住まいから車で20分ぐらいの場所に、猫の額ほどの花壇を所有しています。そこに紫陽花の鉢植えを移植してから
25年ぐらいが経つでしょうか。小さい鉢に植わっていた青い紫陽花を土ごとすぽっと抜いて移植して、はい、終了!と
いった感じだったのです。それが毎年健やかに成長を続けて、今では両腕でも抱えきれないほどの大きさになりました。
この季節になると、頻繁に出かけて行っては、絵のモデルになりそうな枝を剪定して持ち帰るのですが、この紫陽花
の特徴は、一株から実にさまざまな色と形の花を生み出すという、所有者にとっては誠にありがたい性質を持っている
のです。
そもそも鉢植えで購入した時は、青色のまあるい、いわゆるどこにでもある感じの花だったのです。それが今では、
9割がたガクアジサイで、ほんの少し丸い形状の紫陽花が根元の方にためらいがちに咲いているのですが、色がまた
多彩なのです。
水彩画教室で色の話をする時は、赤、青、黄の三原色をあげて、それぞれの色を混色したときに出来る色のことを
二次色と呼ぶことを説明します。この理論は、中学校で教わるので、赤と青を混色して出来るのが紫ということも皆さ
んご承知のことなのですが、たったそれだけのことで、これだけのさまざまな花に出会うことに対して、どんな称賛を表
せばいいのかと自問してみるのですが、嬉しすぎて言葉が見つかりません。
紫陽花の原種はガクアジサイだそうですから、ほとんど原種に戻ったと思えば形状のほうは、納得できるのですが、
赤い色にしたければアルカリ性の土を、青にしたければ酸性をといった園芸本の説明をほとんど無視している色の
付き方には、大歓迎で今年もあれこれ楽しませてもらっているところです。
|