風 誘 讃 花    


      第 33 回   コ ス モ ス の 季 節 に   (2017年10月1日)   

   うす紅の 秋桜が 秋の日の 何気ない 陽溜まりに 揺れている 

  しみじみと心に染みてくるフレーズです。山口百恵さんが歌ってヒットしてから、もう40年の歳月が過ぎたことを知り、驚いています。

  ちょうどその頃、女の子を授かった私は、子育ての真っ最中でした。その子も成長して、今は同じように女の子の母親です。

  この季節になると、どこそこのコスモス園で、今が花の盛りの時を迎えていますよ、といった案内がメディアを通して伝わってきます。
 
 誘われるようにして出かけたこともしばしばでした。

  あれは2年前でしたか、岐阜県可児市のバラ園に秋咲きのバラを求めて行ったことがあります。そのとき園内には、コスモス園が

 併設されていることを知り、期待していたらその場所だけ台風一過のようなものすごさで、ぐちゃぐちゃになぎ倒されているではあり

 ませんか。どうしてこの場所だけこんなことになってしまっているの?といぶかしがっていると、昨晩猪が出て、コスモス畑を踏み荒

 らして行ったことを、園の人が教えてくれました。どうも複数の猪が、昨晩コスモス畑で運動会をしたみたいです。よりによってコスモ

 ス畑でなぜ?と猪に会えたなら、聞いてみたいところです。

  コスモスは大好きな花のひとつなので、私も毎年描いていますが、これまでは花屋さんに出回る時を待ったり、スケッチに出掛けた

 りの日々でした。

  でも豊橋市の郊外に小さな農園を借りてからは、週に2回バケツに一杯入ったコスモスが、宅配便のように届きます。週に2回という

 のは、夫が農園に出掛ける回数に伴って、他の収穫物と一緒に持ち帰るからなのです。コスモスがこんなふうに手に入るようになった

 ことは、本当に嬉しい限りです。

  時々私も農園に随行することがあるのですが、そんな時はもっぱら草むしりと水やりを担当しています。貸し農園の担当者の話によ

 ると、この場所にも猪は出るとのことです。豊橋の猪さん、どうかコスモス畑で運動会などしないようお願いしますよ。
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