そ よ 風 の 小 径

第10回  春を先取り  (2009年 2月15日)

  2月4日の立春という声を聞いた途端に、春が待ちきれない気持ちにかられて、春を迎える旅に出る

 ことにしました。

  向かったのは南房総です。豊橋を8時過ぎに出発し、新幹線から内房線に乗り継ぎ、終着駅の館山

 駅に着いたのはちょうど正午過ぎでした。日帰りの予定でしたので、南房総散策の時間に限りがあり、

 昼食は特急さざなみ号の車中で、沿線の田園風景や反対方向に広がる青い海の景色を楽しみながら

 の駅弁となりました。

  館山駅からレンタカーを利用して、南房総の春とふれあう旅が始まりました。 

  {日本でいちばん早く春がやってくる}

 というキャッチフレーズに違わず、ポピーや菜の花

 が咲き誇っていました。 

  初めて訪れる南房総の旅路は、東側に太平洋

 の青い海が臨め、西側にはパステルカラーの春

 の花々というなんとも穏やかな景色が堪能できて

 それは夢のようなひとときでした。

  南房総の旅を終えて間もなく、今度は地元愛知県渥美半島の先端にある伊良湖岬にドライブする機会

 に恵まれました。

  こちらは地元ですから自宅を出発して一時間ほどで目的地に到着します。子供達が小さい頃は、良く訪

 ねた場所でもありました。その頃、馴染んでいたフラワーパークが菜の花畑として3年前にリニューアルさ

 れたという話を聞いていたので、その菜の花畑を見てみたい気持ちもありました。

  田原、渥美、伊良湖の菜の花畑は有名で、久し振りに訪れる目的地までの道のりの風景も一昔前とは、

 大部異なっていました。太平洋に臨む半島ということでは、南房総とよく似ていて右手に海、反対方向に

 田園風景を見ながら車を走らせました。

  遙か水平線を臨む場所まで来れば、そこが伊良湖岬です。美しい砂浜が広がり、その先には名前もゆ

 かしい恋路ヶ浜が続いています。

  丘の上にそびえるのは伊良湖ビューホテル、すべては何年も前に来た時と同じ姿でしたが、菜の花畑

 だけは初対面でした。しかも想像以上の素晴らしさで・・・・。
  

 青い海と菜の花の黄、それは南房総で出会った風景に似ていました。けれどまったく違うようでもありました。

 太平洋に面した花いっぱいの岬という面では同じでも、やはりどこか違うのです。間違いないのは、これから

毎年この季節には伊良湖を訪ね、菜の花畑に会いにくることが、習慣になるだろうということでした。

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