2012年03月16日 ふと川の流れに目をやると、進行方向の逆側に流れている。酒匂川(実際は支流の鮎沢川)の分水嶺はまだ通過していないのかな? 御殿場駅に近づくにつれ、電車はさらに坂道を駆け上がって行く。富士山を正面に眺め、駅近くでやっと水平になった。 後で調べると、御殿場駅あたりが最高点で、三島(狩野川の支流黄瀬川)と小田原に分かれる。御殿場は、富士の伏流水が地上に出てくる地域でもあるよう。 箱根登山バスの乗車場が判らず通行中の女高生に聞くはめに。なんと富士急のバス停を間借りしているような場所にあった。 10分ぐらい時間が有るのでKTさんに荷物の見張りを頼み、車窓から見えていたSL見物に。D52−72。御殿場−三島間の急勾配を支えた名機と書かれている。山北駅にはD52−71が有るとのこと。 地元御殿場産の「汽車汽車ポッポポッポシュッポシュッポ・・・・」の歌を口ずさむ。 KTさんからの情報で、線路際にカメラの列が有ったらしく、「富士山と電車を納めるためでは?」などと適当に答えた後で、駅前の観光案内に御殿場線列車と富士の2ショット。「やっぱこれだね」と納得したのだが・・・・・。これが大はずれだったのが翌朝判る。 写真左:先頭車の車窓から 写真右:観光案内看板
翌朝の新聞に「小田急の初期のロマンスカーRSE(20000型ほか1機種)が16日で最後の運行」との記事があり、ひょっとしてこれだったのかも。特急「あさぎり」も該当するし、そういえば箱根湯本駅でもカメラの列があった。振り袖を着た方がいたので披露宴かとも思っていたのだが。 予定の8:15 バス停でたった1人で荷物番をするKTさん、お疲れさま。 10分前には50−60人がバス待ちしていたとは思えない光景。やがて20数人乗りのマイクロバスがやってくる。一日4便しかないので「やっぱりこのサイズ」との感覚で乗り込む。 乗客は我々2名のみ。途中のバス停から2−3人が乗り込んでくるがその内降りてしまう。東名御殿場インター当たりまで下り坂だが、246号を横切ると急登に。あっという間に富士の眺めが良くなってくる。 乙女峠口で2人して下車。残る客1名を乗せて千石原に向かう後ろ姿は少々寂しい感じ。 バス停前の乙女茶屋は本日休みでトイレ休憩できず。水飲み場の水を飲んでみるが味は今一。建て看板の裏側には水質検査の結果があったが、味とは別のよう。 身支度を整え、8:40登山開始。早速ドーンの歓迎有り。国道を左手に逸れ、林道を5分ほど進むと、180度引き返す方向に登山道が始まる。 霜柱の立つ道に突入。しばらく歩くと中間点の表示。575mと書いて有るが意味が判らない。歩いた距離?標高のこと? 乙女口からここまで17分、乙女峠まで16分で、中間点ではあるが標高は900m近くのはず。 疑問のまま乙女峠着は9:13。富士の見晴らし台からはよく見える。セルフタイマーでセルフを取ろうとしたが使いこなせず終い。結局雲がかかり始めた富士とKTさんのみが写る。 ススキを焼き終えた千石原を眺めつつ腹ごしらえ。霜柱が融け初めているので、ぬかるみ予防にスパッツを着ける。 昨日の野焼きのニュ−スが2題あり、「箱根では、今年はススキを焼いて害虫退治&病気の予防&新芽の芽吹き促進をした」、「渡瀬遊水池では、放射性物質拡散を懸念して2年連続の芦焼きを中止した。その結果、よしず用の芦が虫食い・病で1割程度に減り、焼け地に生える固有種の芹も1/20に減少している・・・」との話題を種に、自然淘汰だ、多様性減少だと尾根を登る。 やがて、1141mのピークに着く。このピークからほぼ北西に伸びる尾根が分水嶺だったのだがこの時はまったく気にもとめず。 ここで、ドーンの歓迎有り。実際、発生源は目と鼻の先だから丹沢以上に良く聞こえる。定刻に発射するのかと思ったが結構不規則。8:40、9:10、9:33、10:13、10:35・・・・後は記録せず。 この1141mピーク:丸岳か?いや違うな鉄塔があるはず?など話しつつ通過。少し下ると前方に鉄塔が見えてきた。更に下り、登り返したピークが丸岳。鉄塔がある。 ピークからは芦ノ湖側がよく見えるが、富士は笹の向こう。踏み跡をたどってヤブコギ(笹こぎ?)するが、ちょうど木と重なり全景が見えず。木をずらすには道無き所に道を造らないといけないので諦め。 丸岳からの芦ノ湖 分け入った笹原の道 笹原の先の富士
芦ノ湖周辺の眺め。けっこう良い。 長尾峠方向を進むと見えるかなと思い、しばし下るが笹の山は途切れず。その替わり、急な下りのはるか先の峠付近に大きな建物が見える。ここから標高差200m弱を下る。写真左(KTさん提供) 急な傾斜にくわえ、雨で土が流されて、柵の土台が剥きだし。コンクリの土台が浮き出している。その厚み40-50cm。 結構流れたんだ、と話しつつ滑らないように足元を気を付けつつ・・・。 途中、「富士山と芦ノ湖が見えるのはここだけ」富士見台と言う展望台に着く10:24。確かに同じ位置で両方見える・・・・がこのような場所はほかにもありそうな雰囲気。 写真中(KTさん提供) 下るにつれ、箱根笹の背丈が伸びてきて4mほどに。左右は笹壁しか見えない道を下る。10:37ようやく長尾峠の標識が現れる。2分ほど進むと、千石原への分岐が分かれ、さらに5分ほど進むと笹が少なくなり、また長尾峠駐車場への分岐標識が出てくる。 写真左:長尾峠の標識 写真右:笹の少ない見晴らしは悪い道 (左右ともKTさん提供)
少し登って下ったところはまた笹垣。足元に塩化カリウムの空き袋がごろごろ。黒色火薬作りにも使えるがおそらく凍結防止用(凝固点低下作用)。笹の柵が途切れたので顔を出すとそこにはスカイラインの料金所と富士。空き袋が有るわけだ。 写真中(KTさん提供)
緩やかに登り、11:02着いた三角点1044.9m。ここも見晴らしは効かないが一休み&エネルギー補給。 次の1063mのピークに向け出発。途中、第一富士見ヶ丘公園(標高1015m)という切り放しに出る。前方に四角く切り払われた広場(=第二富士見ヶ丘公園)が見え、そこで休むことに。着いた公園(標高1022m)でしばし休憩。写真右(KTさん提供) 座り込むとお尻が濡れてくるので、手袋を敷きこむ。周りは春らしく、モグラが掘り返した黒い土の盛り上がりがあちこちに。 眼下には第2東名とおぼしき道路が愛鷹山を巻いているのが見える。ただ今日は空全体に霞がかかったようであまりくっきりと見えないのが残念。 1063mのピークを過ぎ、急な下り道の向こうに芦ノ湖が広がる。さらに下ったところに湖尻水門への分岐が有る。 すぐに箱根芦ノ湖展望公園。 写真左(KTさん提供) ここはスカイラインから1分で歩けるところにあり、南西方向に芦ノ湖と北西方向に富士山の一部の両方見える。前にあった富士見台からは約30mほど標高が低いが、芦ノ湖の北岸(=神山側)の湖岸がよく見える。逆に南岸(=これから進む外輪山側)は単調に見える。 何台かの車が停まって、三々五々やってくるのでそそくさと先を急ぐ。 足元に50m置きに置かれた道標に気が付く。この道標、写真を調べると湖尻水門への分岐点に「終点」の道標が写っていた。 少し登ったところから振り返ると展望公園が一望に。背景に金時山のトンガリと、その右に丹沢の白い峰々が見える。 着いたピークは黒岳(1018m)。道はここで90度左に曲がる。山頂には第一起点入口とあるが何の事やら・・・。深浦水門の関係?? ここから湖尻峠(855m)の下りは笹の背丈が低く、芦ノ湖や行く先の三国山がよく見える。ここからは快適な下りが峠まで続く。写真(KTさん提供) 峠のスカイラインの眺め良し。ただし最後は急降下。着いた峠で車道を横切ると、車が遠慮してくれる。 対岸ならぬ車道の向こう側は湖尻峠。「こじりとうげ」とは読まないらしく、江戸時代に箱根峠を通行させるためこの峠は通行止めにしたとの恨み辛みが書かれている。近くに駐車場がないため、登山客か湖尻からスカイラインに乗る方たちしか目にできない位置に置かれた看板である。 左:これからスカイラインを横断、 中:うみじり峠の看板、 右:黒岳を振り返る。
湖尻水門への分岐から始まり、50m置きに置かれていた道標はここでリセット。新たにNo.175(=だったと思う?)から開始。単純計算で終点まで8.7kmか(「起点」地点には湖尻峠まで8.1kmの道標があったが)。 さてここから約250mの登り。登り切っては水平道になったり登ってはすこし下ったりしつつもひたすら登る。最後の100mの急登では次から次と高いところが現れ、たまらず「あの一番高い(高く見える)ところが山頂?」などと「意味不明」な言葉を吐きつつ。途中写真を撮る余裕もなく峠から45分後の13:05ようやく三国山に到着。そういえばKTさんも峠から三国山まで撮影数0 写真左(KTさん提供)三角点にタッチする。 ようやく本日のコースの半分ちょいを消化。樹間に湖と神山がかろうじて見える程度で眺めは良くないがしばし餌補給する。足元にはバイケイ草の新芽が頭を出している。山頂なのに水分が多い土地柄のよう。 そこからは今度は結構急で長く、160mぐらい下る。緩やかな登りになり、前方にピークが見えてくる。 ピークを越えてゆくような道がみえたが、実際にはやや登りながら北側を巻いていた。その途中に鞍部でもない登り坂の途中に山伏峠の看板が現れる。少し進むと樹間に湖が現れる。 巻き終わったところで人声がする。そこにはレストハウス。ここからピークに上がる道があったので、ついでに登る。芝の上の道は以外と歩きにくく、少々足に来る。 着いた頂は北側の展望は樹木がじゃましてNGだが樹間に丸岳の鉄塔が見えた。東〜南〜西方向は遮る物無し。ただし、霞が強くどうにもくっきりしない。食糧を適当に納めるが、風があり寒くなったので早々に下る。 写真左:北側には丸岳の鉄塔、 写真右:東側にはその昔KTさんが泊まったホテルが見える。(KTさん提供) レストハウスからの歩きは、強めの風に煽られ、わずか2分ほどであるが思わず先を急ぐ。再び笹原に入ると風が遮られ、とりあえずほっとする。(写真左) やがて道は緩やかに下りで快適な道であったが、途中に深めの沢を渡るために片道8−10mほど迂回し、3−4mほど下ったのち登り返す所もある。4−5mの橋をわたせば5秒もかからない所を1分近く。すぐ隣にスカイラインからの雨水排出用の設備らしきものがあり、これをを避けるためかも。やがて薄暗い林に入り、水のある小さな沢を渡るとこんどは登り。水源探しで少し藪にわけ入り、谷を見下ろすとそこはスカイラインからの水が流れるコンクリ製の水路で興ざめ。源は捜索中止。 登り切るとスカイライン脇を緩やかに進む。笹の壁で隔離されていて音はすれど車はほとんど見えない。 やや登りになった振り返るとあのレストハウスが見えた(写真中)。登り切ると快適な草原に出て緩やかに下る。その内「海の平」を通過する。3分後、道は尾根筋を離れるところに着く(写真右)。県境はまっすぐ刈り払われていて、前方の車道までヤブコギすれば行けそうだが、そこから先が全く見えない。左に折れる道に沿って下ることにする。道の更に向こうにはゴルフ場が見えその手前に箱根峠があるのだが・・・・。 ただ、左折直前に右手方向をみると踏み跡が着いていてスカイラインに出られそうな雰囲気。写真右を拡大すると道の向こうにも踏み跡の入口らしきも見えるのだが。 写真左:ほっとする笹の壁。 写真中:車道に平行する道を振り返る。 写真右:稜線の最後の地点。 稜線からの下りは階段が多く膝に来る急な道でひいこら。一気に100mを下る。ここいらでレストハウス付近で会った団体を追い越す。 その後今度は登りまた下る。途中の見晴らしから見える神山には、ガスがかかり初め山頂は見えない。天気は下り坂。下って着いた国道1号線、道の駅下手に出てここにNo.0の道標(=起点)を見つける。 地図によると、道の駅の上手側に「箱根旧街道」の破線があり、ここを下るべく坂を登る。さっそく急な下り。 石畳の道ですこぶる歩きにくい。大きな杉も所々に。 箱根旧街道は、国道1号の下をくぐっている。 しばらく下って、ようやく集落の中に出て、旧箱根街道の案内看板に出くわす。 そこからバス停まで5分程度歩き、本日の終点バス停に16:00着。 KTさん提供の本日の記録。歩数計は33100余歩。 GPSの高度と速度&歩行ルート 13分発のバスは満員でやってきたので、25分発の始発バスを待つが15分頃にはバスが着き、さっさと暖かい車内に乗り込む。20分過ぎには途中で追い抜いた団体がやってきた。 約30分後湯本着。何も買わず電車に乗り込む。ホームにはカメラの列と振り袖姿のグループがいる。先頭車から眺めていると、4−5人がホ−ム先端にも並んでいる。写真左参照 その昔、ここから小田原までは3条軌であったが、この日は一駅区間のみ。標準軌は次の入生田駅の整備場(写真中)に消え、ここから小田原まで1067mmの狭軌に変わっていた。WEBによると2006年に撤去したらしい。 それでも、小田原駅手前のトンネルを抜けた当たり(写真右)までは枕木や軌道上に3条軌の痕跡があったが、いつのまにか1067mmの枕木に変わっていた。 小田原で急行に乗り換え、ビールも土産も何も買わないまま帰途につくことに。 コースタイム 予定(=WEBで調べた神奈川県境を歩いている先行者の記録)、実績(=休み含む) 予定:乙女峠入口−0:35−乙女峠−0:31−丸岳−2:12−湖尻峠−0:50−三国山 計4:08 実績:乙女峠入口−0:35−乙女峠−0:43−丸岳−2:17−湖尻峠−0:47−三国山 計4:25 予定:三国山--------2:15------海の平-0:35-道の駅-0:20-箱根峠 計3:05 実績:三国山-1:01-山伏峠-0:59-海の平-0:35-道の駅-0:20-箱根 計2:55 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− HOME −−>山行一覧に戻る |