風 誘 讃 花    


      第 2 3 回   今 年 の 萩   (2016年12月1日)   

  今年の秋の初め頃に、インターネットで購入したマルバ萩は、買い物

 として大正解の一品でした。ほら、よくあるでしょう?期待して手に入れ

 たものの、がっかりすること。

  家に届いたときは、まだ花の莟も硬くて、それが随分長いこと続いた

 ので、「もしかしたら、咲かないままで終わるのかな」と、そんな思いも

 去来したものでした。

  でも、外気が冷えてくると、ぽつん、ぽつんと無口な少年のような風情

 で少しずつ開き始めたのでした。

  そうなると可愛さが募ってきて、毎日のようにスケッチを重ねるようにな

 って、ついには11月の花の水彩画教室のお手本になってもらうことにし

 ました。

  豊橋には俗名 { 1キロ公園 }と呼ばれる細長い公園があり、公園の

 側道沿いに萩の並木が続く美しい公園です。そこは8月の半ば頃から

 花が咲き始めて、艶やかな萩を愛でるには格好の場所です。

 うちの萩は艶やかさはとぼしいのですが、なんだか親しみやすくて、自然にスケッチしたくなる、というそういう性質を持ってい

ておかげで楽しく創作を続けることができました。

 その萩とも間もなくお別れの時が来たようです。ベランダの陽だまりの中で、時おり風に揺れている枝の先には、まだ花の姿

は残るものの、だいぶ黄葉が進んできました。ガーデニングの本によれば、翌年力強い枝を出すためには、剪定をすることが

大事だというのです。それも地ぎわから1〜2センチのところまで、ざっくりと切るのだというから驚きです。

 想像してみるに、そんなことをしたら来年はもう枯れ果てているのではないかしら、と危ぶむ気持ちになるのですが、参考書

によれば 「 そうすれば、春には新芽が伸びてくる! 」というのですから、それを信じてやってみることにしましょう。

 来年の秋、再びこの萩に逢える時を楽しみに・・・・・。

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