではなく、
資料によると永代橋のたもとの旧北海道開拓使・東京出張所の建物を利用していたそうです。
しかし、店舗が狭く、拡張のためこの地を取得したとあります。 

日銀が土地を取得した後、金座跡地と言うことで、土砂に混じっている「金」目当ての発掘申請が相次ぎ、
記録によると一千円余り採れたとの記録が有ります。 (明治17年:米1石(150Kg)が5円でした。)


金座の歴史 のパンフレットによると
江戸時代の初期には江戸・京都・駿河・佐渡で小判師という職人が自宅で原板(原板金という中間品)を
作り、これを江戸に集め、墨書きや刻印を打って初めて小判として通用することができました。
この頃は、お金を1枚1枚数える計数貨幣と、重さを計る銀貨(秤量貨幣)の両方が流通しており、
大阪商人は後者を習慣的に使っていました。
計数貨幣は1770年ぐらいから増え始め、幕末には秤量貨幣をしのぐほどに
なったとのことです。 ですからこのような作り方で良かったのでしょう。

しかし幕府としては、これでは管理上(政治上)良くないということで、元禄(1695年)の貨幣の改鋳
(金品位を84%〜86%→57%に下げて金貨の数を増やす)を期に、江戸に本局を、京都と佐渡に出張所
を置き、鋳造は江戸で行うこととしたのが「金座」の始まりとのことです。


今の「銀座」は銀貨を作っていたので「銀座」です。
ちなみに銅のお金(まあ庶民の銭)を作っていたところは「銅座」と言いません。
「銭座」と呼ばれていたようで、江戸時代の後期には日本全国十数カ所有ったとのこと。

現在の日銀本店の建物は明治の建築の旧館(本館)と後方の新館とがあります。
明治時代の落成式の絵には運河(日本橋川?)を前景にした絵が描かれています。
旧館は明治29年完成(予定は27年:日清戦争の影響資材不足&職人不足で遅延とか)。

ルネッサンス様式も取り入れたネオバロック様式で、迎賓館(旧赤坂離宮)とともに明治の
洋風建築の2大傑作。
昭和49年、国の重要文化財となったとのこと。 予約すれば見学ができます。

  予約先:日本銀行情報サービス局広報課 03−3277−2815 9:20〜17:50。
       約1時間のコースです。 3ヶ月前から1週間前まで。


  正面から俯瞰した絵は、02年半ば〜後半の1000円のパスネットに出ていました。
 パスネットカード。

この日銀の正面に「貨幣博物館」があります。 実は上記の記述内容はここのパンフレットからの
流用です。

お金の歴史が良く判りますし、時代別に並べてあるので歴史の勉強にもなります。

まあ、早足で15分、じっくり眺めるなら1時間ぐらい。

以下入場案内
  重い扉の入口を入ると守衛がいて、入場票を書きます。 現住所の都道府県名と人数の二つのみ。
  その足で二階に上がり、ロビーとビデヲコーナーを右手に通り抜け、左の入口を入ると歴史の始まり。 

  まずは、「こうして貨幣は誕生した」コーナーから始まり、
  1:「皇朝銭のロマンと挫折」:わが国初の貨幣発行 コーナー、(和銅開珎など)
    「和銅開珎」(昔は和銅開宝と呼ばれていた)は我が国最初の貨幣とされていますが
    その裏側はどうなっているか知っていますか? ここで見ることができます。
  2:「海を渡ってきた銭貨たち」:中国銭の使用 コーナー
  3:「黄金と戦国武将の見果てぬ夢」:江戸時代幣制の芽生え コーナー
  4:「金、銀、銭を使った人々」:独自の幣制の成立 コーナー
  ・・・・・
 10:「信頼される「円」をめざして」 コーナー

と現代まで続きます。

6:「度重なる改鋳と民衆のとまどい」 コーナーでは小判がたくさん並んでいて、
  金(Au)の含有量の推移も判ります。 

  惜しむらくは「ちゃりん」という音の違いが聞けたら・・・・。

このほかテーマゾーンでは銭座の歴史、世界の貨幣、などを見ることができます。 
いまは「寛永通宝」がテーマ。 大体3ヶ月ぐらいで変更。
ほとんどは見るだけ。 で、唯一触れるのが1億円の模型(大きさ38*33*10cm:重さ10kg)。
アクリルの箱の中に入っていて、腕を穴から入れて持ち上げるだけですが。
守衛があちこちいて、多少うっとうしい(まあ、仕方ない)ですが、
一度訪れて見てはいかがでしょう。

入場無料、9:30から16:30が開館時間です。
休館日:月曜、祝日(ただし土日は開館)、12/29〜1/4 たまに臨時休館あり

 

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