そ よ 風 に 乗 っ て   (マネージャーの独り言)
                                     
 吉沢 武久

第 4 回   花 の 名 前  (2018年9月1日)

   連日猛暑日が続いた8月だった。それでもお盆には、少し秋が近いと思わせる風の吹く日もあった。16日である。

 その日の夜、NHKで{いきものおなまえ}という番組が放映された。番組の中で私が住む豊橋市にある石巻山で40

 年ほど前に、新種のカタツムリが発見され「オモイガケナマイマイ」と名付けられたことを知った。出演されていた

 学者さん達が生き物の名前をつける過程や考え方を語っていて、興味深く見ていた。
  
  「オモイガケナマイマイ」は、カタツムリが生息できないような場所(石巻山山頂付近)で発見されたので、おも

 いがけない、という形容詞を付けたのこと。その石巻山のすぐそばで豊橋市ふれあい農園を借りて3年になる。30㎡

 約10坪の広さであり、家からは車で25分と少し離れているが、週に1回農園隣の体育館で卓球の練習を行っているの

 で、借りることにした。借りる理由はもう一つ、ベランダではとても不可能なお花畑を作ることであった。

  この石巻農園は80区画あるが、農園と称しているからにして、我が家以外は全て農作物を作っている。我が家も

 市からお叱りを受けるといけないので、ほんの少しキュウリや茄子も植えている。でもメインはお花畑である。

    農園で栽培する花は、作者がモデルにしたい花で、花屋さんでは手に入りにくい物が多い。1年目からコスモスが

  メインで、秋にはコスモス畑となる。コスモス以外でこれまでに栽培してきた花は、菜の花、紫花菜、向日葵、野菊

  昼咲き月見草等がある。2年目にはポピーと豌豆、矢車草、百日草が加わった。かすみ草は蒔いたが発芽しなかった。

   3年目の今年、作者のリクエストで千日紅とダリヤを蒔いてみた。猛暑の影響があったのか分からないが、いっぱ

  い蒔いたのに、千日紅は2本、ダリヤは4本しか発芽しなかった。千日紅はモデルとして今回幾つか作品として紹介

  できた。その千日紅の名前の由来、生き物や植物の新種は発見者や研究者が付けているようだが、花の場合はどうな

  のだろう。千日、百日と大きな数字を付けているのは、それだけ花が長く咲き続けるからのようだ。実際、千日紅も

  百日草もこの猛暑の中、水やりに毎日行けない農園でも、7月からずっと元気に咲き続けている。

   千が百になった百日紅、ヒャクジツコウと読むのが正しいのだろうが、サルスベリと読む人もいる。本来は猿滑り

  である。百日紅も現在あちこちで元気に咲いている。百日紅も長く咲き続ける花だから付けられたのであろう。

   作品のネーミングに時間を取られること、苦労することを前回書いた。花でも生き物でもその名付けにはドラマが

  あるのだろう。ただし、ヘクソカズラ、イヌノフグリのように、可憐な花にとてもそぐわない、そんなネーミング

  だけはして欲しくないと思う。名付けする学者さん、研究者さん達にお願いしたい。

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