夏の七草に選ばれているヒメジョオン、今年は特に元気に
咲いている姿をあちこちで見かけました。初夏にはハルジオ
ンも咲いているので、この二つを見分けるは難しいのです。
そこで私の見分け方を紹介しましょう。まず名前の違いから
ハルジオン(春紫苑)でハルジョオンではない。ヒメジョオン
(姫女苑)でヒメジオンではない。
そして「春マキ 中空 糸細し」と覚えるのです。春紫苑
の葉は、茎を包み込むように、巻き込むように付いています。
よって春マキです。またその茎を折ってみると中は空洞にな
っています。よって中空(チュウクウ)。三つ目の違いは花
びらが糸のように細いのが春紫苑、少し幅があるのが姫女苑
です。
「ハルマキ、チュウクウ、イトホソシ」春紫苑の特徴でした。
昭和20年6月というと終戦直前の時、食糧不足だったので、春の七草のように食べられる野草を選んだ
ということです。その後、二度ほど改定されていますが、アカザ、ヒメジョオン、ツユクサは入っています。
私も子供の頃に母から「アカザを食べたけど、美味しくなかった」という話を聞いたことがあります。でも
ヒメジョオンやツユクサが食べられるとか、食べたという話は聞いたこともありません。それだけ食べ物に
困っていた時代が、日本にもあったのでしょう。
食糧事情が好転した時代になった昭和62年に、植物学者の木村陽二郞という先生が「夏の七草はあまり
にも風情がないから、私の好きな夏の七草を考えてみたい」と次の七種を提唱されました。
「マツムシソウ、ヤマユリ、キスゲ、ツリフネソウ、ツユクサ、クサフジ、オオマツヨイグサ」
これらは皆つつましくも綺麗な花を咲かせるものばかりです。そして、夏に弱いアトリエ作者にとっても
この夏の七草は、好きな花で納得がいくのではないかと思います。
「 アカザ、イノコヅチ、ヒユ(ハゲイトウ)、スベリヒユ、シロツメクサ、ヒメジョオン、ツユクサ 」
昭和20年6月(私が生まれる5年前)に選定された夏の七草です。春や秋の七草は有名ですが、夏にも
こうして七草があることをつい最近知りました。(6月の朝日新聞天声人語で)
四季がはっきりしている日本、その季節ごとに代表する草花があっても不思議ではありません。夏の七草
が余り知られていないのは、春や秋の七草は千年以上も前に選定されたのに比べて、明治時代以降に決ま
ったからではないでしょうか。しかも選定した学者さんも何人かいて、いろいろな説もあるようです。
そ よ 風 に 乗 っ て (マネージャーの独り言)
吉沢 武久